ハダカデバネズミはインキュベーターの夢を見るか?

ヒトと昆虫の社会性の相違から考えるインキュベーターの生態について。
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あでのい@夏コミ新刊委託通販中 @adenoi_today

はー、ちょっくら長めの文章アドリブでつらつらツイってみるか。

2011-11-21 05:19:28
あでのい@夏コミ新刊委託通販中 @adenoi_today

「キュゥべえにとっちゃ人間なんて虫けらのようなモン」という表現はまどマギの感想なり考察なりで幾度か見てきたが(本編では「家畜のような」だったかな?)、観察者+被観察者としての関係性として見ればそうかもしれないが、

2011-11-21 05:20:03
あでのい@夏コミ新刊委託通販中 @adenoi_today

生物としての機能から考えるとむしろキュゥべえのような生物としての機能の仕方の方が遥かに「虫」に近い。

2011-11-21 05:20:31
あでのい@夏コミ新刊委託通販中 @adenoi_today

個人的に強烈に感じるキュゥべえの魅力の1つが、その機能や役割が過度にシステム化されている点だ。彼らは個別に意思や感覚器官を持ちつつも全体が1つの生命であるかのように振る舞う。

2011-11-21 05:22:15
あでのい@夏コミ新刊委託通販中 @adenoi_today

端的に言えば、あるキュゥべえの一個体は「キュゥべえ」という巨大なシステムを構成する1パーツに過ぎない。だから彼らは個体の生死そのものに関しては自分自身を含めほとんど頓着していない。そこにあるのは効率的であるか否かだけだ。

2011-11-21 05:25:11
あでのい@夏コミ新刊委託通販中 @adenoi_today

このような生活様式は人間の観点から見れば奇異に映るが、地球上であっても生物全体で見ればそれほど珍しいものでは無い。 ここで「人間」は「脊椎動物」くらいに拡大しても良いかも知れない。

2011-11-21 05:26:56
あでのい@夏コミ新刊委託通販中 @adenoi_today

現在地球上で、高度な社会性を持った動物というのは大きく分けて2種類に大別出来る。片方は我々人類を含む一部のほ乳類で、もう一方は蟻や蜂などのいわゆる「社会性昆虫」と呼ばれるものたちだ。

2011-11-21 05:29:10
あでのい@夏コミ新刊委託通販中 @adenoi_today

これらの双方は共に群れの中で複雑な階層構造を形成し、個体ごとに高度な役割分担がなされている。しかしながら非常に面白い事に、このような社会性の原因自体はまったく異なる。正反対と言って良いだろう。

2011-11-21 05:31:24
あでのい@夏コミ新刊委託通販中 @adenoi_today

我々が高度な社会性を築けているのはひとえに肥大化した神経系、すなわち脳のおかげである。我々は一人一人がより利益を獲得する為に群を成し、群を効率よく運営する為に一人一人の判断として役割や階層を作り出している。

2011-11-21 05:33:27
あでのい@夏コミ新刊委託通販中 @adenoi_today

簡単にまとめると、我々は個体それぞれが高度な判断能力、知能を備えているからこそ社会性を有していると言える。他方、蟻や蜂などの昆虫はそれとは逆に個体の意思や知能がほぼ一切無いからこそ社会を形成している。

2011-11-21 05:36:24
あでのい@夏コミ新刊委託通販中 @adenoi_today

そもそも彼らには我々が言う所の脳など持たない。あるのは全身にわたって張られる梯子状神経系だけだ。彼らは自由意志を持たず、遺伝子によってこの世に生を受ける前から決められた役割や社会的階級に従って生を成している。

2011-11-21 05:39:33
あでのい@夏コミ新刊委託通販中 @adenoi_today

そう、まるで群という巨大なシステムを構成する1パーツであるかのように。

2011-11-21 05:42:36
あでのい@夏コミ新刊委託通販中 @adenoi_today

我々が社会を作るのは、それが結果的に個々人の利益を最大化させることに繋がるからである(少なくとも理想上は)が、昆虫の社会は正しく社会構造の為に個体が存在していると言って良い。

2011-11-21 05:42:53
あでのい@夏コミ新刊委託通販中 @adenoi_today

何故そのようなシステムが成立するのかと言えば、昆虫は群の中で同じ遺伝子を共有しているからだとか、まあイロイロ理由はあるのだがその辺は今は置いておく。

2011-11-21 05:43:58
あでのい@夏コミ新刊委託通販中 @adenoi_today

さて、翻って考えるとキュゥべえ達の生活様式はこのように極めて「虫的」である。であるにも関わらずキュゥべえ達は明らかに個体それぞれにおいて高度な知能、意思決定能力を備えている。また僅かであるが個性も存在するようだ。

2011-11-21 05:46:41
あでのい@夏コミ新刊委託通販中 @adenoi_today

この点に着目して考えると、キュゥべえがどのような進化の筋道を辿りあのような個体能力と生活様式を獲得して来たかというのは非常にチャレンジングな考察であると言える。少なくとも地球上の生物が行った試行錯誤の中からはキュゥべえ的な生物は一度も誕生していない。

2011-11-21 05:48:41
あでのい@夏コミ新刊委託通販中 @adenoi_today

まどマギ放送直後から今にいたるまで、個人的にはキュゥべえ達は何らかの他の生物が作り出した人工的なシステムではないかと考えている。これは自分の中の知識からはキュゥべえという生命の自然発生プロセスが思いつかなかったからだ。

2011-11-21 05:52:03
あでのい@夏コミ新刊委託通販中 @adenoi_today

(さらに個人的に言えば、その「キュゥベエ」というシステムを作り出したであろう生物(文明?)が既に亡んでいてシステムだけ延々と動作し続けてるとかだと良いなと思うが、そこはまた個人的なロマンチシズムの話なので今回の話とは関係ない)

2011-11-21 05:53:36
あでのい@夏コミ新刊委託通販中 @adenoi_today

他にも、キュゥべえ達が文明を発達させていく中で自分達の科学技術により自身を「虫的」にシステム化させていったという説も何度か拝見したが、こちらも確かに納得のいく話だ。

2011-11-21 05:56:04
あでのい@夏コミ新刊委託通販中 @adenoi_today

SF的に言えばスタートレックのボーグやドクター・フーのダーレクがそれに当たるだろう。 とにかく、キュゥべえという生物はかように異質な存在だという事だ(彼らは人類の事を異常な生物と述べていたが)。そしてその異質さこそがキュゥべえというキャラクターの魅力なのである。

2011-11-21 05:58:54
あでのい@夏コミ新刊委託通販中 @adenoi_today

以上、キュゥべえ語りに見せかけた「ヒトと昆虫が作る社会システムの構造的な相違点」でした。

2011-11-21 05:59:39
旅烏@上方落語とウマ娘とHIPHOPとSF @banraidou

@houtou_trip20 QBは未来からやって来たハダカデバネズミだったりしてw

2011-11-21 06:04:09
あでのい@夏コミ新刊委託通販中 @adenoi_today

そこは話を通りやすくする為に意図的に避けましたが、やはり分かるヒトにはツッコミ所ですねww まあハダカデバネズミの真社会性に関してはまだ議論中ということでどうかお見逃し下さいww RT @banraidou: @houtou_trip20 QBは未来からやって来たハダ

2011-11-21 06:12:15

数日後、補足

あでのい@夏コミ新刊委託通販中 @adenoi_today

でまあ、折角なのでちょっと補足。 ハダカデバネズミってのは哺乳類であるにも関わらず昆虫のような社会を群で作っている非常に奇妙な生物。ここでいう「昆虫のような社会」とは簡単にいえば「子供を作らない個体の存在」だ。

2011-11-25 02:46:21