「バカ」の分析

佐藤未悠 @miyou_satou

罵倒語の普遍性は意味（シニフィエ）の強さより音（シニフィアン）の有契性の高さによるところが大きいと思う。 だから有契性の低い（シンボル性の高い）「頭が悪い」より「バカ」の方が身体レベルで刺さる。 twitter.com/miyou_satou/st…

佐藤未悠 @miyou_satou

「オノマトペを非言語と言語の繋ぎに使うと子供の言語習得が早くなる」という話面白い。 しかしそれならいきなり「WATER」とか「EGG」とかの有契性超低いシンボルを教え込もうとしたサリバン先生はスパルタ教育が過ぎる。 「EGG」の前に卵っぽい「◯」を使うとか出来ただろ。 youtu.be/hNULhZPWmD8?t=… pic.twitter.com/i0dR8Mbxhy

2023-05-28 17:33:57

佐藤未悠 @miyou_satou

「バカ」は、[b]のノイズ感ある濁音の攻撃的な音を、口を大きく開く母音[a]で強く開放する「バ」と、「ケッ」と吐き捨てるような「キキ」と同じ[k]によるトゲトゲしさを持つ「カ」の2音で端的に終わるかなり音としても攻撃力の高い言葉。 というかバカの攻撃力の高さは専ら意味より音によるのでは。 twitter.com/i/web/status/1… pic.twitter.com/mx2DEV6Q23 twitter.com/miyou_satou/st…

佐藤未悠 @miyou_satou

@K4JZ2fj6ek96984 関東人にとっては関西人よりは柔らかくないのかもしれないけど、バカよりアホのほうが柔らかいのは全国共通だと思いますよ。 バカ/アホにはブーバ/キキ効果が確実に働いてる。 ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%96…

2023-07-08 12:50:25

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佐藤未悠 @miyou_satou

こういうことを考えると「莫迦」の面白さが際立つ。 「バカ！」は「エモノ！」と叫ぶのと同じ原始的な印象がするけど（原始的故にかなりの普遍性をもって身体に刺さる）、そういう原始的・動物的な語（音）に「莫迦」という極めて何か高度な宗教性を具えてそうな文字を当てる事によって生じる面白み pic.twitter.com/5YYKzufhj2 twitter.com/miyou_satou/st…

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佐藤未悠 @miyou_satou

「バカ」或いは「馬鹿」は動物的（「馬鹿」なんてまんま動物）で知力を侮辱基準にしてる現代人には耐え難い言葉だけど、「莫迦」と言われてると思うとあんまり侮辱とは感じないのでは。 「バカ！」という音を投げかけられても脳内で「馬鹿！」ではなく「莫迦！」に変換したら怒りが弱まる。

佐藤未悠 @miyou_satou

サイとカバ、バカそうなのは無論カバだけどその内のどれだけが「カバ」という名前由来なのかが不明。 顔だけ見るとカバも結構バカっぽいけど、シンボルの「ツノ」と「大口」でまた差がついてる。 バカっぽさは ［名前］ サイ1：カバ9 ［顔］ サイ4：6 ［シンボル］ サイ2：8 でやはりカバが圧勝。 pic.twitter.com/04QPBlHS3x

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佐藤未悠 @miyou_satou

カバオくんを見ると「歯抜け」であることもバカっぽさの原因だと思われる。 イヤべつに歯抜けな訳ではないけど、どうしても人間の歯並びと比べてしまって歯抜けに見えてしまう。 pic.twitter.com/sIiEWDV2Nt

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佐藤未悠 @miyou_satou

英語と日本語を一切知らない人にこの写真見せて「どちらがカバでどちらがヒポポタマスだと思いますか？」と聞いたら8割はカバを「カバ」と答えると思う。 ヒポポタマスのカバっぽくなさは英語圏の人も感じてるに違いない。 pic.twitter.com/PvKnWdl1O6

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佐藤未悠 @miyou_satou

でも「バカ」は攻撃語としては極めて的確だけど、「ネジがバカになる」のような拡張した意味も含めたバカな人やモノを指示する言葉としては、音としては鋭すぎて対象とイメージがあまりうまく重ならない。 「バカ」より「アホ」とか「マヌケ」とかのほうが呆けてる感間の抜けてる感が表現されてる。

佐藤未悠 @miyou_satou

「バカ」より「カバ」の方が指示対象（バカな人やモノ）を表す言葉としては合ってる。 「バカ」は入りの「バ」が強くて刺すような攻撃性があるから発言者の罵倒表現として合う。 対して「カバ」は入りの「カ」が「バ」より弱く間の抜けた印象があるから指示対象と合う。 twitter.com/miyou_satou/st…

佐藤未悠 @miyou_satou

「カバ」は「バカ」と似てるから〈バカ〉のイメージを取り込みつつ、でも「バカ」の刺すような攻撃性をいなしつつ間の抜けた指示対象（バカさ）そのものの間の抜けたイメージを維持してる。 あの丸くて丈夫そうな体も「バカ」の槍が刺さらない間抜けさ愚鈍さの印象形成に一役買ってる。