戦車小話~シャーマンとIV号戦車の「発展性」どうして差がついた?

途中で性能向上の限界に達してしまったIV号戦車と、最後までいい感じの改良が出来たような気がするシャーマン戦車。それってどういう差があったんでしょうね?というおはなし。
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JagdChiha 〄 次元不可能性撹拌機 @Jagdchiha

@FHSWman @futaba_AFB というよりは、発展限界の近い4号に一線級の火力を与えるための工夫を凝らした結果なんでしょうね もし独軍がもっと余裕のある車体を持っていたのならこの砲は生まれる理由もなかった気がするんですね

2023-08-06 23:17:52
えすだぶ@C102日曜東3"ア"-33a @FHSWman

@Jagdchiha @futaba_AFB それはそう。もし仮にKwK40が無かったとしてもIV号やIII突が単純に短砲身のままになる事は多分なくて、代わりにもうちょっと大掛かりで(そのぶん生産数とかに代償のある)火力強化案が作られる事になっていそうです

2023-08-06 23:34:06
ウチューじん・ささき @uchujin17

「IV号戦車にパンター砲(75mm L/70)を載せた車両」はIV号駆逐戦車だけど、パンターF用に企画された小型砲塔(Schmalturm)は「IV号にも乗せられる」という話だったような。それを実際に作っていたとして「戦車」として運用できたかはわかりませんが。 twitter.com/FHSWman/status…

2023-08-07 02:18:31
えすだぶ@C102日曜東3"ア"-33a @FHSWman

乱暴な見方をすれば、シャーマンとIV号戦車の拡張性の差は結局のところ「馬力の余裕」なのかも知れません。どちらも大元の原型は似たような規模の戦車なのですが、馬力の余裕に大きな差がありました #マシュマロを投げ合おう marshmallow-qa.com/messages/f5e47…

2023-08-06 20:25:13
ウチューじん・ささき @uchujin17

実車は作られていないはずだけど、模型では何製品か出ていますね。パンターにとって「小型」砲塔でもIV号では見るからに頭でっかちで、拡大版チヌ車みたい。 pic.twitter.com/y3Ns5IYkqQ

2023-08-07 02:20:23
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えすだぶ@C102日曜東3"ア"-33a @FHSWman

@uchujin17 単純に考えても砲塔重量が4トンから8トンに増えて、IV号車台で最重量級のブルムベアより更に1トン重くなってしまうんですよね。物理的に不成立という程ではないけれど戦車として今まで通りに使えるかというとダメそう……と、まあ一応真っ当な案ではあるし、でもそれを蹴るのも妥当という感が

2023-08-07 02:42:23
ウチューじん・ささき @uchujin17

@FHSWman 穴掘って砲塔だけ出して待ち伏せ射撃に使って、ヤーボや重砲の仕返しが来る前にトンズラする運用がされそうです…

2023-08-07 02:46:42
ウチューじん・ささき @uchujin17

シャーマンも後にはイスラエルでフランス製の75mm L61砲(一説によるとKwK42の従姉妹みたいな砲らしい)を積んだM50とか105mm L51砲を積んだM51とか魔改造されていますが、これを「発展性があったから」と呼ぶのはなんか違うような気がします。

2023-08-07 02:49:24
えすだぶ@C102日曜東3"ア"-33a @FHSWman

@uchujin17 それが案外そうでもなくて。シャーマンは最初から105mm榴弾砲装備も計画されていたお陰で75mm砲装備の割に砲塔リング径に相当余裕を持たせていたのです。それが後の長砲身76mm砲装備を許したし、それどころか同じリング径はパーシングにも引き継がれてます。90mm砲塔が載るほどの余裕が実際あるのです pic.twitter.com/GrCeYaoiiI

2023-08-07 03:05:42
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ウチューじん・ささき @uchujin17

かつて「ゼロ戦はぎりぎりまで軽量化したので発展性の余裕が無かった、ゼロ戦より古いBf109やスピットファイヤはエンジンや武装を換えながら大戦末期まで主力であり続けた」みたいな論説があって、今ではおおむね否定されているんですが、「現設計の余裕・発展性」って微妙な話題だと思うのです。

2023-08-07 02:53:27
ウチューじん・ささき @uchujin17

スピットファイヤとほぼ同期のハリケーンがグリフォンを積まなかったり、F4FワイルドキャットがR-2600を積まなかったり、P-40が二段過給マーリンを積まなかったのは「現設計に余裕が無く発展性が無かったから」じゃないですよね。

2023-08-07 02:58:42
ウチューじん・ささき @uchujin17

逆にグリフォン搭載のスピットファイヤMk 14とかDB605搭載のBf109Gが実現したのは「現設計に発展性の余裕があったから」だとは思いません。

2023-08-07 03:02:03
ウチューじん・ささき @uchujin17

兵器の生産仕様、特に戦時におけるものは「大人の事情」で左右されることが多いので、「現設計の余裕/拡張性」とかあんまり本質的じゃないような気がします。

2023-08-07 05:56:34
えすだぶ@C102日曜東3"ア"-33a @FHSWman

@uchujin17 それは本当にそうです。戦車でも必要性とやる気さえあればスチュアートから似ても似つかないX1戦車が生まれてしまうわけで、原設計の余裕なんてのはまあ、どれだけ手間暇かける気があるか次第でどうにでもなってしまいます pic.twitter.com/00DIATplw1

2023-08-07 06:13:25
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ウチューじん・ささき @uchujin17

@FHSWman やだかっこいい(魔改造だいすき)。スパローを撃てるイタリア空軍のF-104Sとか、AMRAAMを撃てるシンガポール空軍のF-5Sとか、飛行機でも魔改造の例がありますね。その裏側にはメーカー純正魔改造なのに売れなかったF11F-1FとかF-20とかも。

2023-08-07 06:16:33
えすだぶ@C102日曜東3"ア"-33a @FHSWman

@uchujin17 しかしそういう「発展性」なるものの曖昧さを認めたうえで、個別の事例としてのシャーマン戦車にはたしかに多様な任務に適合するための発展性が意図的に用意されたところがあり、また実際にそれが活きたというのもまた認めざるを得ない……とも思うのでした

2023-08-07 06:21:36
ウチューじん・ささき @uchujin17

@FHSWman 原設計が適度にユルくてとにかく沢山作ったがゆえに多くの発展型を生むことになった例もあれば、最初から複数の派生型を考慮したコンポーネント設計が「どうしてこんなことに」という結果になったりもするという皮肉・・・。 pic.twitter.com/1G0NOV7nKr

2023-08-07 06:30:55
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えすだぶ@C102日曜東3"ア"-33a @FHSWman

@uchujin17 やろうと思えば何だってどうにでも出来るけど、でも「どうにかする」のにかかる手間にはやっぱり物によって差がある筈なので、「発展の容易性」みたいな言い方がよいのかもしれませんねえ

2023-08-07 06:39:18
えすだぶ@C102日曜東3"ア"-33a @FHSWman

そう、戦車に限らず兵器の「発展性」なんてものは実際曖昧なもので、動機と費やせるリソースがあれば割とどうにでもなってしまうものでもあります。逆に動機が弱ければ、どれだけ簡単に弄れるものであっても触られない。実際に発展型が作られるかどうかは、物理的実態と外的要因の両輪によるのです pic.twitter.com/YNK2Pbmwto

2023-08-07 16:07:42
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えすだぶ@C102日曜東3"ア"-33a @FHSWman

たとえば大戦期米軍戦車にしても、仮にT20系への移行がすんなり決断されていたなら、シャーマンはただリーに次ぐ微妙な中継ぎとして早々に消えたでしょう。逆にドイツでパンターがどうしようもない失敗をして早々に作れないような事になっていれば、IV号戦車の抜本改良は実行に移されたかも知れません

2023-08-07 16:10:06
えすだぶ@C102日曜東3"ア"-33a @FHSWman

そうはいっても外的要因が全てを決めるという訳でもなく、物理的実態によって必要な手間は確かに変わる。「発展性」は固定された天井ではなくて「発展させやすさ」みたいな柔らかい段階的な天井として考えるのがよいのでしょうね。その高低は、実際にそれが実行されるかどうかとは必ずしも一致しない

2023-08-07 16:17:12
えすだぶ@C102日曜東3"ア"-33a @FHSWman

さて昨日のシャーマンの話ではサラっと流して今いましたが、この戦車には馬力の余裕という(偶然か意図的かちょっとよくわからない)要素のほかに、もうひとつ明確に意図されて用意された「発展させやすさ」が備わっていました。計画の最初から多様な武装への換装可能性が織り込まれていたのです

2023-08-07 16:23:30
えすだぶ@C102日曜東3"ア"-33a @FHSWman

シャーマン戦車の開発に際しては当初、以下の武装への換装が考慮されていました ・75mm野砲級戦車砲 ・37mm対戦車砲の2連装 ・105mm榴弾砲 ・高射対応の50口径機関銃3連装 ・英国6ポンド対戦車砲 さらに75mm+37mmの並列装備なんてのも考慮されていたようです pic.twitter.com/wLys1Ld3fv

2023-08-07 16:31:04
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えすだぶ@C102日曜東3"ア"-33a @FHSWman

こうした武装換装の余地をとるために、シャーマンは砲塔リング内径を69インチ(1752.6mm)を非常に大きくとりました。何故ここでリング径が大事かというと、その戦車が扱える弾薬の長さを決めてしまうのです(砲の後座長も心配になるかもですが、戦車砲では一般に後座長より弾薬全長のほうが長い) pic.twitter.com/kj8LHVpqdh

2023-08-07 16:34:53
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えすだぶ@C102日曜東3"ア"-33a @FHSWman

ここで実際の弾薬の長さを見てみます。シャーマンの武装主たるものとして考慮されていた仏75mm野砲系弾薬は全長26.29インチ(668mm)と、まあ割と短い部類の弾薬です。つまりこの砲を積むだけならそれほど大きな砲塔リング径は必要なく、クロムウェルとかチャーチルの規模でも間に合ってしまう pic.twitter.com/NZSOWZ5MJu

2023-08-07 16:40:22
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えすだぶ@C102日曜東3"ア"-33a @FHSWman

もし仮にシャーマンが75mm砲装備しか考えないで、それに最適化した造りをしてしまっていたら、その発展させやすさもチャーチルやクロムウェルと同じくらいに収まってしまっていたでしょう。あとで長砲身76mm砲を装備しようと思っても、それには大規模な変更が必要になってしまっていたところ

2023-08-07 16:43:19