「他人の考え方を再構成し、要注意事項や懸念点を発見する力」というのは、どうやら、難易度が高いらしい。しかも、出来る人でもなぜできるのか自覚なく、なんとなく出来る場合がままあり、出来ない人にどうすれば出来るようになるのかを教えられない模様。
2011-11-28 12:08:21まずは、自分の主張の構造を理解すること。他人の主張の構造を瞬時に把握するのはハードルが高いから、まずは、多少は時間をかけてでも、自分の主張の構造を把握する練習を重ねた方が良い。
2011-11-28 12:09:51自分の主張の構造を把握する場数を重ねていくうちに、会話の中であっても、相手の主張の構造を瞬時に把握できるようになることを期待する。
2011-11-28 12:11:18自分の主張の構造を理解するための第一ステップとしては、ビジネスの世界でよく言われている「結論先出し」だ。結論先出しの練習は、論理思考が苦手な方は決定的に欠けている。結論先出しのコトを、その筋では「why?」と呼ぶ。糸石は「なぜなら思考」と呼んでいる。
2011-11-28 12:13:00日常会話では原因・過程先出しの場合が多いから、そちらの練習は比較すればできている。「原因・過程先出し」のコトを、その筋では「So what?」と呼ぶ。糸石は「だから思考」と呼んでいる。
2011-11-28 12:17:31そして、「自分が話そうとしている内容が、結論を導くことに関連しているか」を、会話のたびに常にチェックし続ける。結論を導くことに関連していない内容は話さないことを意識する。これを既存の用語で言うと、ピラミッドストラクチャー(PS)と呼ぶ。
2011-11-28 12:20:02「会話のたびに常にチェックし続けるのか」と思うと大変億劫になるけれど、慣れてしまえば、どうということはない。チェックは無意識のうちにしているから、精神的には全く負担にならない。
2011-11-28 12:21:52「会話のたびに常にチェックし続けるのは精神的に負担だなあ」と思うなら、新聞記事のチェックでも良い。一面トップ記事や社説、コラム(「天声人語」や「編集手帳」「産経抄」など)が手頃かな。
2011-11-28 12:24:16新聞記事は、必ずしも模範例とは限らないので注意。論理が崩壊しているものや、前提や結論を意図的に隠してミスリードしているものも多い。少し慣れた後なら、隠れた前提・結論を見つけ出すのも、良い練習になる。
2011-11-28 12:25:55まずは「知る」、次に「意識する」、次に「意識すればできる」、最後に「無意識でもできている」レベルを目指す。「無意識でもできている」レベルを格好つけて言うと「ロジカルシンキングは行住坐臥にあり」。
2011-11-28 12:28:52「なぜなら思考」と「だから思考」にある程度慣れてきたら、「なぜなら」の部分に抜け漏れが無いかも、確認する。これを既存の用語で言うと、ロジックツリー(LT)と呼ぶ。
2011-11-28 12:30:52エラい人(例えば、部長)が判断を下す際。自分が詳しく知らない内容にも判断を下さねばならないシーンが出てくる。そのような場合、エラい人は、部下の考え方を再構成し、重要な抜け漏れが無いかを確認している(はず)。
2011-11-28 12:32:12逆に言えば、「他人の考え方を再構成し、要注意事項や懸念点を発見する力」が無い人は、エラくなれない。そういう人には、「自分が詳しくない事項であっても的確にチェックし、判断を下さねばならない」ような地位を与えることはできない。
2011-11-28 12:34:01論理構造がOKであれば、後は事実認定だけの話だから、そこだけを確認すれば良いだけの話。そこだけをピンポイントで別の人に確認しても良いし、グーグル先生に聞いても良い。
2011-11-28 12:36:29一方で、賢さというものは「フレームワークを知っているか」とは本質的には無関係。確かに、フレームワークは即効性がある。しかし、長い目で見れば、フレームワークを詰め込むことよりも、PSやLTの方がずっと大切。
2011-11-28 12:38:20フレームワークというものは、「厳密にはPSでもなくLTでもないけれど、大概の場合にはこれで充分」という経験則だ。だから、フレームワークの限界を弁えていなかったり、現実が変化してフレームワークが充分に機能しなくなると、とたんに役立たずになる。
2011-11-28 12:40:48