茂木健一郎(@kenichiromogi）さんの連続ツイート第3111回「嫌な人は記憶から事実上消してしまうのが最高の復讐」

茂木健一郎 @kenichiromogi

連続ツイート３１１１回をお届けします。文章はその場で即興で書いています。本日は感想です。

茂木健一郎 @kenichiromogi

時々、「茂木さんはなぜそんなに元気なのですか」と聞かれる。忙しかったり、いろいろ面倒なことや、ストレスがたまることもあるだろうにということなのだろうが、答えは簡単で、脳の休め方を知っているから、とりわけ、「忘れる」ことができるからである。

茂木健一郎 @kenichiromogi

脳の休め方としては、睡眠ももちろん大切で、そのためには昼間とか移動中に少しでも眠る「パワーナップ」が効果的である。同時に、忘れることもとても大切で、それはつまり疲労やストレスを与える状況から離れて「文脈」を変えることである。

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嫌なことがあったり、嫌なことを言われたり、嫌な人に会ったりした時には、できるだけ早くその文脈から離れて忘れる。「忘れる」と言っても、記憶自体を消すことはできない。前頭葉を中心とした再解釈（reappraisal）の働きでその重要度を下げる。

茂木健一郎 @kenichiromogi

嫌なことやストレスを感じることがあったら、そこから注意を他に向けて、世界は多様だ、人生は捨てたものじゃないと実感する。そのことによって、脳の回路が特定の文脈に引き込まれることなしに、よりバランスのとれた機能を果たすことができる。

茂木健一郎 @kenichiromogi

ぼくは、嫌なことがあっても、他の方向を見て、あっという間にそのことを忘れてしまう。嫌なこととか、嫌な人は、世界のほんの一部分に過ぎない。その嫌なところばかり見ていると自分が暗黒に飲み込まれてしまう。他の世界を見ていれば、嫌なものは小さな芥子粒になっていく。

茂木健一郎 @kenichiromogi

よく、幸せになることが最大の復讐だなどと言うが、嫌な人に対しては、忘れることが最大の復讐だと思う。嫌な人を覚えているほど、人生は暇じゃない。前頭葉を中心に脳を切り替えて、嫌な人は記憶から事実上消してしまうのが最高の復讐であり、そして実際的な処方箋である。

茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、連続ツイート３１１１回、「嫌な人は記憶から事実上消してしまうのが最高の復讐」をテーマに６つのツイートをお届けしました。