氷室冴子『少女小説家は死なない!』に出てくる編集者と漫画家

この物語はフィクションなので、実際にあったことをそのまま記述してあるわけではないと思います。
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https://togetter.com/li/2244975#c12670502
氷室冴子先生の「少女小説家は死なない!」って作品の中で、編集者が新人漫画家にキツく当たったら実はその新人漫画家が売れっ子漫画家と友達で、新人に泣き付かれた売れっ子の一声で編集者が左遷された…なんてエピソードが出てくるんですけど。もしかしたら実際そういうのあったのかもな。私がお世話になってた先生も、自分の担当が新人の前では態度が変わることは別ルートで把握してたし。

砂手紙 @sandletter1

1・ということで、氷室冴子『少女小説家は死なない!』を読みました。左遷されたと思われる編集者はふたり出てくるんだけど、ひとりはどうしようもないので置いといて、「新人漫画家にキツく当たった」ほうと思われる編集者に関する記述を引用してみます。

2023-10-28 23:51:04
砂手紙 @sandletter1

2・なお、これは「物語」(フィクション)なので、似たようなことがあったとしても、面白く作ってあるはず。引用は氷室冴子『少女小説家は死なない!』コバルト文庫、昭和57年7月、26刷。古いね。東京ディズニーランドもまだできていない時代か。以下引用。

2023-10-28 23:51:55
砂手紙 @sandletter1

3・P73「おれ(中堅編集者)なんかこの年で、デビューして一年ぐらいで人気者になった娘ぐらいの新人に、父親みたいな親心で「あんた、誤字が多いね」と言っただけでポーンと島流しだよ。最近の若い娘(こ)ってのは何考えてるんだろね。

2023-10-28 23:52:16
砂手紙 @sandletter1

4・一般世間じゃ、年上の者に誤字が多いと言われりゃ、すいませんとか勉強しますとか言うよ。それが、いやーんと泣き出しちまって、意地悪された意地悪されたと騒ぎまくって、一夜明けたら少女漫画の某大作家からお名指しの指名電話だよ。

2023-10-28 23:52:29
砂手紙 @sandletter1

5・あの新人作家、夜中じゅう、あちこちの知り合いの漫画家に電話かけて、あの編集は意地悪だ人間ができてないクズだ二流大学出だと喚(わめ)き散らしたらしいんだな。つくづく、少女漫画家ってのはこわいよ。

2023-10-28 23:52:54
砂手紙 @sandletter1

6・なまじ人気があるからやることが横柄だし、閉鎖社会だから縦や横の人間関係が入り組んでて、電話ひとつで情報がばばーっと広まっちゃう。おれはここに来て、ホッとしてるね。漫画家相手にしてる時と違って、作家相手に気を遣わなくてもいいしさ、ははは

2023-10-28 23:53:06
砂手紙 @sandletter1

7・この編集者の証言だけで判断すると、パワハラ要素はあるとは言っても「キツく当たった」というのは盛り過ぎで、話を盛って知り合いに伝えた新人漫画家が加害者に見えますが、はて。言えるのは、そうだなあ、「人気」ってこわいね、ってことぐらい?

2023-10-28 23:53:35