稲川淳二の『つぶやき怪談』(2023.10.23)

稲川淳二 @Junji_Inagawa

10月9日水戸市民会館の公演で通算公演数が、 おかげさまで1000怪目を無事迎えることができました。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

これも、マブダチのみなさんおかげです。 本当にありがとうございます。 感謝の気持ちでいっぱいです。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

みなさん、お変りないですか？　 稲川淳Ｇです。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

もうすぐ、ツアー沖縄です。 そして、一足先に恒例のＢＢＱ打ち上げです。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

沖縄から帰って来ると、 カウントダウンが始まります。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

マブダチのみなさんの、 笑顔に拍手に声援の特効薬が効いて、 ぎっくり腰からのカムバックでしたが、 何とかゴールを迎えられそうですねェ。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

あれだけの猛暑、酷暑もどこえやら、 夏もいいですが、秋の怪談もいいですよ。 どうぞ、最後までお付き合いください。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

それでは、今回の「つぶやき怪談」 そろそろ始めましょうか。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

ゆったりと、くつろいで、 お付き合いいただければと思います。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

そんな訳で、怖ーい噺で楽しんで下さい。 稲川淳二の「つぶやき怪談」 怖・楽しい時間を、共有しましょうね。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

沼田さんという、 ８０を過ぎたお婆さんのお話なんですよ。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

それは昔、沼田さんが、 山形の農村で暮らしていた頃の事。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

近所に、独り暮しをしている盲目の指圧師のお婆さんで、タミさんという人がいて、

稲川淳二 @Junji_Inagawa

沼田さんが、身の回りの世話をしてやったりして、親しくしていたそうです。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

このタミさんは、生まれついての全盲の人で、 親が将来の事を考えて、若い頃から師匠について、指圧の修行をしたんだそうで、メキメキと腕を上げていった。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

そのうちに、霊能力のようなものが身に付いたのか、 人の身体を摩るだけで、病んでいるところを、 当てたりするようになったというんですね。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

結婚の経験も無く、わずかな家財道具があるだけの、質素な生活をしているんですが、

稲川淳二 @Junji_Inagawa

おかしな事に、家財道具のなかには、 使いもしない鏡台があったそうです。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

タミさんは盲目ですから、 鏡を見る事がないんですね。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

どこででも、髪を梳して、 器用にまとめていたそうです。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

そして闇を相手に、 よく独り言を言っていたというんですね。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

それは、ある年の秋の始めに、大雨が降り続いて、 田畑が水に浸かって、大きな被害が出たんで、

稲川淳二 @Junji_Inagawa

その後片付けやら作業に追われて、 しばらくタミさんのところへ、 顔を出せなかったんですが、