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yuyaichikawa
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【渡る世間ラスト52】気がつくと、えなりは中華屋幸楽の二階のベットに横たわっていた。下の階からは、中華料理の音が聞こえる。結局、戻ってきてしまったのだ、「先生」の脚本の世界に。襖が開き、割烹着に身を包んだ例のシャネルの女がこちらを見ていた。泉ピン子。 #wataoni
2010-12-23 00:57:21![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
【渡る世間ラスト53】ほら、早く身支度をして学校に行きなさい。あんたはこの家の跡取り息子なんだから、ちゃんとしてくれなきゃ困るのよ、さあ早く。泉ピン子は淀みなく長い台詞を言い放った。彼女は自分の母親ではない。しかし、そうであるように演じなければならない。 #wataoni
2010-12-23 00:57:34![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
【渡る世間ラスト54】えなりは追い立てられるように一階に降り、カバンを手に取り外へ出た。なにも変わっていない。永遠のループに戻ってきたのだ。ただ、あちら側での記憶は保ちながら。仕方ない。仕方ないのだ。子役として、その役目を全うしなければならないのだ。 #wataoni
2010-12-23 00:57:52![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
【渡る世間ラスト55】外にあるゴミ箱の横に見覚えのある布を見つけた。血のついたよだれかけ。えなりがあちらで失った息子の形見。素早くポケットに入れた。そこへ泉ピン子がやってきた。なにしてるの、なんで泣いているの。お母さんになんでも話しなさい。 #wataoni
2010-12-23 01:00:28![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
【渡る世間ラスト56】詰問する泉ピン子に背を向け、えなりは答えた。「そんなこと言っても、しょうがないじゃないか」えなりの焦点は合っておらず、足元から底が抜けるような感覚に思わずその場に崩れ落ち、目を閉じた。あのよだれかけを握りしめながら。-完- #wataoni
2010-12-23 01:00:50![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
【渡る世間ラスト57】-スタッフロール- 倒れたえなりを遠くから映すカメラ。駆け寄るスタッフ。そしてフェイドアウト、いつものテーマソング。曲:羽田健太郎 編曲:クインシージョーンズ #wataoni
2010-12-23 01:00:58![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
【渡る世間ラスト 完】ということで、本編がそろそろ終わるらしいので、シンクロさせてこっちも終わらせてみました。結局、本編は一度も観ないままでした。(笑)次の題材、大募集! #wataoni
2010-12-23 01:01:08