アメリカのゴジラ人気、マヴ映画の設定が面倒くさくなったアクション映画ファンが「こういうのでいいんだよ」ってなった説 - ＢＢＣ映画レビュー

映画ファンは宿題ではなく娯楽を求めているということをゴジラは教えてくれた。

ゴジラマイナスワンに驚いているのはシンゴジラを見なかった層だ、日本人は最高のゴジラの作り方をよく知っている。

「スーパーヒーロー疲労」というのはひどい文章を消費者に責任転嫁してるだけなのでは

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ゴジラ・マイナス・ワン：2023年最高のアクション大作となる日本映画

このモンスター映画は、わずか1500万ドルで製作されたと言われるにもかかわらず、高い評価と興行収入で全米を席巻している。
ハリウッドはどこで間違ってしまったのだろうか？

ゴジラは世界中の都市を踏みつけ、何十ものスピンオフ作品で他の怪獣と格闘してきた。日本が製作した新作『ゴジラ マイナス・ワン』は、史上最高傑作との評価を得ており、批評的にも興行的にも成功した稀有な作品である。これはハリウッドにとっての教訓かもしれない。わずか1,500万ドルで製作されたと言われるこの映画は、シンプルなプロットと驚くほど深見があり人間的なヒーローを登場させ、その基本に忠実なアプローチは、肥大化したハリウッドのスーパーヒーロー・フランチャイズが空回りしているまさにその時に、この映画をヒットさせた。

日本のベテラン監督、山崎貴が脚本・監督・視覚効果を手がけた『GODZILLA ゴジラ』は、12月1日に全米公開され、オープニング週末興収はビヨンセの『ルネッサンス』、『ハンガー・ゲーム』最新作に次ぐ第3位となる1,100万ドルを記録した。超大作というほどではないかもしれないが、字幕映画としては巨大な数字だ。興行収入を追跡しているエグジビター・リレーションズ社は、Xに「ゴジラ・マイナス・ワンは、強大な興行的打撃を与えた」と書いている。全世界での興行収入はすでに予算の倍を超え、日本では2,300万ドルを記録しており、イギリスとアイルランドでの公開は12月15日に控えている。

ゴジラ映画としては、アクションとキャラクターが見事にミックスされている。ロッテン・トマトで批評家から96％、観客から98％という高得点を獲得し、怪獣映画、あるいはアクション大作全般でこれほど高い評価を得たものはほとんどない。そのコンセンサスを反映するようなレビューとして、『デイリー・ビースト』紙は、「ファンが望むものほぼすべてのもの」と称し、「人間と巨大生物の問題」のバランスの取り方を称賛している。

物語は第二次世界大戦末期、神風特攻隊員の敷島光一（神木隆之介）が日本の敗戦を悟り、特攻を拒否して航空機を修理するため島に着陸させるところから始まる。これは山崎の最も抜け目のない選択のひとつだ。光一が生きる決断をしたことで、現代の観客は彼に共感するが、彼自身は臆病さに悔いる。ゴジラが島を攻撃し、光一がミサイルを発射せずに凍りつくと、島にいたほとんどすべての人が死に、彼はその後数年間、二重の罪悪感を背負うことになった。

『ゴジラ・マイナス・ワン』の成功は、アクション映画の視聴者が求めているのは娯楽であって、宿題ではないということを物語っている。

山崎監督の洗練された人物描写は、没入感のあるアクションにすんなりと溶け込んでいる。CGのゴジラはしばしばカメラに直接向かってきて、巨大なアゴを開き、悪魔のような黄色い目でこちらを凝視する。放射能を持ち、背中のトゲから氷のような青い光線を放ちながら、東京の街を恐怖におののく群衆を追いかける。エフェクトはそれ以上ではなく、爆発も少々。山崎監督の映像はハリウッド予算のアクションには太刀打ちできないし、そうしようともしていない。

映画の大変革

映画を成功させるために十分な予算がないのは明らかなのに、なぜそうしなければならなかったのか？11月に公開されたマーベル・シネマティック・ユニバース最新作『マーヴェルズ』の興行収入は、同フランチャイズ史上最低だった。8月に公開された『ブルービートル』は、スーパーマンや『アクアマン＆ロスト・キングダム』を含むDCフランチャイズの最新作であったが、同フランチャイズ史上最低のオープニングとなった。『ハリウッド・レポーター』紙は、マーベルは現在、将来について「棚卸し中」だと述べている。DCは、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』のジェームズ・ガン監督を共同会長に迎え、フランチャイズを再構築している。

リブート作品を考えてみても、ハリウッドのプロデューサーたちは、批評家や観客が簡単に見破れるものを知っているとは思えない。フランチャイズが拡大するにつれ、アクションは漫画のようなキャラクターを圧倒し、ストーリーはウィキペディアを見ないと理解できないほどゴチャゴチャだ。この問題は、現在一般的にスーパーヒーロー疲労と呼ばれているものにとどまらない。
ソーは今、どちらの時間軸にいるんだっけ？あれ？
オーウェン・グライバーマンが『Variety』誌の『The Marvels』評で述べているように、映画やテレビのスピンオフを見るのは「MCUのお荷物を背負わされる」ため、「ちょっとした試練」になっている。『ゴジラ マイナスワン』の成功は、アクション映画の視聴者が求めているのは娯楽であって、宿題ではないことを物語っている。

もちろん、ハリウッドはゴジラとの関係でしばしば揺れ動く。マシュー・ブロデリックが出演した1998年の『GODZILLA ゴジラ』は酷評され、ロッテン・トマトでは20％という惨憺たる結果だった。ゴジラとキングコングを同じ映画に登場させる現在の『モンスターバース』フランチャイズは、批評家からも観客からも良い評価を得ている。第4弾である『ゴジラVSコング』（2021年）は最高傑作とされ、コビドによる興行制限を考慮しても商業的にヒットした。しかし、このフランチャイズは、マーベルの行き過ぎたモア・イズ・モア・アプローチと呼応し始めている。Apple TV+で放送中のモンスターバースのテレビシリーズ『Monarch： レガシー・オブ・モンスターズ』では、ジョン・グッドマンが2017年の『コング：髑髏島の巨神』と同じキャラクターを演じている。

『ゴジラ・マイナス・ワン』にはノンストップ・アクションですらない。1954年のオリジナル映画へのオマージュとして、ゴジラが口の中で電車や車を振り回すなど、そこにあるものは大きく、それ相応に怪物的だ。しかし、光一が背負う罪の意識がこの映画を動かしている。東京の瓦礫の中で、彼は若い女性と彼女が助けた孤児の少女を引き取るが、このその場しのぎの家族を愛していることを認めようとしない。ここにはメロドラマがあるが、その根底には現実もある。山崎監督は最近、『ゴジラVSコング』のような怪獣対怪獣の戦いを避け「プロットを意図的に単純化した」とヴァルチャーに語った。「怪獣がバトルするのは構わないが、人間のストーリーが必要なんだ」と彼は語った。
ハリウッドは必ずしも人間的なハートで知られているわけではない。（ロキ、ソー、そして仲間たちには悪しからず）だがスタジオはこの生き返ったゴジラに注目したほうがいいだろう。

月曜日の朝、『ゴジラ・マイナス・ワン』の最初の上映を観たぞ！
マジすげぇ。見れなくなる前に映画館に行くべし。レビュー動画？ああ、すぐにやるから待ってな。