WBCで測定した体内放射能Bq値からどうやって預託実行線量Svを計算するか
WBC→Sv18.前項の条件で、5才児の預託実効線量は2.4mSv、対して成人は30μSv。2桁異なります。この線量の違いは何に起因するのでしょうか?子供の換算係数が高いため?いや、そうではありません。250日前の急性摂取量の桁が大きく異なることに起因します
2011-12-13 20:11:21WBC→Sv19.5才児の場合、計算される初期摂取量は6.7E+05Bq。成人の場合、6.5E+03Bq。2桁摂取量が変わります。親子が同じ行動をして、同じ空気を吸っていたとすると、この2桁の違いは説明不可能です。急性摂取の仮定は、時間が過ぎるほど成り立たないことがわかります
2011-12-13 20:12:53- MONDALによる計算
「Cs137を全量いっぺんに急性吸入摂取してから250日が経過したと仮定して、WBCで400Bq/全身が計測された場合」、この預託線量をMONDALで計算するとこのような形。左が5歳児、右が成人 http://t.co/cycuwwbk
2011-12-13 21:12:44なお急性摂取を仮定する場合の預託線量を評価する場合については、放医研HPの体内残留率・排泄率のモデル予想値(http://t.co/rxMdZr1s )がご参考になるかと思います
2011-12-13 21:17:21例えば先程の急性吸入摂取の場合、http://t.co/UKq1q9Et のような形で数値データを調べることができます。「モニタリング計測値当たりの預託実効線量(Sv/Bq)」の値に400Bq/全身をかけることで、先と同じ預託線量の値が得られます .@hyd3nekosuki
2011-12-13 21:21:15例えば、http://t.co/EPfXaeoZ で項目をチェックして"表示"→数値データの表示"と進んだ後、吸入(経口)後の日数を入力して"表示"とすることで、具体的な数字も確認することもできます RT @fukuwhitecat 数字では出ませんがグラフで見れますね!
2011-12-13 21:25:56
WBC→Sv20.さらに時間が経てば、大人の場合も1回の測定だけでは、本当に急性摂取のみだったのかどうかがわからなくなります。そのときは、3ヶ月ほど空けて、2回目の計測をすることで急性か慢性かある程度判別がつくこともあります。そろそろ摂取経路の真剣な評価に移るべきです
2011-12-13 20:13:58WBC→Sv21.摂取経路と摂取のタイミングについて見直さず急性に拘ると、年齢が小さい方から計算上の初期摂取量がどんどん莫大になり、その仮定そのものが破綻してしまうことは明白です。どこかで初期被ばく量についてのまとめを行い、継続したWBCに移行する必要があります
2011-12-13 20:14:40WBC→Sv22.では、ちなみに、Cs-137が400Bq/body検出されたとして、250日間等量を慢性に摂取したと仮定するとどの程度の被ばく量になるか?5才児で預託実効線量は32μSv(合計摂取量は3.4E+03Bq)、成人では12μSv(同8.9E+02Bq)となります
2011-12-13 20:15:19(fukuwhitecat さんが↓で呟いておられた「Cs137を250日間慢性経口摂取したと仮定して400Bq/全身が計測された場合」、この預託線量をMONDALで計算するとこんな形。左が5歳児。右が成人) http://t.co/5oJQbEyf
2011-12-13 20:36:38
WBC→Sv23.翻って、福島県民に行われた先行WBC検査を俯瞰してみると、ほとんどの方は2000Bq/body(Cs-134、137合算で)を超えず、預託実効線量で1mSvを超える方はほとんどおりません(残念ながら公開ソースなし…ソースの公開を県に強く求む)
2011-12-13 20:16:36WBC→Sv24.県発表の先行調査データは預託実効線量のみですが、1mSvを超えるとされる方々はほとんどが小児であり、その仮定そのものが危ういことは「21」で示しました。ではこれをどうするか。まずは、行動を共にした親御様の初期摂取量から類推することが有用です(実際そういう運用)
2011-12-13 20:18:20WBC→Sv25.事故から9ヶ月経った今では、ある程度慢性摂取の影響があるものと理解し「以後内部被ばく量を増やさない努力」をすることが必要です。その対策をとるにあたって、摂取量が増えているのか、減っているのかは、実測しなければわかりません。ここにWBCの存在価値があります
2011-12-13 20:19:40WBC→Sv26.預託実効線量の換算には、これだけのパラメータが多く含まれるため、仮定をひとつ変えるだけで線量の差が大きくなります。1日誕生日が違うだけで線量が2桁違うのはおかしいわけです。さらにWBCで得られる肝心なBq量の信頼性が薄いと、ますますおかしな事になってしまいます
2011-12-13 20:23:01WBC→Sv27.だからこそ、最低限のWBC計測の正確性は担保されるべきだし、その後の線量評価も、多数回のWBC計測を念頭に置いた慢性的な状況に合致したものに変えていく必要があります
2011-12-13 20:23:39WBC→Sv28.そのヒントは、「長期汚染地域の住民のための放射線防護の実用的手引き」 http://t.co/sZzhud50 p.18~22の5.2、5.3の項にあります。当然のことですが、内部被ばく低減対策は、WBCと食品の計測と組み合わせる必要があります
2011-12-13 20:25:36
WBC→Sv29.長くなりましたが、信頼性の高い値が得られるWBCは、結局こういった線量換算計算をするために必要なのであって、Bq量そのものを知ることが目的ではないことを知って欲しいと思い連投してみました。個人のリスクはあくまでも「Sv」でもって判断するはずです
2011-12-13 20:26:51WBC→Sv30.そのためにはBq→Sv換算も出来るだけ適正に行われる必要があります。過大や過少な換算がまかり通ると正しいリスク評価が出来なくなります。出た値に対してのレスポンスは人によって異なるかもしれません。しかし、意志決定もまずは正しい計測→換算があってこそなのです(了)
2011-12-13 20:28:12