関羽千里行編【第六部】

三国志こばなし集 @omikanboy3594

長生「赤兎で駆けるのは困難ですかな？」 華佗「あんたほど脚やら尻やら発達し放題な男じゃない限り乗れる馬じゃないわい！」 呉普「どんだけ鍛えりゃこんな足腰になるんだい？」 廖化「華佗先生たちに合わせた旅になりますね」 ペイ「サイショから…そうしやがれ…」

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周元紹「俺らの健脚頼みも…ほどほどに…」 長「ところで、成都の空港に入れなかったというのが気になっておりましてな」 樊阿「はい。成都行きのはずが大理で降ろされたので…」 長「何が起きているのかな…」 廖「俺らの電話もまだ使えないですね」 長「益州に成都以外の空港はあったかな？」

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華「漢中だが、成都で降りれぬならばまず行けぬよ」 長「益州南方は？」 呉「秘境ってことしか知らねえや」 樊「開発もまだまだ進んでいないのでは？」 廖「そうだ！糜竺さんのホテル！」 長「いかん！失念していた！どの辺りだったかな？」 廖「地図は…」 周「不韋県のここだ！」

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廖「ここまで着けば、趙累さん達とも確実な連絡が取れるかもしれませんね！」 長「ようやくここまで帰ってきたのか！」 ペ「…そのホテル、そんなトオくあらへんのとちゃうか？」 長「行けるか、ペイ？」 ペ「よっしゃ。ひとっパシりチェックしてくるぜ！」

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周「一人で平気か？」 ペ「こういうミッションはピンのがやりやすいんや」 長「任せたぞ！」 ペ「合点承知ノスケ！」 周「…なんだかんだここって益州だったんですね！」 長「今まで歩んだ道のりときたら…」 華「ヒマラヤからここまで歩いてきたとな？」 呉「信じらんねえんだけどよ」

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長「でなければ我らはここにおりませんぞ？」 廖「そしたら、そろそろ関羽殿と周倉の名前は元通りにしていいのでは？」 長「そうだな…」 樊「関羽殿と周倉くんと？」 周「あいつはホーって言うんです」 長「…私はここぞの時まで取っておこうかな」 周「どういう意味です？」

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長「逃げも隠れもせずによくなった時、堂々と声高らかに名乗りを上げるというのはどうだろう？」 周「うわ！それめちゃくちゃカッコいいですね！」 華「…そんな非常事態がありそうなのか？」 長「はい。今までの我らの歩みを事細かにお話ししてもよろしいですかな？」 呉「聞かせてくれよ！」

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樊「とんでもない大冒険でしょうね！」 廖「俺もなんだかんだあっちとこっちでエライ目に遭ってたんです！」

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ペ(…なんかイヤなニオいや) ペ(あのホテルかな？) ペ(…) ペ(ちょっちヨウスミしよか…) ？「成都が大混乱だと？」 ？「おら呂凱！てめえもいい加減俺らの味方になりな！」 呂凱「断る」 ？「畜生が！」 呂「！」

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？「さっさと殺しちまえばいいじゃねえか」 ？「できるなら、そうしている」 ？「なんでできねえのさ」 ？「こいつしか知らない宝があるという」 ？「お宝？」 ？「それが何かが分かるまで、殺すに殺せん」 ？「忌々しい！」 ？「だから、生かさず殺さずギリギリの所で生かしてやっている」

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？「エグいね！」 呂「…」 ペ(ワ〜オ…ヒッサビサにワイらのデバンやん…)

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長生…この長旅も半分以上は終えたのだろうな。 周元紹…名乗る時の決め台詞を考えとこう。 ペイ…ホテル周辺の地図や見張りの力量を入念に探っている。 廖化…夜の心の稽古で心身が整ってきたらしい。

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華佗…とんでもない男たちの旅に付き合わされそうだな！ 呉普…早朝樊阿と二人で何かをしている模様。 樊阿…彼ら二人も只者ではないはずだ。

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龐義「…」 ？「良くならないね…」 ？「そうなのか？」 ？「僕たちで血を止めて、水をあげただけで御の字だったと思うよ？」 ？「それは、そうだな…」 ？「…おまけにこの山の騒々しい理由がさ」 ？「この占い師を捜しているのだな？」 ？「そんな予感がする」

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？「…やはりこの地域に来るべきじゃなかった」 ？「賽子の通りにしたんだから」 ？「まあな」

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？「血が臭う。穢らわしい血の臭いが」 ？「うわっ！！」 ？「何者だ！」 ？「穢らわしい血を流す者はこいつか？」 龐「…」 ？「我らで治療をしただけだが」 ？「この地で一滴たりとも穢れた血を流す事を許しておらぬ」 ？(…気味悪ぃ) ？「穢れた血を流す男を置いていくか、貴様らが死ぬか」

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龐「…あたしを、殺してくんな」 ？「ちょっとあんた！」 ？「…よかろう。貴様を殺すよりも死ぬよりも、辛い目に遭わせてくれよう」 龐「望むところさ」 ？「何をする！」 ？「！！」 龐「」

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？「いきなり何してんのさ！」 紫虚「我は紫虚。治療した者は貴様か小僧」 張任「…僕は張任」 紫「こいつを治療した者の責務として、こいつの死の淵覗きに来ないか、張任？」 張「…え？」 ？「面白そうだ」 紫「貴様は？」 劉璋「…劉璋だ」 張「!?」

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紫「良かろう。劉璋。こいつの片腕を持ってついてこい」 龐「」 劉「分かった」 張(ちょっと！劉瑁さん) 劉「劉璋だ。ここではな？」 張(…何だってんだよ)

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高沛(…龐義先生！どこに逃げてしまったの) 楊懐「まさか逃げ切ったのか？」 高「…片腕を撃たれたのなら、長くは生きていられないはずです」 楊「龐義の首、証で取りたいところだったのだが…」 高「」 楊「鄭度から厄介な知らせだ」 高「はっ！」

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高「分かりました！」 楊「…龐義があんな男の囮になるとは考え難いがな」 高「…」

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張松「…こんな所で、死んでなるものか」 ！！ 張「うわっ！」 ？「かかったぞ！」 ？「官憲か！」 ？「よくも俺らの仲間を！」 張「待て！私は張松という！」 ？「張松といやあ…」 ？「劉範の側近じゃねえか！」 ？「野郎！」 張「私は劉範の元から逃げてきたのだ！信じてくれ！」