自作ランダム作成巨大ダンジョン攻略ゲームブックのランダマイザ―設計思想と主人公補正ルール
ゲームブックにおける同行者のまとめを作成したので 今日も販促の自作ソロアドトークを始めるよ。 togetter.com/li/2283241
2023-12-27 22:19:08「ゲームブックにおける自キャラの命の重さ」はまとめるのに手間取っているので、代わりにもう1個やろうと思っていた『死せる魔王の迷宮と運命のカード』のランダマイザーと主人公補正の話をするぞ。
2023-12-27 22:19:21『死せる魔王の迷宮と運命のカード』は、ランダム生成型の巨大ダンジョンに潜るソロアドなんですが、ランダマイザーとしてトランプを使用している。ただし、いつもの『四人のキング』方式ではなく、ランダム表で1d10とかの代わりにカードを引く形式。 gtr.booth.pm/items/5007159
2023-12-27 22:21:02ダンジョンに潜ったら山札からカードを引いて、数字札なら一般イベント。絵札かエースなら特殊イベント。そこからさらに山札からカードを引いて、その数字やスートに応じてイベント内容を決定……というサイクルを繰り返すわけだ。
2023-12-27 22:21:30他にもワンダリングモンスターや宝物表なども山札からカードを引いて内容を決定する。そして山札がなくなったら捨て札をシャッフルして新たな山札にする……という流れ。
2023-12-27 22:21:44このように山札からカードをガンガン引かせるシステムにしているのは、残りカードを0にして次の山札を生成するサイクルを高速化するため。
2023-12-27 22:22:01本作は特殊イベントは個々のカードに対応している(Aだけ共通しているので全49種)ので、お目当てのイベントがあっても、該当するカードが使われたら次の山札になるまでは(基本的には)発生しない。なので、山札をシャッフルする頻度を上げることでリトライできる回数を増やしているわけだ。
2023-12-27 22:23:22なお、それだけでは救済策として不十分なので、ダンジョンイベント決定時に数字を変更できるマジカルマトックとか、戦闘能力がない代わりにカードのスートや数値を変動できる同行者なども盛り込んでいる。
2023-12-27 22:24:12どうも自分には「お目当てのイベントを引けるまでランダム表を振り続けるのって不毛じゃない?」みたいな感覚があって、ランダム表のままならなさを残しつつ、お目当てのを引ける確率を上げるギミックを採用してこのような形となった。
2023-12-27 22:24:58『ウィザードリィ』とかは計算や記録などの面倒な部分をコンピューターがやってくれるので、ランダム表をひたすら振り続ける行為にも耐えられるけれど、手作業でやるソロアドでやるのは厳しいんでないかと思ったわけですな。
2023-12-27 22:25:17で、ここから主人公補正の話になるんだが、本作は謎の占い師からもらった魔法のカードにより「手札としてカードを1枚キープできる(使ったら新しいカードを引く)」ことができる。 #このカードが表題の運命のカード
2023-12-27 22:25:49この手札は山札から引いたカードの代わりとして使えるほか、数字が1~6の時のみ1d6を振った出目の代わりとしても使用できる。
2023-12-27 22:26:03山札から引いたカードの代わりとなるのは、お目当てのイベントを引きやすくするだけでなく、厄介なイベントやワンダリングモンスターを手札使用で回避するためでもある。 #イベントカウンター回で触れたセーフティネットがコレ togetter.com/li/2281554
2023-12-27 22:28:04Aや絵札は特別な立ち位置のカードとなっていて、基本的には引くと良い結果が得られるようになっているんだけど、危険な効果が発生するものも少しだけ混ぜこんでいる。
2023-12-27 22:28:50それにより「手札にAがあったからスペシャルレア宝物表を振れた!」「良い結果狙いでAをキープし続けていたせいで強敵を回避できなかった……」「Aではなく数字札が手札にあったおかげで助かった!」というシチュエーションが発生するようにしている。
2023-12-27 22:29:53ちなみに本作では宝物表はノーマルとスペシャルレアに別れているんだが、ノーマルでも中身を決定する時にAを引くとスペシャルレアに変動するようになっている。
2023-12-27 22:30:09これはノーマル宝物表でも(もしかしたらスペシャルレアになるかも!?)とワクワクさせるための仕掛け。この辺の射幸心を煽るギミックは、FGOのガチャで通常の引きが特殊演出で高レアに変わるのを参考にしている。 #実際テストプレイ中にノーマル宝物表からスペシャルレアが出たらテンション上がった
2023-12-27 22:31:28閑話休題。ダイスの出目代わりになるのも数字札の価値を高めるための仕組み。5や6の手札があるとセービングロールの成功率をかなり上げられる。またT&T特有のゾロ目で振り足せる仕様のおかげで、低い数値のカードでも振り足しが狙えるのが大きい(特に自動失敗の抑止策として非常に有用となる)。
2023-12-27 22:33:53逆にいうと、絵札やAでもなく出目の代用にもできない7~10のカードがちょっとかわいそうなことになっているんだが、だからこそ(さっさと使ってしまって次のカードを引こう)という方向で山札を圧縮する一助となっている。
2023-12-27 22:34:25このように手札をどんどん使わせて山札からガンガン引かせて山札を圧縮するという発想は『カルドセプト』の「ホープ」「リンカネーション」といったドロー強化によるデッキ圧縮からインスパイアされたもの。
2023-12-27 22:36:34カルドセプトのデッキ圧縮カードには「ドロー強化で強い手札を早めに引けるようにする」「デッキ圧縮により使ってしまった強いカードを早めにまた引けるようにする」という意図があるんですが、今回は基本のドロー回数を増やすことで、その意図を再現しようとしている。
2023-12-27 22:37:34あと「貯めこむことができず、使用してもすぐに回復できる主人公補正ポイント」という発想はD&D5eのインスピレーションから多大な影響を受けている。 #あのルールを読んでマジで感心したので
2023-12-27 22:38:24『ワープス』のヒーローポイントをはじめ、この手の主人公補正ポイントというのは、「手元にあるといざという時に備えられて安心」だけど「いざという時に備えて温存するため結局使われないまま」となりがち。
2023-12-27 22:38:49でもD&D5eのインスピレーションは「すぐ回復するので使用→回復のサイクルを早くするほどお得」「貯めこむことができないので後生大事にするよりもさっさと使って回復させた方が良い」「ガンガン使ってもゲームバランスが崩壊しない適度な強さ」によりその問題を解決している。
2023-12-27 22:39:23あと『アドベンチャー・コンペディウム』収録の「__(形容詞)な__(名詞)の伝説」を読んで(あらかじめ自分で用意した数字リストの先頭順から使用するんじゃなくて、山札から引いたカードの数値を使用or手札の数字を使用でも良いんでは?)となったのも発想元のひとつ。
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