掌小説語り~自作つぃのべる集~98

自作つぃのべるのまとめです。 2021年6月分。
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リュカ @ryuka511

あの戦いは無謀だった。今なら解る。反乱軍を率いた君があっさり投降した理由もだ。反乱は鎮圧され仲間達は君を非難した。だが君が処刑される日、王国軍の騎士が僕に言った。「お前達は洗脳されているのだ」と。皆が否定しようとも僕は信じてるよ。君は全てを背負い僕らを守ってくれたんだと #twnovel

2021-06-25 23:02:23
リュカ @ryuka511

家族の仇を探してぜんぶ殺した。歩くのに邪魔な死体をけり飛ばす。とても疲れたけど、やっと仇討の旅が終わってほっとする。仇の人数は、家族よりも多かった。だからぼくは、こいつらよりも多く殺したことになる。ぼくも許されないんだろうね。でもいいんだ。許してもらおうなんて思ってない #twnovel

2021-06-27 00:09:10
リュカ @ryuka511

居並ぶ罪人を見下ろす。人は生まれ変われるという。過ちを冒してもやり直しはきくのだと。地獄の最下層へ送られる奴らでも心を入れ替えるのだろうか。本来、ここへ来た奴に来世は無いが、試してみるか。「生まれ変わりたければ、懺悔しろ」 #twnovel こんな所まで堕ちる輩に希望を抱いた私が愚かだった

2021-06-28 00:46:55
リュカ @ryuka511

即位した君は、崇高な理想を抱いていた。誰もが王国の未来は明るいと信じた。だが君は理想に固執し過ぎた。どんな情状も顧みず、罪は罪と容赦なく断じる。君の傍で淡く崩れるもの、君はそれに気付けなかった。君は人間に夢を抱きすぎた。綺麗事では生きていけない弱さを、認めないのは君の罪 #twnovel

2021-06-29 02:22:13
リュカ @ryuka511

蛍を見に行こうと君を誘った遠い夏の夜。そっと掌に囲った蛍は、寄り添う僕らの前から一瞬で飛び立ってしまった。それは、もう一緒にはいられなくなる現実を突きつけてきたよう。その夏が終わる頃、君は親の都合で街を離れてしまった。あの時、君と蛍を追ってどこかへ行ってしまえば良かった #twnovel

2021-06-30 01:01:12