茂木健一郎(@kenichiromogi）さんの連続ツイート第3254回「エマ・ストーン主演の『哀れなる者たち』を観た」

茂木健一郎 @kenichiromogi

連続ツイート３２５４回をお届けします。文章はその場で即興で書いています。本日は感想です。

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エマ・ストーン主演で、ベネツィア映画祭で金獅子賞をとった『哀れなるものたち』（Poor things）を観た。呆然とするほどオリジナリティが高かった。アラスター・グレイの原作があるようだが、先を予想させない脚本で、びっくりの連続だった。ゴールデングローブでも作品賞と主演女優賞を獲得。 pic.twitter.com/dwDWjmUbdZ

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『哀れなるものたち』がどんな映画かは、あまり事前に知らないで見に行った方がよいと思う。映倫のレーティングは１８禁だが、この映画の場合には実質的な意味があると行けばわかる。しかし、あくまでも人間の中心を外していない。

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注目すべきはcinematographyで、きわめて独創的な、そして妖しく美しい映像である。撮影にはフィルムをつかっていたということだが、悪夢のようなそれでいて惹きつけられる造形はすぐれて芸術的だ。ジェンダーなどの現代の価値観にあっていて、エマ・ストーンの思い入れが感じられる。

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この映画をどう受け止めるかはその人次第かもしれない。とりわけ、ブラックコメディの伝統のない日本ではチャレンジかもしれない。しかし、『哀れなるものたち』の方向が現代の人間にとって揺るぎないものであることが、この作品に対する信頼を支える。素晴らしい視覚表現で人間について考えさせる。

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以上、連続ツイート３２５４回「エマ・ストーン主演の『哀れなる者たち』を観た」をテーマに４つのツイートをお届けしました。