1.★炎症性腸疾患の基本と内科・外科治療@横浜市民文化センター (炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎・クローン病))のここが知りたい! ※は私のコメント 講師:木村英明・国崎玲子(横浜市立大学付属市民総合医療センター) ※お二人とも10年以上炎症性腸疾患に携わっているようです
2011-12-22 12:35:422. ●炎症性腸疾患 若年を筆頭にUCとCD、増え続けている IBSとは症状が違う(IBSでは夜中にトイレに駆け込む事はない) 感染症が減ると炎症性腸疾患を含めた免疫系の疾患が増える
2011-12-22 12:35:593. ●内科治療について 以下の薬で治療(症状を抑える) ・抗炎症治療 メサラジン(ペンタサ・サラゾピリン・アサコール) ・抗生剤(フラジール・シプロキサン) ・免疫抑制治療(ステロイドホルモン、免疫調節剤、生物学的製剤) ・その他(漢方、腸管運動調節剤、止痢剤)
2011-12-22 12:36:234. ・炎症性腸疾患治療の基本概念 IBDは多くの場合ぜんそくのように活動期と寛解期を繰り返す 寛解期→日常生活に制限はない、再発予防(寛解維持療法) 活動期→腸管の安静、寛解導入のための薬物・栄養・手術療法
2011-12-22 12:36:435. ・寛解期の治療(UC) 日常生活:制限なし、妊娠・出産も可能 ただしストレスが再燃の契機となるので、過労や睡眠不足を避け、規則正しい生活を心がける 食事:制限なし
2011-12-22 12:36:526. 薬物療法:5-ASA製剤は継続が基本(再燃予防・病変範囲拡大の予防・大腸がん予防果)、易再発例・難治例ではイムランなど服薬(注:ステロイドの少量内服は再燃予防効果がなく依存性となるので好ましくない) ※食事については他の講演でも基本的に寛解維持の効果はなしとされてる?
2011-12-22 12:38:037. ・寛解期の治療(CD) 日常生活:大きな制限なし、妊娠・出産も可能 禁煙!喫煙は再燃や治療抵抗性に大きく関与→禁煙すれば非喫煙者と同等になる ストレスが再燃の契機となるので過労や睡眠不足を避け、規則正しい生活を心がける
2011-12-22 12:38:148. 食事療法:低脂肪食・栄養療法併用による再燃予防 薬物療法:5-ASA内服、易再発例・難治例ではイムランなど服薬 ※CDの方の話を聞くとストレスよりも食事のほうが影響が強いように思われます
2011-12-22 12:38:289. ●外科治療について ・UCの手術適応 I.重症 穿孔、大量出血、中毒性巨大結腸症、内科治療に反応しない重症、劇症UC II.難治 内科治療で改善しないか、改善してもすぐ再燃する 頻回の入院、通院で日常生活に支障のある
2011-12-22 12:38:4310. ステロイド大量投与(プレドニゾロン10000mg超)、副作用出現例 腸管外合併症(壊疽性膿皮症、成長障害等) III.癌 10年で2%(0.5%)、30年で18%(6.1%) Dysplasia(異型上皮)~異型度の高いものは癌に準ずる ※難治は定義が難しい、、、
2011-12-22 12:39:2911. ・UCの手術とは、、、 大腸を全部取る(大腸全摘)、小腸と肛門をつなぐ(回腸嚢肛門吻合) 大腸を全適する理由は、病変部位のみの切除が昔は行われていたがその場合は残存大腸がすぐに悪化しまた手術となる例が多かった。原因不明なのでターゲットはすべて切除が根治治療となる。
2011-12-22 12:39:5212. ・CDの手術適応 内科的治療では改善できない合併症に対して実施 UCと違い予防的な対応はできない 1.絶対的適応→穿孔、癌合併、腸閉塞、大量出血 2.相対的適応→狭窄、内ロウ、外ロウ、膿瘍、活動性病変、発育障害、二次性肛門病変(肛門周囲膿瘍、排膿の多い有通性痔ろう)
2011-12-22 12:40:0213. ・CDまとめ CDでは手術適応になる場合が多い 腸の切除がメジャーだが狭窄形成やバイパス等々色々な術式がある 術後は大きな改善があるが、CDが根治しているわけではないので維持が重要 (腹腔鏡や癒着防止シートで手術・術後の負担はだんだん少なくなっている)
2011-12-22 12:40:1514. ●まとめ ・再燃しても炎症を早めに抑えてやれば必ずしも強い治療は必要ないが、炎症が強くなったら治療しておかないと腸の回復が困難となる
2011-12-22 12:40:3015. ・抗サイトカイン療法はここ数年急速に進んでいる、即効性・確実性は高いが長期の副作用は未知 →患者が自分で自分の腸の状態とライフスタイルに合わせて治療を選択可能な時代 レミケードを選ぶかCAP等を選ぶか、というような ※日本の患者は医者に決めて欲しい人が多い?
2011-12-22 12:40:4216. ・重症例や繊維化してしまった腸管を有する患者数は減少していない、、 ・手術の技術も日進月歩、難治化した場合は薬物後遺症を避けるため適切なタイミングで手術を考慮 ※適切なタイミング、は難しいと思うけどやはりステロイドが切れない、寛解導入の手段がない、というところが落とし所?
2011-12-22 12:41:2117. Q:直腸炎でもQOLが低いのはなぜ? A:直腸は口から摂取する薬が効き辛い、5ASAはMAXが良い。便は通常S状にあり、直腸に降りてくると便意を催すが直腸炎は直腸の炎症を便意と勘違 いしたりする場合がある
2011-12-22 12:41:3818. Q:頭痛薬は? A:カロナールはOK、ロキソニンやボルタレンなどのNSAIDsは最近やはり炎症を引き起こすトリガとなっている事が再確認されている
2011-12-22 12:41:4919. Q:UC大腸癌の発生頻度? A:USでは5%程度、日本では実は1%位。ペンタサ(5ASA)が癌発生をある程度抑止してくれると考えている
2011-12-22 12:42:0721. Q:UCの食事療法は? A:寛解維持等に効果はない。海外では全く効果ないとされている。ただし炎症がある時にステーキとか食べるなよ、常識的な範囲でな!とはいえ合 わない食事がある場合もあるのでそういったものは避けた方が無難
2011-12-22 12:42:5322. Q:専門医にかかった方がよいの? A:治療が効かないならそうしても良いかも。専門医の方が選択肢は出せる。後、出血が続いているのに手を打ってくれなかったり、ステロイドを半年とか使い続けるような場合には相談した方がよいかも?
2011-12-22 12:43:14