玄米茶さんが考える騒動を拡大させてしまった原因とは

玄米茶 @genmai_tea

昨日の三幹部陣への評価は我ながら相当甘く見積もっています。

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「コラージュの正当性を訴えるけど、何故自身の表現が無断利用を含めたコラージュでなければいけない説明までは及ばない」「権利窓口を設けるが、具体的な対応まで頭が回らない」「震災をテーマにするが、具体的にどう震災と関係するかについては曖昧」

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人間ですし、ミスはあります。考えが及ばないところもあるでしょう。でも成人が三人以上揃ってこのていたらくは不安になるレベルです。平時ならまだしも騒動の中でここまで詰めが甘いのは心配になります。

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しかし、言動を見る限りここまでの状況になるとは考えておらず、現状思考停止に陥ってるのではないかなと思います。ただ「最初から少し想像すれば分かったはずでは」というのはどうしても付きまといますけど、それ以上を言ってもどうにもならない感じがしました。

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さて、村上隆さんに喧嘩を売ってみましょう。と、言っても重要なのは相手と自分が置かれた立場と最終的に満たすべき条件です。まずは相手を確認してみましょう。幸いにも村上さんはその著書や記事などで自身の考えを多く語っていますし、騒動にも介入してます。

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ここでの舞台設定は騒動中の一幕「梅ラボさんによる村上隆さんへの宣戦布告」となります。謎が多く残る恨み節炸裂ですが、この時点で宣戦布告する意味も考えて行きたいと思います。

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まず大事なのは村上隆さんは喧嘩を買ってくれるのか、という点です。私が見る限りでは村上さんは腹芸がある程度通用し、変な言い方ですが「喧嘩の売られ方」を心得てる方だと認識しています。喧嘩を売ってもお互いの揚げ足の取り合いになり有耶無耶になる展開は避けることができると思います。

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村上さんは喧嘩を買うメリットがあるのでしょうか。村上さんは度々「自分を倒す人間が台頭することを待っている」という旨の発言をされていますし、若手の芸術家に対しては割と意識的に甘く対応しているようにも見えます。

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例えば「Mrの作品パクリ騒動」では村上さんによる「うちでも似たの作ってるけどどう違うの？」という問いにカオスラウンジが明確に答えられれば理論の補強が可能でした。三幹部陣の方は残念ながらそれを攻撃と受け取ってしまったようですけど。

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ただ「自由な感性を発揮して新しいと思われるもの作ったよ！」では「それをどうマーケットに持ち込むの？」と鼻で笑われて終わっちゃいますので既存のマーケットやルールに則ったマーケティング戦略を含めた提案をした方が良いでしょう。

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カオスラウンジは既存のアート界の構造を批判し、新しいマーケティング戦略をこれから提案していくと宣言したことで「じゃあ注目するし金も出すし口も出すからやってみたら？」というような扱いを受けることになりました。

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宣戦布告当時の時点でも「カオスラウンジは現状の圧力を押し返すことでなんか面白いことやらかすかもしれない」という期待を村上さんはしていたのではないかなと考えています。恐らくですが、今も。

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取りあえずカオスラウンジがうまく路線変更しつつ存続することは村上さんにとってもある程度のメリットが見込めます。これは大きな材料です。

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では当時の時点で村上さんに喧嘩を売る理由とはなんでしょう。それを置かれた立場と最終目標と併せて考えてみましょう。

玄米茶 @genmai_tea

現代アート界で新しいことをやる、と宣言し台頭してきたカオスラウンジにとって最悪の展開はネット上で批判されることでもなくパトロンが離れることでもなく「より理論を補強した、カオスラウンジに取って代わる存在が出てくること」でした。

玄米茶 @genmai_tea

カオスラウンジ発足当時は、村上隆さんは「ネット上の創作者と関わり、一緒に何かをする土台」を探り始めたといった状況で「カオスラウンジにとって代わること」はやろうと思っても厳しかったのではないかなと思います。

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しかし現状では村上隆さんはカオスラウンジが明示できなかった「結局の所コンセプトって何？何がやりやたいの？」という部分を「ネット・デジタルメインの創作者に対する教育・修行」というコンセプトを提示することである程度満たすことが可能です。やろうと思えばの話ですけど、

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村上さんはネット上の創作の場で育ってきた新しい文脈に西洋芸術的な文脈・ウィットネス・マーケッティングに介入するノウハウ・プレゼン能力・既存のルールなどを混ぜ合わせることで現状のマーケットにも通用する化学反応を起こそうとする試みをされているのかな、と最近の活動を見てて思います。

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騒動の中期で東さんがカオスラウンジにしたアドバイス「理論武装して村上隆に挑むしかない」というのは「あんたらのやろうとしてたネタ、ぐだぐだやってる間に村上隆に良い感じに食われるよ？別コンセプトを挙げて挑まないと存在意義自体が無くなるよ」という内容ともとれます。

玄米茶 @genmai_tea

単純に「逆風をどうにかするにはまず強い話題性だ」というアドバイスだったかも知れませんけどね。いずれにせよ、あの場面で村上隆さんに宣戦布告するというのは意味のある行為だと私も思います。その意図をちゃんと理解していればの話ですけど。

玄米茶 @genmai_tea

しかしカオスラウンジが行ったことはコンセプトを挙げず「実はずっと前から村上隆を恨んでた」という恨み節を炸裂させるという素っ頓狂な行動でした。芸術面での衝突という形を取りつつ距離を置くなら意味があるのですが、個人間の好き嫌いに話を落ち着けてしまうと全く別の話になってしまいます。

玄米茶 @genmai_tea

これで意味もなく一番手近なパトロンであり教師であり更にはコネを持つ人間を「個人間の好き嫌い」だけで切り離してしまいました。村上さんによる批判をただのいちゃもんと考え本気で恨んでた可能性は十分にありますけどね。

玄米茶 @genmai_tea

それはさておき一応の目標は「芸術面での衝突という形で話題を集めつつ、本質的な部分では村上隆さんと決別しない。できれば新しい言説をついでに発表する」辺りでしょうか。