「歴史は上書きされるけど、完全に塗りつぶされないよね」的な話

日本史雑談
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三沢文也 @tm2501

旧国名だと、今の石川県は 「加賀+能登」 なので、【加賀藩=金沢周辺】と現代人はついつい考えがち。 少なくとも富山県は当てはまらないと思っちゃうのだが…歴史を調べると 「高岡市・氷見市・(新湊など)射水市も加賀藩だったよ」 と出てくる。 なんなら富山市ですら一部は加賀藩でして… pic.twitter.com/ubjuiQ8QVn

2024-03-05 14:13:17
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三沢文也 @tm2501

これ何が面白いかというと… 「富山県の県庁所在地は富山市だけど、歴史的にはかつて加賀藩だった、高岡市・射水市・氷見市の方が名所や特産品で名前を聞く事が多い」 という珍現象が起こるんですよ…。 加賀藩が神社仏閣を整備したり、東北・北海道との交易に氷見周辺を活用してた関係で栄えてた

2024-03-05 14:18:14
三沢文也 @tm2501

そのため、富山市は歴史的にいうと、加賀藩に組み込まれてなかったこともあって、県庁所在地なのに人口が一極集中してない(かといって他の都市ともそんなに離れてない)という不思議なポジションになる。 廃藩置県で「加賀藩切り分けようよ」と、石川と富山の間の峠で分けたけど…歴史の面影は残った

2024-03-05 14:22:03
三沢文也 @tm2501

廃藩置県のせいで江戸時代はそんな盛り上がってなかったけど、県庁所在地になりました」 みたいな土地はいくつかあって、福島市もわかりやすくこれ。 そのため、福島県は福島市よりも(白河とか、会津若松とか)知名度のある地名はたくさんある 歴史が上塗りされたのを感じる事例

2024-03-05 14:24:47
三沢文也 @tm2501

去年行った金比羅山も 元々は奈良時代に(高僧が神秘的な体験をしたことがきっかけで)山岳信仰のお寺を作る ↓ 皇族が金比羅山に流されてきて、滞在して両方祀られる神仏分離令で、寺から神社に という「歴史の上塗り」を感じる面白い変遷がある。 上塗りされても、跡が残る面白い場所だよ

2024-03-05 14:30:57
三沢文也 @tm2501

なんで歴史が上塗りされるか」 というと…利権や時の権力者の方針(誰かの力を削ぎたい、何かを宣伝したい)という事情が絡むから。 加賀藩に氷見市が入ってるのは、貿易や物流を抑えることが大きいという利権 廃藩置県でそれまでマイナーな土地が県庁所在地になるのは力を削ぐ目的

2024-03-05 14:33:16
三沢文也 @tm2501

「歴史の上塗り」 と言ってもは名前や区分けが変わるだけで、記録や文化財までは壊されない。 歴史的名所のフクザツな経緯を読んだり、 現在の人口や利権の存在を掘り下げていくうえで、 ぶち当たる面白さであり、気づきづらい構造の存在を見つけるヒントになる 記録や文化が残る日本ならではだけど

2024-03-05 14:38:57
三沢文也 @tm2501

なんでこんな話したかというと 「日本には色んなモノが伝来したことで、過去の歴史が塗りつぶされてしまってる」 みたい話を色んなところでよく聞いてたし、私もそう思ってた時期があるから。 確かに上書きされた歴史の方がメインになることもあるけど、完全に塗りつぶされず跡は残ってるのよ

2024-03-05 14:40:45