Historian of National Socialism and German-Japanese relations. 田野大輔『ファシズムの教室』大月書店より刊行! amazon.co.jp/dp/4272211234/
2022年
山川の世界史の教科書でも「ヒトラーは大規模な公共事業によって失業を克服した」と書かれているが、アダム・トゥーズの研究を踏まえればこの記述はもう成り立たなくなっているので、そろそろ修正すべきだと思う。
2022-11-02 21:28:32もっとも教科書の記述は完全な間違いとは言えなくて、前後関係から「大規模な公共事業」がアウトバーンの建設と読めてしまうところがまずい。「公共事業」の大部分が実際には軍備拡張だったとわかるように書けば間違いではない。ただし普通はそれを「公共事業」とは呼ばないだろう。
2022-11-02 23:16:04@tanosensei 補足 pic.twitter.com/tpCEpmzNJb
2022-11-03 01:18:25九州生まれの九州育ち、東京での高校教師を経て、今は神戸で大学教員をしています。専門はドイツ政治・外交史、世界史。著書に『ヴァイマル共和国のヨーロッパ統合構想』『教養のグローバル・ヒストリー』、『20世紀のグローバル・ヒストリー』。そして『大学の先生と学ぶ はじめての歴史総合』が刊行されました!
先日私も授業で、アウトバーンのような公共事業はそれほど多くの雇用を生まなかったので、失業問題の解決とは関係ない、両者を結びつけたのはナチのプロパガンダだという趣旨の説明をしたところ、学生が驚いたように「でも世界史の教科書に書いてありましたが」と言われました。 x.com/tanosensei/sta…
2022-11-02 22:39:00今たまたまトゥーズの『破壊の経済』が鞄に入っていたので、引用しておこう。「しかし実際には、アウトバーン計画の失業に対する効果はないに等しかった。1933年第一次アウトバーン区域で雇用された労働者は、わずか1000人だった。トート(の道路総監)任命後12か月が経っても、アウトバーン労働人口は
2022-11-02 22:54:08わずか3万8000人で、ヒトラー政権就任後に創出された雇用のうちのごく一部でしかなかった。ヒトラー政権にはもっと緊急を要する支出の約束(軍備拡大のこと)があったため、トートは既存の道路保守に必要な資金を得るのにさえ苦労したのだった。」
2022-11-02 22:54:09@kitaro_kyushu 実際には主として労働奉仕と徴兵、さらには軍需景気で失業が解消したわけで、そもそも初期の雇用創出と35〜36年以降の軍備拡張とでは国の財政支出の桁が違いますね。
2022-11-02 23:08:28これだとだいぶ改善されているけど、もっと正確に書くなら「ナチスはアウトバーン(自動車専用道路)の建設によってドイツの復興をアピールしつつ、実際には異常な財政支出による軍備拡張と徴兵・労働奉仕による労働人口の吸収によって失業者を大幅に減らし…」という感じになるでしょうね。 x.com/sehi_sehi/stat…
2022-11-03 00:13:05詳説世界史 改訂版 世B310ですと「ナチスは四カ年計画によって軍需工場を拡張し、アウトバーン(自動車専用道路)建設など大規模な土木工事をおこして失業者を急速に減らし」とありますね x.com/tanosensei/sta…
2022-11-03 00:01:25アウトバーンとか軍拡で失業率減らしたけど 財政ヤバくて草なのだ ユダヤ人からとるのだ x.com/tanosensei/sta…
2022-11-03 00:29:562023年
検証 ナチスは「良いこと」もしたのか? - 岩波書店 iwanami.co.jp/smp/book/b6280…
2023-06-10 14:09:05やっと岩波のHPに情報が出ました。ナチスの経済政策(アウトバーン建設など)、労働者政策(歓喜力行団など)、家族支援政策、環境保護政策など、しばしば「良いこと」とされる政策の事実関係や文脈、その結果を検証するという内容です。
2023-06-10 14:18:182024年