スクールガール・アサシン・サイバー・マッドネス #4

公式note https://diehardtales.com/ ニンジャスレイヤー「はじめての皆さんへ」 http://togetter.com/li/73867
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ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

【ニンジャスレイヤーとは!】 サイバーパンク・ニンジャ・アクション小説である! 【このアカウントは!】 その最新話を連載しています!

2024-03-11 21:35:32
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

【ネオサイタマ】 メガロ都市。この物語の主要な舞台である。 【サイバネ】 サイバネティクス。機械義肢。生身より強い。武装が隠されている事もよくある。 【ニンジャ】 ニンジャ? 何のことです?

2024-03-11 21:40:29
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

【これまでのあらすじ】 家族を壊された復讐のため、ハウリンウルフ・ヤクザクランのヤクザに襲撃をかける女子高生、リンホ・クロキ。彼女の凶暴な闘争心はとどまるところを知らず、戦いの中で徐々に殺しは激しく、サイバネティクスの割合は増えていく。モニコはただ、友達になりたかったのだ。

2024-03-11 21:45:33
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

ファオー。通信確立ファンファーレが鳴り、モニタの01ノイズのモヤが晴れて、八卦のテーブルが映し出されると、トジカタ・ウルフは息を呑んだ。八人が座する八卦の卓。その中央、卓上の空中に、九人目がアグラ状態で浮遊出現したのである。『ドーモ。トジカタ・ウルフ=サン……』 1

2024-03-11 21:53:56
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「ウッ」老ヤクザの眉間を、汗の粒が流れ落ちた。電子通信でありながら、脳に直接語りかけるが如き迫力であった。トジカタは引退年齢を重サイバネで上塗りしてまで現役にしがみついてきた鬼気迫るヤクザ・オヤブンだ。シュラバ・インシデントを踏んできた回数は相当なもの。だが、怯んだ。 2

2024-03-11 21:58:06
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

アグラ姿勢で浮遊したまま、偉丈夫は合掌し、アイサツした。『ヘイ・ジウは貴殿を歓迎します。私がグランドマスター・ゼツボウです』長く白い美髭を指で梳き、こちらを見据える目に、トジカタは震え上がった。トジカタの首から下は重サイバネ置換され、刺青はエンボス。それでも総毛立つ思いだった。3

2024-03-11 22:03:59
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「依頼につきましては、事前に、ですな……」トジカタは声を潜めた。オヤブン邸の自室、防弾・防音処理は完璧であったが、それでも、万に一つがあってはならない。この動きを部下に知られれば、ソンケイを失う事になるからだ。先方も心得たものだった。『ご安心めされよ。カネで結ばれし契約は絶対』4

2024-03-11 22:07:48
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「情けねえ話ではありますわ。女子高生がヤクザクランに上等して、それをどうにも出来てねえ現状。示しがつかねえ。ただね……」トジカタはキセルを吸い、虚空を睨んだ。「……だからこそ、頼みますわ。影で糸引いてる連中まで、ネコソギお願いする。そういう話をしてるンです」『善哉』 5

2024-03-11 22:13:41
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「ウチは老舗のヤクザでね。手を組めば新参のアンタらにもメリットある筈だ。エメツなんていうおかしなものが出てきてから、どうもうまくいかねえ。だけどな、意地とリスペクトってもんがあるんですわ。ワシらには。昔からサイバネで、ビッとキアイ入れてやってきた。だから……」『もうよろしいな』6

2024-03-11 22:19:45
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「ンッ、あ」『八卦の巡りが、今回のセンシを示した』ゼツボウはもはや構わず、瞑想的に宣言した。『イヤーッ!』八卦の卓の一角に座っていた一人が、座ったままの姿勢で高く飛び上がり、一回転ののち、椅子の背に直立した。恐らくはそれが、今回派遣される者であった。トジカタはキセルを落とした。7

2024-03-11 22:24:32
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

集合的殲滅全体!高揚感撃滅満載!最強高機動!最強高機動!最強高機動!「グワーッ!」脳にブチ込んでくれようか!頭蓋!「アバーッ!」「アババーッ!」ショウジ戸に苦しむ影が反映し、血飛沫の赤がそれを追った。リンホはタタミの上を走りながら、斬って斬って斬りまくる。 9

2024-03-11 22:30:16
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「アーレエエ!」「アレエエーッ!」蹴り開けたフスマの向こう、半裸のオイランがまろび出て、廊下に逃げてゆく。だが彼女らは実際のところ、リンホにカネで買収されている。強奪したヤクザマネーをこのオイランハウス「惑乱の後宮」に注ぎ込み、武闘派ヤクザのボルタ・ガンジを呼び寄せた。 10

2024-03-11 22:34:47
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「ナ……ナニチャブッタコラ!」フンドシひとつ、巨大な盃でサケを啜っていたボルタ・ガンジは、やや曖昧な意識で、襲撃者を睨み、飾られたカタナを掴んだ。「モットシテクダサイ」傍らでは、オイランドロイドが何事もないようにボルタにしなだれかかる。ボルタはその首根を掴み、投げつけた。 11

2024-03-11 22:38:48
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「クダラネーヨ!」リンホはオイランドロイドを真っ二つに叩き斬った。予知能力じみて、ボルタの動きは手に取るように見えた。ニューロンリンク・ブースターだ。サイバネアームとサイバネアイに追加のドライバをインストールし、反応速度を高めた。これでもう、ヘタを打つことはない。 12

2024-03-11 22:42:54
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「ナマッコラー!」ボルタは一瞬でリンホの眼前に居た。関節から蒸気を噴射。肩の外皮が持ち上がり、露出したシリンダーがUNIXライトを光らせる。背中からのプロジェクションが、泳ぐネオン鯉と「生きる道」のショドーを天井に描いた。カタナとカタナがぶつかりあい、刃越しに二者は睨み合う。 13

2024-03-11 22:46:23
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

ボルタはハウリンウルフきっての残虐ヤクザ。切り込み隊長である。凄まじい膂力だ。「ドナメンジャネーゾ!」「ナメンヨ!」リンホは叫び返した。「くっせえレトロなサイバネしやがって!アタシは命削ってんだ!覚悟の格が違うんだ……100年早いンだよ!」リンホのサイバネアイが燃え輝いた。 14

2024-03-11 22:51:29
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

ガギギギ。ボルタの金属関節が軋み音を鳴らし、リンホは圧され始めた。「調子コイたガキがァ」ボルタは歯を剥き出した。「俺のサイバネは生きる道。暖かみがある……血脂のヌクいニオイだ。汚えエメツになんぞ負けねえ!」背部蒸気噴射!リンホは身を反らせて耐える!「クウッ」「背骨折ッたる!」15

2024-03-11 22:58:31
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「ああああ!」リンホが苦痛の叫びをあげると、ボルタは残虐な破壊の予感に身を震わせた。カキン。乾いた音は、リンホの前腕部が発した音だった。装甲が剥がれ、内蔵型のチャカ・ガンの銃口が露出していた。「な……?」BANG!至近射撃がボルタの胸部を花開かせた。「アバーッ!」 16

2024-03-11 23:03:35
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

血とオイルが噴き出し、リンホのレインコートにも容赦なく降り掛かった。「こンのォ……」リンホはカタナを逆手に持ち直し、後ろに数歩たたらを踏んだ。己を強いて、よろめきながら、ボルタを壁に追い詰める。ボルタはマッタした。「カネなら……」「イッテーンダヨ!」突き下ろす!「アバーッ!」 17

2024-03-11 23:07:25
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

戦いは終わった!リンホは脂汗を流し、ボルタの死体の横でタタミに手をついた。「いッた……かも……これ」這うように、廊下を目指す。ターン!血塗れのショウジ戸が開いた。リンホは見上げた。泣きながら、モニコが抱きついた。「い、痛いッつうの……」「大丈夫じゃない!大丈夫じゃない!」 18

2024-03-11 23:10:53
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「マジでヤバイから」リンホは制止しようとした。「ど、どうなってるの?」「腰がちょっと」「ゴメン!ゴメン、リンホ=サン!でも……ううッ……!」嗚咽しながら、モニコはリンホに肩を貸した。オイランがチョウチンを翳し、廊下をシズシズと走ってきた。「大丈夫ドスエ?」「殺ッた、殺ッた」 19

2024-03-11 23:13:35
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

リンホはピースサインと笑顔で応じた。「それより完全に店ダメにしちゃったか?悪りぃな、ハハハ……!」「いいえ、お釣りが出るドスエ」オイランは首を振った。「ボルタのカスは店の子にヒドい事をする奴だったからね。せいせいしたわ」そして、死体に唾を吐きかけた。 20

2024-03-11 23:16:34