里親文学『アーヤと魔女』は宮崎吾朗氏の魂の叫び。

宮崎吾朗氏監督による、ジブリの3DCGアニメ『アーヤと魔女』についての感想をまとめました。(セルフまとめです)
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エンタメ放浪者 ウディ本舗 @woody_honpo

『アーヤと魔女』は劇場公開時には遠慮していて、今日のTV放映をたまたま観たのだが、そう悪くないじゃない? 3DCGアニメもピクサー等に比べると物理的には見劣りするが、キャラクターの芝居が米国の模倣ではなく、ちゃんと「日本アニメの芝居」をしているのには好感が持てる。 宮崎吾朗のベストでは? pic.twitter.com/xvTJRw4uvH

2024-03-16 00:19:12
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エンタメ放浪者 ウディ本舗 @woody_honpo

原作は未読なのだが、これは明らかに「ファンタジーの形を借りた里親文学」なので、ドラマが動かないとか、ファンタジー的な設定が説明不足だとか、伏線を回収していないとか言っても、余り意味はないと思う。シリアスに語るとかなりキツい話を、ファンタジーの衣装を着せてユーモラスにしているのだ。 pic.twitter.com/FiUdiCS0d2

2024-03-16 00:26:33
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この作品が「厳しく辛い里子の境遇をファンタジーで中和している」と解釈するならば、後半の「主人公の思い通りに行く」展開が描かれないのは、原作が中絶しているからではなく、それが主人公の夢(願望)だからかもしれない。 本当はアーヤは今も、外国人技能実習生のように酷使されているのかも? pic.twitter.com/e5Cih5KxMX

2024-03-16 00:53:38
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エンタメ放浪者 ウディ本舗 @woody_honpo

『アーヤと魔女』には「これで終わり?」という感想が多い。 このぶった斬るような、落語のサゲみたいな終わり方は嫌いではないが、里親家庭が「アーヤの思い通りに」なるまでの描写がなさすぎて「この幸せは、本当は『マッチ売りの少女』のように、アーヤの夢なのでは?…」と不安にもなるんだよね。 x.com/woody_honpo/st…

2024-03-16 10:46:11
エンタメ放浪者 ウディ本舗 @woody_honpo

『千と千尋の神隠し』以後のジブリ作品は、全てジブリ内部のモデル文学のようにも読めるのだが、『アーヤと魔女』も例外ではない。 里親に翻弄される気の毒なアーヤは宮崎吾朗であり、アーヤをこき使うベラ・ヤーガは鈴木敏夫、恐しく無愛想だが実はアーヤには甘い小説家マンドレークは宮崎駿ですね。 pic.twitter.com/pweWLSR20Y

2024-03-16 01:00:54
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エンタメ放浪者 ウディ本舗 @woody_honpo

アーヤを宮崎吾朗だと考えれば、「なぜ、アーヤが『望まない里親に貰われる』境遇を受け入れて、理不尽な待遇にも逃げ出そうとしないで、里親の家で上手くやって行こうとするのか?」という疑問が解消する。 それが、望まないのにジブリのアニメ監督にさせられた、吾朗ちゃんの人生だからなのだ。 pic.twitter.com/8xE1fudUd2

2024-03-16 01:16:30
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エンタメ放浪者 ウディ本舗 @woody_honpo

アーヤとマンドレークの関係を宮崎吾朗と宮崎駿の関係と捉えると味わい深い。 『ゲド戦記』で「父親殺し」を試みながら自立に失敗していた吾朗ちゃんも、こうした形で「『私を煩わせるな」と無関心なのに、強大な力で図らずも家庭を支配している、自分勝手な父親」を受容して、大人になったんだなぁ。 pic.twitter.com/X1HZQcmmAF

2024-03-16 09:17:35
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エンタメ放浪者 ウディ本舗 @woody_honpo

〈モデル文学としての『アーヤと魔女』の萌えポイント〉 ①「母親になりたい」「魔法を教える」と強引にアーヤを引き取っておきながら、こき使うだけで何も教える気がないベラ・ヤーガ(鈴木敏夫)。 ②マンドレーク(宮崎駿)は家のことに関心がないが、圧倒的魔力の持ち主で、みんな気を遣っている。 pic.twitter.com/hrVN0Vh9Vh x.com/woody_honpo/st…

2024-03-16 10:24:24
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エンタメ放浪者 ウディ本舗 @woody_honpo

〈モデル文学としての『アーヤと魔女』の萌えポイント〉 ③マンドレークは自分の世界にしか関心がない。世間と付き合い家を運営するのはベラ・ヤーガ。しかし、ご馳走を手に入れるのはマンドレークの魔法。 ④アーヤ(宮崎吾朗)に関心がない風のマンドレークだが、ベラ・ヤーガのいない所では優しい。 pic.twitter.com/7bBQ31GqSh

2024-03-16 10:25:29
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エンタメ放浪者 ウディ本舗 @woody_honpo

〈モデル文学としての『アーヤと魔女』の萌えポイント〉 ⑤実は新聞の書評を気にしていて顔を真っ赤にするマンドレーク ⑥マンドレークにビビりながら「つまんない小説ね」と切り捨てるアーヤ ⑦マンドレークの創作をお手伝いできるようになるアーヤ。おかげで小説も絶賛(これが夢なんだね。号泣😭) pic.twitter.com/yadpTAiKMJ

2024-03-16 10:26:31
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エンタメ放浪者 ウディ本舗 @woody_honpo

『アーヤと魔女』が説明不足だったり突然終わったりするのは、作者が亡くなり未完で刊行された原作に沿った結果なのだと言う。 この「たとえ未完の原作でも、自分勝手に改変はしません」「未完の原作を尊重しながら『自分の作品』にして見せます」という態度に、宮崎吾朗氏の自立の意思が見て取れる。 x.com/woody_honpo/st…

2024-03-16 11:22:35
エンタメ放浪者 ウディ本舗 @woody_honpo

『コクリコ坂から』は悪くないと思ったが、なんとなく「宮崎吾朗さんは、この物語を信じていないんじゃないかな?」という印象があった。あくまでも「宮崎駿のドラマ」だったと思う。 そういう意味では『アーヤと魔女』は「宮崎吾朗のドラマ」なんだよね。 この作品からは宮崎吾朗の叫びが聞こえる。 x.com/woody_honpo/st…

2024-03-16 11:27:21