『Backpack Battles(バックパック・バトル)』に見る、ゲームにおける「配置」要素の系譜と役割

STEAMで公開されている『Backpack Battles(バックパック・バトル)』という、ゲームから連想した考察です。 同ゲームは、有料ですが、無料体験版もあります。なお、このまとめは、ゲーム自体の攻略やレビューではありません。 ゲーム(さらに日常)において、「配置」の要素がどういうものかを考察していくものです。
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しろうと @sirouto

イラスト「ファンタジー箱庭世界」 pic.twitter.com/xaakPkaUcW

2024-03-20 23:06:07
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しろうと @sirouto

youtube.com/shorts/8upnT7d… 「Backpack Battles(バックパック・バトル)」というゲームが、最近の「Vtuber ゲーム実況」で小流行している。見た感じ、これと「Supermarket Simulator(スーパーマーケット・シミュレータ)」が多い。少し前は「Palworld(パルワールド)」。

2024-03-20 21:54:24
しろうと @sirouto

「Backpack Battles(バックパック・バトル)」にコメントしたい。アイテムを2次元配置するインベントリは、MMORPGなどで前からあった。また、『マリオネット・カンパニー』には、パーツを配置するパズル的要素があった。つまり、部分的には昔からある要素だが、「配置ゲー」に特化したのが新しい。

2024-03-20 21:59:42
しろうと @sirouto

「配置に特化する」という所から連想するのが、「タワーディフェンス」系ゲーム。こういう特化型のゲームは、開発規模が小さいインディーズゲームと相性が良い。また、スマホの普及で簡易な操作が要求される、最近のデジタル環境との相性も良いだろう。

2024-03-20 22:03:42
しろうと @sirouto

「配置」というコンセプトに抽象化すれば、「テトリス」のようなパズルや、囲碁・将棋などのボードゲームまで視野に入る。逆に具象化すれば、新ゲームのアイディアになる。たとえば、「馬車」に味方を選んで乗せて、戦いに行くゲームとか。ゴーレムなど大きい味方は場所を取り、スライムはその逆と。

2024-03-20 22:08:58
しろうと @sirouto

なぜ、こういう「配置」の要素が、ゲームのモチーフによく使われるのか? それは、限られた空間に対象を配置するという、「制約」が「ゲーム」の本質に沿っているから。とくに「ナップサック問題」のように、自動的に解けない場合、ゲームに向いた要素になる。

2024-03-20 22:13:59
しろうと @sirouto

「配置」要素の強みが、何に由来するかといえば、人間の脳が視覚情報の処理に向いているという、認知的制約からだろう。たとえば、小説は1次元だが、マンガは2次元。絵とコマの配置で、情報を視覚的に認識できる点が、マンガの市場規模が大きい理由だろう。

2024-03-20 22:28:50
しろうと @sirouto

最初に戻って、もし「バックパック・バトル」が、絵の2次元配置ではなく、文字でアイテム名をいちいち覚える必要がある文字主体のUIだったら、そもそも流行しなかっただろう。「配置」要素がゲームに向くのは、「図解」の分かりやすさもある。

2024-03-20 22:33:09
しろうと @sirouto

ゲーム以外の日常にも応用すると、「表」「グラフ」「時間割」「マインドマップ」など、2次元の図で情報を表すと分かりやすい、ということはよく経験するだろう。「百聞は一見にしかず」で、視覚情報は処理しやすい。ただし、図表は作成コストが掛かり、面倒なデメリットがある。

2024-03-20 22:36:20
しろうと @sirouto

最後に、「AI」と関係させて考えてみる。図解の作成にはコストが掛かるが、今流行の「生成AI」に図解させると、いろいろ有益かもしれない。さらにたとえば、冷蔵庫の中にカメラを設置し、AIが食事/栄養/健康管理する、というアイディアはすでにあった。

2024-03-20 22:41:54
しろうと @sirouto

今回をまとめると、ゲームに「配置」を利用したパターンは、囲碁・将棋など、大昔からある系譜だ。ゲームに限らず、「図表」「図解」という形で日常でも利用しているし、「AI」によって、その作成コストが下がることで、より図解活用の道が開けるかもしれない。

2024-03-20 22:45:58