加藤忠史著『うつ病の脳科学―精神科医療の未来を切り拓く』

加藤忠史著『うつ病の脳科学―精神科医療の未来を切り拓く』(幻冬舎新書)を読みながらのつぶやき。
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nasa Asukai @nasaAsukai

コピー数変動(CNV):ゲノムの中に大きな領域の欠損。統合失調症だけでなく、てんかん、精神遅滞、自閉症、注意欠陥多動性障害などで見つかる。

2010-05-23 15:02:41
nasa Asukai @nasaAsukai

「「コピー数変動」に加え、いくつかの危険因子が重なって、最終的に、脳に何らかの変化が生じることが、てんかんや精神遅滞、そして統合失調症を引き起こしているはずだ。」

2010-05-23 15:04:34
nasa Asukai @nasaAsukai

「母親の養育が少なかったり、虐待が加えられたりすると、子がストレスに弱くなる、という現象は、ヒト、サル、ラットで共通に見られる」

2010-05-23 15:39:32
nasa Asukai @nasaAsukai

うつ病の遺伝子研究「最近、1000人を超える患者を対象とした、全ゲノムレベルでの関連研究がいくつか報告されているが、今のところ、確実に大きな影響をもつような遺伝子は見つかっていない。… 現在の「大うつ病」という診断基準は、遺伝子と直接対応させるには、まだまだ不十分である」

2010-05-23 15:46:20
nasa Asukai @nasaAsukai

「恐怖などのネガティブな情動に関わる脳部位は「扁桃体」… うつ病では、扁桃体の体積増加や、ネガティブな情動を喚起する刺激に対する扁桃体の反応亢進が報告されている。… 動物実験の結果では、ストレスにさらされると、大脳皮質ではスパインが減少するが、扁桃体ではスパインの増加が起きる」

2010-05-23 15:59:29
nasa Asukai @nasaAsukai

「最近(2006年)、既存の抗うつ薬とは全く違う、NMDA型グルタミン酸受容体の遮断作用を持つ薬物(ケタミン)を、たった一回注射することによって2時間後には気分が改善し、その後1週間、気分改善が持続する、という研究がアメリカで報告され、注目されている。」

2010-05-23 16:02:21
nasa Asukai @nasaAsukai

うつ病のモノアミン仮説「うつ病ではモノアミン(NH2がひとつ)が低下しており、抗うつ薬はこれを増やすことで効果を発揮する」

2010-05-23 16:09:04
nasa Asukai @nasaAsukai

「うつ病における脳脊髄液中のドーパミン代謝産物の低下に関しては、比較的一致した結果… セロトニン代謝産物については、うつ状態でも躁状態でも低下」

2010-05-23 16:11:23
nasa Asukai @nasaAsukai

「セロトニントランスポーターの増加も、MAOA(モノアミン酸化酵素A)の増加も、シナプスのセロトニンを減少させると考えられ、分子イメージングの結果は、セロトニンが減るとうつ病になるという「セロトニン減少説」を支持している。」

2010-05-23 16:15:25
nasa Asukai @nasaAsukai

「うつ病をセロトニン不足による病気と考えた時、最も納得がいかないのが、抗うつ薬の効果の遅さである。… ラットに電気けいれん療法、あるいは抗うつ薬投与を行い、3週間目に、海馬でBDNF(脳由来神経栄養因子:神経細胞の成長などを促すタンパク質)が共通に増加するという現象を発見」

2010-05-23 16:25:33
nasa Asukai @nasaAsukai

エピジェネティクス仮説。DNA配列の違いでは説明できない部分。DNAメチル化によって、DNAが折り畳まれ、遺伝子発現に必要なタンパク質が近づきにくくなる。小さい頃の環境の影響がDNAメチル化という形で記憶。ストレス反応に関わるGR遺伝子のDNAメチル化によりストレス脆弱性。

2010-05-23 16:47:58
nasa Asukai @nasaAsukai

うつ病患者の脳形態画像所見:脳梗塞が多い。白質高信号領域。海馬の体積低下。大脳基底核の体積低下。前頭前野の体積低下。扁桃体の体積増加。

2010-05-23 16:51:58
nasa Asukai @nasaAsukai

「うつ状態では、安静時から前頭前野の活動が低下していて、課題を与えられても、なかなか前頭前野を使って課題をこなすことが難しく、何とか同じ程度の結果を出そうとすると、より脳を酷使しなければならない」

2010-05-23 16:57:32
nasa Asukai @nasaAsukai

「うつ病患者さんでは、恐怖の表情を見たときの扁桃体の血流増加が健常者よりも強く、幸福な表情を見たときの反応は、健常者よりも小さい。」

2010-05-23 16:58:56
nasa Asukai @nasaAsukai

血液検査。既に膨大な研究があり、最も有望なのは、デキサメサゾン抑制試験と改良版のデキサメサゾン-CRH負荷試験。最近最も注目されているのは「血中BDNF」。

2010-05-23 17:02:59
nasa Asukai @nasaAsukai

精神疾患のブレインバンク: スタンレーブレインバンク(1994年、統合失調症・双極性障害) 福島県立医科大学・精神疾患死後脳バンク(1997年、http://fmu-bb.jp/index.htm

2010-05-23 17:39:08
nasa Asukai @nasaAsukai

読了。頭いっぱい。 加藤忠史著『うつ病の脳科学―精神科医療の未来を切り拓く』(幻冬舎新書)http://amzn.to/ds3LOq

2010-05-23 17:39:41