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殺す医者

科学技術の進歩に伴う、医者の責任の増大と、医者が人を殺すときに何が起きているのかを考える。
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@taketake_bon

#殺す医者  医者が患者を殺すときがあります。どうも藪医者か、と思いたくなるかもしれないのですが、私の限られた知見を用いてもどうもそうとはいえないように思います。科学技術が進歩するにつれ、人間に救えるいのちと救えないいのちの境界線が微妙なものとなって参りました。

2011-12-31 20:58:09
@taketake_bon

#殺す医者 私は東松山市の医者にいい思い出がないのですが、京都に居た頃は恒常的に出席していた位田先生の生命倫理の研究会に来ていた先生方は皆高徳な方でした。循環器病センターの森崎先生などは、私が「先生、教えていただきたいことが出てくると思うので名刺をいただけないでしょうか」と頼むと

2011-12-31 21:01:24
@taketake_bon

#殺す医者 名刺を簡単にくれただけでなく「いつでもメールくれていいよ」と気さくにおっしゃっていただけたものです。循環器病センターの倫理統括にしてユネスコの代表という地位におられる方が学界の末端にいる私に接する態度もこういったものでした。

2011-12-31 21:03:53
@taketake_bon

#殺す医者 しかし、こうした先生方の倫理的判断というのは時に実にシビアなものになることもあるわけです。京大病院の移植医療は様々な移植を先駆けて行う輝かしい実績を持っているわけですが、そこの看護師さんが「京大病院には通常の病院とは違った倫理基準を作ることができるようになっていても

2011-12-31 21:27:30
@taketake_bon

#殺す医者 いいと思う。何しろ京大病院の移植医療セクションにはほかの病院では手に負えない患者さんがいらっしゃるので…」というわけです。京大病院の置かれている厳しさがわかります。他の病院では「見捨てられてしまった人」の最後の寄る辺なのかもしれません。

2011-12-31 21:30:08
@taketake_bon

#殺す医者 と言うことはきわめて難しい手術を請け負っていることは言うまでもありませんし、一つ一つの手術の成功率もいつも高いとは限らないことだってあるかもしれません。「失敗」も多いでしょう。その分重篤な患者を診ているのだから。もしかしたら、最も重大な責任を負う医者こそが、最も大きな

2011-12-31 21:33:27
@taketake_bon

#殺す医者 犠牲者を出している可能性だってあるわけです。マスコミが「良い病院」を分ける指標として、手術数をあげている場合がありますが、多ければ多いほど優秀な医者なのかなと言うと疑問符がつきます。簡単に済ませられる手術のみを引き受けておれば、手術数も増えようというものな訳ですから。

2011-12-31 21:36:59
@taketake_bon

#殺す医者 医者の責任について、超低体重出生児の延命治療で大変にシビアな話を聞きました。紹介します。何年か前、位田先生と一緒に大阪にある基幹病院を見学したのですが、そこには小児用集中治療台が11床ありました。周知のように現在では、500グラム程度、妊娠22週程度の赤ちゃんも

2011-12-31 21:41:34
@taketake_bon

#殺す医者 延命することができるわけです。しかしあくまでも延命が可能だと言うことであって、こうした赤ちゃんが健常であることはまれなようです。私が小児用集中治療台を見学したときも赤ちゃんたちは保育器に入れられ黄疸を防ぐために緑の光を常に浴びていました。

2011-12-31 21:49:01
@taketake_bon

#殺す医者 気管は切開され、呼吸器と吸引器が挿入されているのです。何しろ500グラムの胎児というとボーペンほどの身長しかないわけですから、その延命たるや科学技術の総動員となるわけです。こうした中で、とりあえず延命にはさしあたり成功したが、生涯重篤な障害を抱えて、

2011-12-31 21:51:47
@taketake_bon

#殺す医者 生きていかなければならない赤ちゃんが出てきてしまうわけです。私が見学に行ったときも、車いすに乗って、気管挿入を受け、明らかに発育不良と水頭症がわかる子供がいました。聞くと、病名不明で、家族もこの子を引き取るかどうかでもめているところだから、とりあえず、病院で面倒を

2011-12-31 21:55:33
@taketake_bon

#殺す医者 見ているとのことでした。ここでシビアなことが生じます。一旦助けはしたものの周囲の人が皆「面倒を見切れない」と判断されてしまう赤ちゃんが厳然として存在すると言うことなのです。このような赤ちゃんは人工呼吸器切られ、医者の手により人為的に絶命させられます。

2011-12-31 21:58:44
@taketake_bon

#殺す医者 こんな判断は誰だってしたくないわけです。関係者全員の合意を得るのはもちろんで、誰かが刑事告発をしようものなら呼吸器を切ったお医者さんは殺人で逮捕されてしまいます、現状の法規では。これが科学技術の進歩の一側面なのです。進歩すればするほど助かるいのちが増えますが、

2011-12-31 22:01:31
@taketake_bon

#殺す医者 助かる命とそうでない命の境界線を人間が決めなければならないのです。お医者さんに聞いたところ、無責任な医者ほど判断を回避する、と言います。「殺す医者」には時に刑事罰のリスクと重大な責任が降りかかるのです。科学技術の進歩がもっぱら人間に喜びのみもたらすと誰が言い得ましょう

2011-12-31 22:05:03
@taketake_bon

#殺す医者 こういった場合の医療コミュニケーションは、もはや通常のコミュニケーションの原則を大きく裏切ります。つまりは感情の表出こそが正常なコミュニケーションの原則になる。例えば「あなたが半年後に生きている可能性は5%です」という告知を冷静に受け取る患者がいたら、

2011-12-31 22:26:03
@taketake_bon

#殺す医者 それはメッセ-ジの意味が伝わっていないことになります。同様のことが超低体重出生児の両親に対しても当てはまります。また、興味深いのは、説明をする側・医療従事者が感情を表出する機会を持つことを規定する研究もあると言うことなのです。

2011-12-31 22:30:36
@taketake_bon

#殺す医者 田村正徳らがまとめた「重篤な疾患を持つ新生児の家族と医療スタッフの話し合いのガイドライン」によりますと、「医療スタッフは、…、互いに意見や情報を交換し自らの感情を表出できる機会を持つべきである」とさえ言われ、医療スタッフが怒りや悲しみ、無力感と言った否定的な感情を

2011-12-31 22:35:27
@taketake_bon

#殺す医者 共有することが望ましいことが指摘されています。重篤な疾患を持つ新生児の医療スタッフがいかに大きなストレスの下で働いているのかがわかります。最近新生児の体重が減少してきているというニュースがありましたが、懸念されるところですし、

2011-12-31 22:39:03
@taketake_bon

#殺す医者 妊婦がダイエットをするなどの行為が、雑誌に載っているということでもあります。よからぬ風潮のように思われるのですが、如何でしょうか?科学技術の進歩、それすなわち喜びというものではありません。従来ではあきらめざるを得なかった神の手にゆだねられていた事象をも決断を強制される

2011-12-31 22:41:35
@taketake_bon

#殺す医者 ようになったのです。医者の仕事はもはや治すだけではなくなりました。科学技術の進歩の結果、医者が殺す必要も生じてきたのです。私は始めに高徳な医者たちの話をしましたが、高徳でない人間に、このような仕事が勤まるでしょうか?

2011-12-31 22:43:49

コメント

オタ小児科医 @otapediatrician 2011年12月31日
まとめの内容に異議を唱えるわけではないですし、私も小児科医としてはまだまだ未熟でこういった問題にはむしろこれから立ち向かわなければならない立場なのですが、体重500gで産まれた新生児でも、何の後遺症もなく、所謂「正常」出生児と何ら区別がつかない成長を遂げることだってあるということは強調させていただきたいと思います。
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Sirius☆彡 #パンデミックの彼方へ @sitesirius 2012年1月1日
汚染による赤ちゃんや子どもたちへの影響を、科学技術文明は、超えていけるのだろうか?情報の恣意性、バイアス…権力の倫理が根本か。
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