高岡 滋先生による「 『医学のあゆみ』12/3特集・長瀧重信「はじめに」」に対するツイートまとめ

まとめました。 これより先に、島薗進氏『医学のあゆみ』12/3特集・長瀧重信「はじめに」批判のまとめ http://togetter.com/li/237262
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高岡 滋 @st7q

「島薗進氏『医学のあゆみ』12/3特集・長瀧重信「はじめに」批判のまとめ」をトゥギャりました。 http://t.co/x23V5lBO

2012-01-05 22:50:36
高岡 滋 @st7q

1.『医学のあゆみ』12/3特集・長瀧重信「はじめに」http://t.co/AXLOC6zt…島薗進氏のコメントと重複するところもありますが、私の感想をツイートします。

2012-01-06 19:28:54
高岡 滋 @st7q

2.科学の目標は体系的な知であり、真実を求める人間の自由意志に基づく。そのあり方は多様であり、批判に対し開かれ、未来に対しても開かれているべきだが、それらを否定し、ドグマと誤謬の体系に科学を従属させようとしている。

2012-01-06 19:29:02
高岡 滋 @st7q

3.長瀧氏「社会的影響のある科学については国際的な合意を一致して社会に説明する義務がある」…絶対あってはならない大間違いの主張。UNSCEAR絶対化論に導くための恣意的な屁理屈。放射線以外でこのような主張は聞いたことがない。これが正しいのなら、水俣病はどうなる?どうなった?

2012-01-06 19:29:14
高岡 滋 @st7q

4-1.福島と類似の被曝は各施設周辺の被曝やチェルノブイリ事故等と稀少。飛散した核種も同じではない。未知の領域があるならば、科学の役割には、調査・研究・予防的措置が重点目標として含まれなければならない。この長瀧氏の文章に「予防」の言葉は出てこない。「調査」、「研究」の言葉は…

2012-01-06 19:30:27
高岡 滋 @st7q

4-2.「調査」は3ヶ所、「研究」は15ヶ所で使用されているが、ほとんどは過去の記述で、今後の研究についての記述はわずか2ヶ所。「しかし研究はここで終わったわけではない.原爆も,チェルノブイリもまだ研究は終わっていない.福島は始まったばかりである」という極めて抽象的な記述のみ。

2012-01-06 19:31:21
高岡 滋 @st7q

4-3.これほどまでに、UNSCEARを強調(読者である医師には調教?)する長瀧氏に、IAEAやUNSCEARから独立して調査・研究する熱意のかけらもあるとは思えない。ましてや住民のための予防的措置など全く念頭にないらしい。

2012-01-06 19:31:37
高岡 滋 @st7q

5.UNSCEARが科学的機関という定義も間違い。ICRPとUNSCEARには共通する個人がいる。中川保雄「増補版・放射線被曝の歴史」には、原子力勢力に不利な状況が出現すると、NCRP→UNSCEAR・BEIR→ICRPと動きが現れると紹介(p.204)。

2012-01-06 19:31:52
高岡 滋 @st7q

6.科学的というなら、被曝実態と健康影響の両面をきちんと調査すべき。報道されているI、Cs、Pu、Sr等だけではないだろう。3/11~13の詳細な被曝状況について述べるべきだし、首相官邸HPで紹介されている人間なのだからきちんと公開するよう政府に要求すべき。

2012-01-06 19:32:06
高岡 滋 @st7q

7.UNSCEARの報告「100~200mSv以下の被曝でリスク増加はない」が国際的に合意された外部被曝についての科学的事実というのは、間違い。

2012-01-06 19:32:14
高岡 滋 @st7q

8.100mSv以下の放射線被曝の影響をタバコ、肥満、運動不足、野菜不足などと比較している(しかも、発癌に関してのみ)こと自体が医学者として歪んでいる証拠。他の毒性物質で「○○と比較して障害が軽いから大丈夫」などという専門家の議論が交わされることがあるか!?聞いたことがない。

2012-01-06 19:32:48
高岡 滋 @st7q

9-1.内部被曝については、チェルノブイリでのヤブロコフ報告をはじめから全て無視(否定)している。その根拠はUNSCEARというとになろう。ここに示された国連科学委員会の①~③が意味するのは、チェルノブイリでは急性放射線障害、発癌以外が無視されているということである。

2012-01-06 19:33:17
高岡 滋 @st7q

9-2.長瀧氏らが、内部被曝に既に結論を持っているかのような記述をしていること、そして、それを福島において(独自に)科学的に追求することよりも、「いたずらに混乱し恐怖する」ことを配慮するという姿勢を優先させていることも、大きな問題である。

2012-01-06 19:34:02
高岡 滋 @st7q

9-3.福島原発事故による健康影響について、発癌以外のテーマを最初から持っているとは考えられない記述である。「エビデンス」を強調するが、EBMがEvidence Biased Medicineと揶揄されるゆえんである。

2012-01-06 19:34:16
高岡 滋 @st7q

10.「1~20mSvを超えると健康に影響があるという主張に科学的根拠はない」というが、そういう研究は存在する。賛否両論というのが、科学の現況。その総体を捉えるべきなのに、「科学的根拠はない」とは、どんな科学を想定?少なくとも、その科学に公衆衛生学が含まれないことは確かなようだ。

2012-01-06 19:35:50
高岡 滋 @st7q

11.この人は「放射線を正しく怖がる」ことと述べているが、「正しく」という言葉の具体的意味が不明。健康被害を原発勢力から独立して継続調査することが医学の「正しい」役割であるにも拘らず、これまでのUNSCEAR、ICRPの主張を福島に「正しく」適用するというのなら、話にならない。

2012-01-06 19:37:25
高岡 滋 @st7q

12.長瀧氏は、「医療行為は人類愛に基づく自発的行為で、医師は良心と医の倫理に従って医業をおこなうものである」と日本医師会の医の倫理綱領を紹介しているが、これはこの方々に最も欠けているものと言える。真反対のことを平気で言える人間が上に立つ医学界と社会は変えられなければならない。

2012-01-06 19:39:12
高岡 滋 @st7q

13.「リスクコミュニケーション」という前に、分かっている事実を知らせ、未知の危険については予防原則にもとづいて知らせ行動すべき。わからないことについては調査するしかない。既知および未知のリスクについて、まず調査、というのが今の事態にふさわしい日本の医学者、科学者の取るべき態度。

2012-01-06 19:50:19
高岡 滋 @st7q

14.この『医学のあゆみ』12/3特集の意図は、この空っぽの中核が、いかにも権威であるかのようにふるまうことにある。この特集の危険性は、当然その中身の議論一つ一つにも存在するのであるが、彼らの意図は『医学のあゆみ』や『日本医事新報』などを利用した権威づけにある。

2012-01-06 19:51:47
高岡 滋 @st7q

15.長瀧氏は、自分たちが「御用学者」と呼ばれていることに対して、「レッテルを貼って排除」と牽制しようとしているが、「御用」と分類されるのは、単なるレッテルではなく、上記の根拠あってのことである。彼らが、科学に関する真の知の体系を目指しているのでないということだけは確実に言える。

2012-01-06 19:52:09
高岡 滋 @st7q

16.この『医学のあゆみ』特集が、個々の論文の問題だけでなく、長瀧氏の文章にみられるように、放射線被曝に関する(誤謬を含む)構造を医師・医学者の頭の中に植え込んでいく可能性を考慮しなければならない。

2012-01-06 19:54:48
高岡 滋 @st7q

17. 放射線御用学者の態度は、水俣病における国側医学者と似ている。例えば、「Sv単位の被曝時の急性症状」vs.「メチル水銀中毒の急性劇症患者」。「放射線による発癌」vs.「ハンター・ラッセル症候群」。「100mSv」vs.「毛髪水銀100ppm」と対比するとわかりやすい。

2012-01-06 19:55:41
高岡 滋 @st7q

18.放射線御用学者も水俣病の国側医学者も、肝心なことを調べない点は共通している。長瀧氏の論調は、UNSCEARを基本にするよう主張し、それを否定しうる調査研究を牽制する内容になっている。本来、被曝予防とともに、被曝と健康障害の関連をそのような前提抜きで調査研究すべきなのである。

2012-01-06 19:55:59
高岡 滋 @st7q

19.最初に述べた様に、科学は人間の真実への自由意志に基づく知の体系である。確かに、科学はその性質上、形式を重視する。しかし、『医学のあゆみ』を読んでわかるのは、放射線御用学者がその分野での多勢を頼んで、その形式の「部分」を利用、知の範囲を限定し、誘導しようとしていることである。

2012-01-06 19:57:02
高岡 滋 @st7q

20-1.この特集を読んで考えたのは、放射線被曝の分野は、「内容」も問題であるが、それ以上に「構造」が歪んでいるということ。他の医学分野はこのようなことは少ないので、この「構造」の歪みを読み取ることができない医師は「内容」の部分のみを見て、それを信じてしまうことが懸念される。

2012-01-06 19:57:22