頭蓋骨持ち歩き少女作品コンペ

レギュレーションは特にありません。 もちろん賞金もありません。 参加作品が増えたら追記していきます。 参加作品なう 続きを読む
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@crow_henmi

そして少女は去っていった。去り際に、ぼくの名前を呼んで。

2010-06-08 05:58:45
@crow_henmi

ぼくは彼女のことを知らなかった。だから彼女もぼくのことを知るはずがない。にもかかわらず、彼女がぼくの名を呼んだということは――つまり、それは、ぼくが彼女の「この世界での」想い人だった、ということではないのか。

2010-06-08 06:00:47
@crow_henmi

慌ててぼくは彼女を追った。何をすべきか判らないが、とにかく彼女を止めなければならないと思った。彼女を「観てしまった」ぼくは、彼女と向き合わなければならないと思ったのだ。

2010-06-08 06:01:51
@crow_henmi

しかし、彼女の姿はもうどこにもなかった。ただダラダラと続く田舎道に、陽炎がゆらりゆらりと上がり、幻灯のように歪んだ光景を映し出すのみであった――。

2010-06-08 06:02:51
@crow_henmi

即興頭蓋骨持ち歩き小説、これにておしまい。

2010-06-08 06:03:11