「輪るピングドラム」僕の桃のカンヅメSuperS。
ニュータイプ3月号「輪るピングドラム」幾原邦彦さんのインタビューを読む。独特なクセはあるけど、幾原邦さんのことばはおためごかしの類のほとんどない、真摯と言ってもいい語り口。あらためて「輪るピングドラム」は人の口から出ることばというものをとても大切に考えている作品なのかなと感じた。
2012-02-10 22:29:47NT3月号・ピングドラムインタビュー。「いいことしか言わない」人達の話がとても印象に残った。作中では人の運命を左右するような「いいこと」とそれらと相反するものとが同時に語られている。どちらが自分の根幹に横たわっているものなのか…物語の異物感を考えることがきっと現実に繋がってゆく。
2012-02-10 22:30:10池袋ジュンク堂へ電話を掛ける。おとなとしてピッと凛々しく問い合わせをしながら心の中のドキドキが次第に声にも顕れてゆくさまは、さながらBlu-ray4巻のオーディオドラマにおける真砂子お嬢さまのようで御座いました。生存れんじゃく、しましょうか。
2012-02-22 15:07:58「輪るピングドラム」Blu-ray5巻特典サウンドトラックを聴く。ゆりの過去が明かされる巻だけあって彼女の活躍シーンのファビュラスに豪奢な楽曲が中心。「Mの悲劇」はインストバージョンながら元々がドラマティックな構成なので、ゆりの歌唱が脳内に響いてしまう…!しかもピッチがズレ気味!
2012-02-22 18:56:29輪るピングドラムBlu-ray5巻サントラ。ゆりの活躍シーンの楽曲が中心ではあるのだけど、浮かぶビジュアルは木のウロがしゃべるようすやラッコがウツボに巻きつかれるようす。そうか、こういうやたらに大仰でゴージャスな音楽が流れるのは思い返せば半数以上は苹果の脳内世界だったw
2012-02-22 19:00:37本日は初めて幾原邦彦さんを実物でお見掛けしたのですが、圧倒されるような「何か」を強烈に放っているのを感じました。同時にその顔、目の輝きに引き込まる感覚もありました。平衡感覚が少しずつずれてゆくような、これまで味わったことのない感覚。「魅了される」ってこういうことなのかもしれない。
2012-03-03 21:14:30もしも今日もニュータイプ15周年イベントの時のセーラーマーズの衣装を身につけていたら、いや「あの時の」火野レイちゃんが代理に来ていたなら完全にノックアウトしてしまうところだった。危ないところだったのだぜふう(真顔)。
2012-03-03 21:17:34輪るピングドラム小説版19話。眞悧は陽毬に言葉を投げ掛ける。不安に寄り添うような言葉。意味ありげなようでそのじつ何も語っていない言葉が陽毬に心を語らせてゆく。直後に真砂子の顔を見た感想からそこには親密さの欠片も、おそらく悪意もなかったことがわかる。だからこそタチの悪さが際立つ。
2012-03-13 16:25:23輪るピングドラム小説版19話。真砂子は高倉家に陽毬を訪ねる。決定的に違う二人。相手の美しさに感嘆していた陽毬が危険信号を感じたのか、次第にシリアスに相手を観察してゆく過程に胸がざわざわとした。対する真砂子の思考回路が、どことなくユーモラスなのがうん、やっぱり決定的に違う二人だw
2012-03-13 16:26:14輪るピングドラム小説版19話。「運命のひと」という言葉が晶馬を刺す。日常に戻ろうとしても戻れないほどの動揺。日常そのものが遥か遠いものであるかのような感覚。小説の多くの部分で語り部の立場にありながら、これまであえて語っていないでいたものが少しずつ雨の中へ流れ出てゆく。
2012-03-13 16:27:09輪るピングドラム小説版20話。晶馬は両親の茶碗と箸をゴミ箱に捨てる。何もわからないまま、小さな命と別れることになってしまったあの時とは違う。曖昧にしていた思いと自らの意志で決別した。それでも晶馬の心はまだ晴れやかではない。ゴミ箱の中にまだ「それ」は存在している。
2012-03-14 19:05:35輪るピングドラム小説版20話。山下は語られる。冠葉と晶馬の、やり場のない時間を埋めるために。場を締める「どうにもいたたまれず」という晶馬の感想がその時間全体の印象を語っているのか、はたまた「山下に彼女ができない理由」にかかっているものなのか、頭を悩ませてしまうw
2012-03-14 19:06:02輪るピングドラム小説版20話。女の子と晶馬は子猫にリボンをつける。それは誕生日やクリスマスで洋菓子やプレゼントの包装に使われていたもの。どこにでもあるけれど、家族の思い出の宿るもの。捨てずに、あるいは捨てられずに残していた家族の思い出が、あたらしい家族の形をつくってゆく。
2012-03-14 19:08:42輪るピングドラム小説版20話。父親の言葉は関係ない。陽毬のもとへ。晶馬は自分の思いを叶えるために走る。今回の回想は現在の晶馬が一人称で振り返るかたちだ。後悔ともとれる言葉を苹果には話した。けれど晶馬が陽毬を家族に選んだ理由を語る「今」の言葉は、そこにある思いは、強い。
2012-03-14 19:12:25輪るピングドラム小説版21話。真砂子と陽毬は暖炉の前で対話する。真砂子の言葉に陽毬は戸惑い、陽毬の言葉に真砂子は苛立つ。交錯する「台詞」と地の文が緊迫感を高めてゆく。真砂子の苛立ちの炎が陽毬を取り囲む。それでも目の前の陽毬は陽毬のまま、そこにいる。そして。真砂子は陽毬を認める。
2012-03-16 18:43:20輪るピングドラム小説版21話。こそこそしていると、内緒で動物を飼い始めたと思われるかもしれない。陽毬は伯父の家でこれからペンギン三号とどう接するべきかを晶馬と話す。その会話にどうしてもあの子猫の姿が浮かんでしまう。「これから」を考えながら二人は「これまで」を想っているのだろうか。
2012-03-16 18:44:08輪るピングドラム小説版21話。鷲塚医師は夢を見る。いま何を着ているのか、眼鏡をつけているのかさえ、よくわからない。不思議なことが起きていても不思議に感じない。夢の中らしい奇妙な思考のまま奇妙な会話は続く。現実ではなく夢。夢の中の出来事は彼をどこへも運ばない。夢はどこにも残らない。
2012-03-16 18:46:11輪るピングドラム小説版22話。晶馬の心は闇の底にある。誰からも言葉が返ってこない時間が生み出した闇。晶馬は訪ねてきた苹果と話をする。家の中には未だ闇が残っているけれど今は苹果もそこにいる。何気ないような言葉が、かけがえのない気持ちが、晶馬の心を外へ向かわせてゆく。
2012-03-17 10:51:01輪るピングドラム小説版22話。クリスマスの朝。兄と兄。母と父。同じ屋根の下にみんながいる、あたたかな夢を陽毬は見る。陽毬が開いたプレゼントの中にあったものは。家族そのものは偽りだった。それでも優しい母を好きだったし兄たちも父も優しかった。家族の時間はきらきらと輝いていた。
2012-03-17 10:51:36輪るピングドラム小説版22話。必要なのはたった一度でも良かった、その言葉。多蕗は桃果がくれたものに気づく。多蕗はゆりの恋の罪を分け合った。ゆりは彼と一緒にお風呂に入っても良いと思い、そう告げた。「愛している」という言葉は二人の間にはない。それでも、もうそれは始まっている。
2012-03-17 10:52:37輪るピングドラム小説版23話。眞悧は冠葉に「魔法」を見せる。この話でこの場面の後に登場する冠葉はどこまでも周囲から観測された姿であり、その主観が描かれることはない。眞悧は真砂子の寝室へ箱の蓋を開けるように冠葉を導き入れた。その時から彼は違う「箱」に入ってしまったのかもしれない。
2012-03-24 21:09:58輪るピングドラム小説版23話。晶馬は陽毬がいなくなることがうまく想像できない。イメージは出来ても実感のある想像じゃない。それを突きつけられた「葬儀」での記憶でいちばん大きいものは中途半端な松花弁当を食べた記憶。慎重な彼でも準備が出来ない、その「遠さ」がとても恐ろしい。
2012-03-24 21:10:31輪るピングドラム小説版23話。夢の中で晶馬は陽毬に父と母への思いを語る。時おり、ふとした拍子に顔を覗かせていた暗がり。苹果と知り合うほどに深まっていた闇。それでも、消えることのなかった思いを陽毬が見つけてくれた。遠く離れていても通じ合える、家族。もう一人の家族の元へ晶馬は走る。
2012-03-24 21:10:55