臨床消化器内科 Vol27No1 2012 1月号 IBD最近の治療 (今日は3.4.の内容) 3.潰瘍性大腸炎におけるステロイドの使い方 蘆田知史(札幌東徳州会病院IBDセンター) 他 4.クローン病におけるステロイドの使い方 杉本健(浜松医科大学第一内科・消化器内科) 他
2012-01-17 07:51:033.潰瘍性大腸炎におけるステロイドの使い方 蘆田知史(札幌東徳州会病院IBDセンター) 他 -ステロイドが使用される以前はUC死亡率が8-55%あった、ステロイドが使用されるようになり6.9%に減少した(海外の話) 現在では1%以下
2012-01-17 07:51:29UCにおけるステロイドの治療は重症例に対する強力静注療法、中等症への経口投与 (局所製剤についてはここでは述べない)
2012-01-17 07:51:53I.強力静注療法 -重症例の6-7割を寛解導入 -プレドニゾロン60mg/日 or(1-1.5mg/kg/日) -要全身管理
2012-01-17 07:52:18・概要 多くの場合IVH管理下 投与期間は7-10日 ・手術適応の判定 7-10日経過しても好転しない場合はCyA(シクロスポリン)、IFX(インフリキシマブ)、TAC(タクロリムス)の適応を考慮
2012-01-17 07:52:43・寛解導入後の投与量 10mg/週 or 30%/週で減じる 欧米の基準だと治療開始後3日目の排便回数8回以上 or 排便回数3-8回+CRP4.5mg/l以上の症例の85%は手術の可能性高い
2012-01-17 07:53:09II.ステロイド経口投与 -SASP、5-ASAで改善しない症例且つ軽症・中等症 -20-40mg/日 -少量のステロイドの持続投与は寛解期間の延長には寄与しない
2012-01-17 07:53:26分割と単回で差はない、朝食後の一回が望ましい 効果判定は2-4週で実施、軽症化しない場合にはCAP、6-MP、AZAを加えるかCyA,IFX,TACなどに移行 20mg/日までは5-10mg/週で減量し、20mg以下は2.5mg/週(2週ごとに5mg)が良いとされている
2012-01-17 07:53:47III.ステロイドパルス療法 -寛解導入としての効果は優れているが二回目以降の効果は薄くなる (500-1,000mgを週三日連続投与4日間休薬)×3コース →6.5割が寛解基準に、二回目以降は25%程度に (筆者らはステロイドパルスはもう実施していないとの事)
2012-01-17 07:54:06IV.ステロイドによるUCの寛解維持 -少量の経口ステロイドがUCの寛解維持効果を持つ事はない 膠原病や腎疾患とは違い、少量を継続投与しても寛解維持効果はない、経口でも注腸でも減量後中止すべき
2012-01-17 07:54:22●まとめ 投与量・期間・減量方法は臨床経験の賜物、ただし副作用は必発 経過観察を注意深く行い無意味な投与量の変更か投与期間の延長は実施しない
2012-01-17 07:54:374.クローン病におけるステロイドの使い方 杉本健(浜松医科大学第一内科・消化器内科) 他 I.ステロイド治療の歴史 現在はIFXを診断早期から積極的に用いられるため影が薄くなってきた、副作用もあるし
2012-01-17 07:54:59II.CDに対するステロイドの効果とエビデンスのレベル ステロイドは臨床症状に対しては優れた寛解導入効果があるが粘膜治癒効果はない 寛解維持効果もない 粘膜治癒されると臨床的再燃率も下がる
2012-01-17 07:55:23III.CDに対する新しいステロイド薬の可能性 ブデソニドが欧米では利用されている、寛解導入効果はプレドニゾロンに比べると低いが副作用も低い 日本では使用できる見通しはない
2012-01-17 07:55:47IV.CDに対するステロイド治療の実際(世界の話) 海外では回盲部病変に対してブデソニドの投与が推奨されている ステロイドや5-ASAに反応しない場合にはレミケ・ヒュミラを考慮
2012-01-17 07:56:08V.CDに対するステロイド治療の実際(日本の話) 中等症以上の場合にステロイドを利用 日本では栄養療法もある、ステロイドと同程度の評価のためステロイドは欧米ほど積極的に利用されていない 栄養療法や免疫調節薬、生物学的製剤に不応の場合にはステロイドを使う
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