幻想の現象学的還元④ 『卯酉東海道 Retrospective 53 minutes』
- L_O_Nihilum
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Tr.8:真っ暗。漆黒の夜。月はなく、星の光りもほぼいっさいない真夜中。江戸風の町は松明を灯し、妖しく照りつける。こんな時間には人がほとんどいるはずがない。しかし、どうやら飛脚が沢山奔っている。何か急ぎようなのか?
2012-01-18 01:16:36Tr.9:巨大な館の、巨大な扉が閉まり、漆黒の部屋が幽閉される。妖しい青白い線を描く魔法陣が急速展開され、魔力がわき出ていく。だんだんと湧き出る魔力の色が増えていく。そのたびに、巨大な部屋の像が顕になっていく。
2012-01-18 01:20:54さあよろしいかしら?新しい魔術の実験をするわ。さ、指示通りにステップを踏んで。だんだん疾く!足取り確かに、教えを籠めて!!…ここは妖精たちにも噂の大魔法使いの館。ここで鳴り響く音楽は、森からやってくる聖霊たちをも踊らせる。
2012-01-18 01:22:38Tr.10 新幹線は6つの色の違う弾に囲まれた輪を潜り抜け、宙に浮きだす。どうやらこの電車、現実の電車ではなかったようだ。宇宙のように星が沢山あるのに、ここは宇宙の様な暗さがない。むしろ淡い紫色を呈しており、明るく輝かしい。
2012-01-18 01:25:21だんだんと薄紫色の幻想的な空間が切れ目を見せていく。切れ目の先は、本当の宇宙が垣間見えていた。その直前にやってくる見張りの女性。大空中に金色の星をばらまいて、座席の観客の目を眩ませる。星々が作る線路の上を――――――――
2012-01-18 01:27:46列車の足音は気付けばとっくにあの地上の轟轟しい摩擦音と破裂音をやめていた。今ここで聴こえてくる轟音は、機械的な音ではなく、星々を転がりぬける木琴と鉄琴の混交した絶妙なアンサンブル。そのまま新幹線は終点へと向かった。
2012-01-18 01:29:12Tr.11:富士の山。気が付くと、それが目の前に広がっていた。あれは、・・・・夢だったのか?冷たい風が吹き付ける。富士の山の真下には松の木が雑交する。それにしても、美しい山だこと。
2012-01-18 01:31:14鷲のような崇高な鳥が、富士の周囲を飛び回る。そして、高らかな声で、孤独に歌い叫ぶ。その声は透き通った空に、どこまでも響き渡っていった。琵琶の湖の、照り光るが如く、富士の山の、そそり立つが如く。蒼蒼き空の、限界までそこ知らぬが如く。
2012-01-18 01:33:42(以前総武線でこのCD聴いてたので総武線秋葉原駅のプラットフォームまで幻想してしまったwなにこの余計なのwww)
2012-01-18 01:34:41雑念幻想の反省:あいっかわらずストーリー性のあるようでない妄想でした。ていうかまるっきしゲーム音源と同じ曲が数曲あって、ゲーム画面の色を同調させた想像もかなりあったと思う。ていうか、テクスト読めばすぐバレますわこれ。
2012-01-18 01:36:11まぁそれはともかく、卯酉いいね。ZUNはゲーム音楽界のヴィヴァルディだ、と僕は思う。ヴィヴァルディの四季は、予め四季をテーマにした詩があって、これを表現するように楽曲が構成される。
2012-01-18 01:37:43たとえば春の第一楽章(アレグロ)なんかすっごい有名だけど、小鳥のさえずりや、雷とか嵐の来るシーンが思い起こされる。で、調べてみたらマジでそういう感じ、なのね。そんなふうに、ZUNは歌詞なく描きたいものを描けてしまう。「ヴォヤージュ1969」なんていい例。
2012-01-18 01:40:32最後の曲は間違いなく富士山の落ち着いた風景である。EDにこれ持ってこられたら、そりゃあ感動して泣きますよ。うん。これで雑念幻想は残すところあと一枚。まぁ、何度もやってみるのもいいと思うけどね。
2012-01-18 01:41:23