関西電力、2012年夏の電力需給はどれくらい危機的か？をざっくりと考える

五味馨 @keigomi29

関西電力の今夏の需給を心配する声がいくつか流れてきました。関電HPのこちらhttp://t.co/tWdgebctに設備の一覧があり、ページ最下部にまとめがあります。それによると全ての原子力発電所が止まる今年3月時点での供給力は2265万kWになります(続)

五味馨 @keigomi29

(承前)　水力が全体で820あるのに、なぜ3月には324とその半分以下なのか、というと、ひとつは渇水を想定して厳しめにしていること、もうひとつは原子力発電所が止まるので揚水発電所がフルには使えないこと、です。(続)

五味馨 @keigomi29

(承前)　では、仮に3月時点での供給力が今夏まで続くとして、需給はどうなるか。2011年夏の関西電力管内の最大電力は8月9日の2784万kWでした。これは2010年の最大電力3095より約13%割小さく、節電で約120減で、あとは気温が低かったことが理由とされています(続)

五味馨 @keigomi29

(承前)　関西電力の2011年夏の実績とその分析は同社資料http://t.co/708etl05によります。では、2012年夏の需要が2011年と同じような状況で、供給力はこの3月以降一定とすると、最大電力2784に対して供給力2265と、23%足りません　(続)

五味馨 @keigomi29

(承前)　23%、値では約520万kW足りない計算になります。最近の原子力発電所なら約5基分ですね。(ちなみに関西電力の原子力発電所の総出力は977万kW) 繰り返しますが、これは「すでに節電が行われていた」2011年夏の需要状況でも23%足りない、ということです。(続)

五味馨 @keigomi29

(承前)　また前掲の関電資料によれば、2011年7・8月で最大電力の実績が2265を「超えなかった」日は15日しかありません。残りの47日間は、電力需要が2265を超えていました。9月の前半は2200以下の日が多いのですが、中旬以降ではまだ2200を超えるが日あります(続)

五味馨 @keigomi29

(承前)電力各社は融通しあっていますから、他社の供給力が足りていれば融通を受けることが出来ますし、実際そうなるでしょう。が、昨夏と比べてかなり厳しい状況である、具体的には2割程度供給力が足りない、とは言えそうです。繰り返しますが、すでに節電していた昨夏と比べて、です。(続)

五味馨 @keigomi29

(承前)　もちろん、この問題は関西電力にとって、また同社と融通しあっている他社にとっても、大問題です。おそらく、そのうち経済産業省あたりから方針が出てくるはずですので、その時にはまたお知らせします。(了)

五味馨 @keigomi29

【まとめ】　関西電力、この3月の供給力＋昨夏の需要状況で考えると、(1)需要が供給力を超える日が7・8月で47日間ある(2)最も不足する日は23%足りない(3)節電だけで乗り切るには、昨夏の節電に加え、さらに25%程度の節電が必要になる、という勘定になります。