肥料問題・生命と切り離せないリン資源

重要なのに認知度の低い肥料の問題について山本敏晴さん @yamamoto1208 が連続ツイート。貴重なご意見をまとめました。 日本では生活排水に多量の窒素やリンが含まれています。 現状、下水処理場では電気などのエネルギーを投入して脱窒素、脱リンを行っていて、ほとんど再資源化されていません。
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山本敏晴 @yamamoto1208

日本は(農業のための化学肥料となる)リン鉱石を100%輸入に依存。産出国はモロッコ、中国、ヨルダンなど。モロッコのリン鉱石は、あと30年で枯渇する可能性。既にアメリカ(フロリダなど)のリン鉱石は枯渇。リン鉱石は増え続ける世界人口が要求する莫大な穀物生産を可能にするために必要な資源

2012-01-24 10:59:56
山本敏晴 @yamamoto1208

リン鉱石(phosphate ore)とは、工業原料として利用可能なリンを採取できる、リン酸塩鉱物を主成分とした鉱石。3種類の鉱床。1)化石質鉱床(アメリカ、モロッコ、ヨルダンなど)。2)グアノ(鳥糞石)鉱床(ナウルなど) 。3)火成鉱床(ロシアのコラ半島など)。

2012-01-24 11:00:21
山本敏晴 @yamamoto1208

肥料及び肥料原料をめぐる事情。平成21年8月(2009年8月)農林水産省。化学肥料、リン鉱石、可採年数など。 http://t.co/v1FvFWq1

2012-01-24 11:00:43
山本敏晴 @yamamoto1208

化学肥料に関する農林水産省のコメント。国内で使用される化学肥料は、化石資源やりん鉱石(リン鉱石)、加里鉱石等の鉱物資源を原料としており、日本はその全てを輸入に依存。また、尿素やりん安(リン安)等の製品や中間製品の形態でも、相当量を輸入。

2012-01-24 11:01:11
山本敏晴 @yamamoto1208

リン酸アンモニウム。化学式は(NH4)3PO4。広義には下に示す二つの水素塩。①リン酸水素二アンモニウム。化学肥料に用いられる。燐安(リン安)とも呼ばれる。リン鉱石から生産。②リン酸二水素アンモニウム。粉末消火器に用いられる。

2012-01-24 11:01:33
山本敏晴 @yamamoto1208

化学肥料(chemical fertilizer)の分類。まず、農作物の三大栄養素は窒素、カリウム(加里)、リン酸(リン鉱石から生成)。①複合肥料。三つのうち二つ以上を含むもの。②化成肥料。一つの粒の中に3者を含むもの。③配合肥料。三つの成分を、単純に混ぜ合わせただけのもの。

2012-01-24 11:02:04
山本敏晴 @yamamoto1208

リン鉱石(及びその派生物)の日本への輸入。リン鉱石(リン酸カルシウム)は、①そのまま輸入。②硫酸を加え、過リン酸石灰として輸入。③まずリン酸液とし、そこにアンモニアを加え『燐安(リン安)』として輸入。戦後は②が中心だったが、現在は③が中心。いずれにしても植物の成長にリンは必須。

2012-01-24 11:02:27
山本敏晴 @yamamoto1208

総リン酸肥料の生産量(リン鉱石とその派生物等。2001年、国連食糧農業機関(FAO))①アメリカ23%、②中国22%、③インド12%。④ロシア7%。⑤ブラジル4%。消費量は、①中国27%、②インド13%、③アメリカ13%、④ブラジル8%、⑤オーストラリア4%。

2012-01-24 11:02:54
山本敏晴 @yamamoto1208

リン鉱石。世界の持続可能性を考える上で、最も重要な物質の一つ。世界人口の増加と、豊かな生活への欲求(穀物食から肉食への移行)のため、(牛などの家畜を育てるには人間が穀物をそのまま食べるより5~20倍の穀物を消費するため)穀物消費量は急増。化学肥料となるリン鉱石が近年、急速に枯渇。

2012-01-24 11:03:15
山本敏晴 @yamamoto1208

化学肥料は高い農業生産に必須だが、世界に資源が『遍在』。①リン鉱石は中国、米国、モロッコ等の上位4か国で世界の7割以上を産出。②塩化カリウムはカナダ、ロシア、ベラルーシ等の4か国で世界の7割以上を産出。また『供給タイト化』。

2012-01-24 11:03:41
山本敏晴 @yamamoto1208

リン鉱石の不足。 需要側:①世界人口増加。②新興国の食生活変化。肉食増。その餌の需要。③バイオ燃料需要(米国、ブラジル)。 供給側:①資源の遍在。中国、米国、モロッコ等。②供給タイト化。中国が国内需要優先。③硫黄(りん鉱石の加工に使用)の価格高騰。④気候変動。⑤投機マネーの影響。

2012-01-24 11:04:35
山本敏晴 @yamamoto1208

リン鉱石の枯渇。豊かな生活を求める新興国(BRICs等)の食生活の変化。肉食化。肉1kg生産に必要な穀物量は、牛肉の場合11kg、豚肉の場合7kg、鶏肉の場合4kg。つまり毎日仮に2100キロカロリーを食べようとする場合、肉類ではなく穀物をそのまま人間が食べた方が資源の枯渇を防ぐ

2012-01-24 11:05:01
山本敏晴 @yamamoto1208

リン鉱石の産出量・埋蔵量(農林水産省)。①りん鉱石は、中国、米国、モロッコ・西サハラの3か国で世界の産出量の7割弱。②経済埋蔵量(経済合理性の判断のもと採掘対象となる資源)と2008年産出量から可採年数を推計すると、りん鉱石は約90年。

2012-01-24 11:05:31
山本敏晴 @yamamoto1208

リン鉱石の埋蔵量・産出量・可採年数(農林水産省)。①基礎埋蔵量は470億トン。②経済埋蔵量(可採可能量)は150億トン。③産出量(2008年)は1.67億トン。②を③で割ると約90年。今後、世界人口増加と食生活の肉食化のため需要が増加するため、実際は約70年でリン鉱石は枯渇する。

2012-01-24 11:06:13
山本敏晴 @yamamoto1208

緑の革命(Green Revolution)とは、1940年代から1960年代にかけて高収量品種の導入や化学肥料の大量投入などにより穀物の生産性が向上し、穀物の大量増産を達成したこと。1968年に米国国際開発庁のWilliam Gaudが作った造語。ロックフェラー財団が資金援助。

2012-01-24 11:14:59
山本敏晴 @yamamoto1208

緑の革命の問題点は、1)穀物メジャーから種を買う必要。2)大量の化学肥料と農薬を使い続けなければ収穫量を維持できない。その購入コストで豊作貧乏。3)化学肥料の元、リン鉱石等が各地で枯渇。4)化学物質による土壌汚染・公害。5)遺伝子組み換え作物の環境への問題。6)在来種の駆逐・絶滅

2012-01-24 11:15:23
山本敏晴 @yamamoto1208

世界最大の問題だと思っているのは、1)人口増加と、2)より豊かな生活を求める人間の性質(それによる経済発展)から生じる、『資源の枯渇』。A)エネルギー源(石油等)、B)水(清潔で安価な淡水)、C)リン鉱石(人口増加を支えるための高い農業生産に必須)、のいずれも数十年で足りなくなる

2012-01-24 11:16:06
山本敏晴 @yamamoto1208

地球上で採掘されるリン鉱石の量は年間約1億5千万トンで、世界の食塩生産量よりも多い。既に品質の良いリン鉱石であったグアノは世界中で掘り尽くされた。主要産出国ではリン鉱石の輸出を規制する動き。リン資源の枯渇は地球的規模での農業生産に深刻な打撃を与え、人類の生存そのものにも重大な危機

2012-01-24 11:16:59
山本敏晴 @yamamoto1208

「持続可能な社会」を作りたい場合、最大の障害が「世界人口の増加」。西暦0年の人口は3億人で、以後千年以上、数億人で横ばいだった。しかし1760年代からの産業革命により人口は爆発的に増加。1810年に10億を突破すると、わずか200年の間に70億。国連世界人口予測は2090年に百億

2012-01-24 11:19:36
山本敏晴 @yamamoto1208

世界最大の問題が人口増加。ところが防げない理由は、1)キリスト教イスラム教の教派のいくつかが避妊に反対。旧約聖書に「産めよ増やせよ地に満ちよ」。2)性行為は本能。3)子は宝。4)女性の権利の一つに「出産は女性自身の判断」。5)子どもを助けるような仕事だけに国際協力に関わる人が集中

2012-01-24 11:20:16
山本敏晴 @yamamoto1208

アフリカで人口が増える理由。1)男児は十歳前後で性交開始、2)女子は初潮の直後から出産開始、3)部屋が一つのため両親の性交を幼少時から見る、4)他の娯楽がないので夜は性行為、5)子は宝、一族繁栄は良いこと、6)宗教が「産めよ増やせよ」、7)多民族国家では自民族を増やすと選挙で有利

2012-01-24 11:21:32
山本敏晴 @yamamoto1208

将来資源が枯渇し資本主義社会が壊滅した時初めて「人口増加と市場経済の暴走は間違いだった」と世界の人が気づく。その時「世界人口規制条約」ができる可能性があるがその頃までにインド・アフリカ諸国の人口が激増。21世紀末の時点での各国の人口が基準に。今から少子化をすると馬鹿をみる可能性も

2012-01-24 11:21:38
山本敏晴 @yamamoto1208

国連人口基金(UNFPA)の本当の仕事は「人口爆発」を止めること。しかし人口抑制策は避妊具の使用、中絶の容認など宗教の教義とぶつかるため世界的な合意が得られない。このため「女性の出産間隔を広げると妊産婦死亡率と乳児死亡率が減る」と言って間接的に人口増加速度を抑える戦略をとっている

2012-01-24 11:22:29
山本敏晴 @yamamoto1208

世界で人口減少が進んでいるのは、イタリア、ドイツ、ロシア、韓国、日本など。ロシアは第二子を授かった保護者に助成金を。成功例と言われるフランスは、国からの助成金・企業からの産休育休支援・公共施設無料化・ベビーシッター代金の税金控除などの総合対策。また(未婚の母等の)婚外子への支援も

2012-01-24 11:23:03
山本敏晴 @yamamoto1208

女性が一生のうちに産む子どもの数が少ない(少子化の)国または地域はどこか?合計特殊出生率でみると、1)マカオ0.91(中国の少子化政策)、2)香港0.97、3)ベラルーシ1.20、4)韓国1.21、5)ウクライナ1.22、6)ポーランド1.23。ちなみに日本1.34、中国1.73

2012-01-24 11:23:17