押川先生による「高木学校・トンデル氏、ワリンデル氏講演会」補足情報ツイートまとめ

東京大学・物性研究所の押川正毅教授が1月28日にあったトンデル、ワリンデル両氏の講演について、詳細な補足ツイートをされたのでまとめています。
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Masaki Oshikawa (押川 正毅) @MasakiOshikawa

高木学校講演会感想[4]以前も書いた http://t.co/UP7RvFgf が、普通の科学研究ならば、類似の研究がいくつも出てきて段々結論に収束してくる。しかし、チェルノブイリについてトンデル氏らと同様の手法で同程度のクオリティの研究は今のところ他に一つも無いだろう。

2012-01-29 23:38:39
Masaki Oshikawa (押川 正毅) @MasakiOshikawa

高木学校講演会感想[5]しかし、チェルノブイリは25年前の事故であり、これからトンデル氏らのものに比肩しうる研究が出てくるのは絶望的である。(福島事故についてはトンデル氏らのレベルを超える科学研究は原理的には可能だろうが、研究体制の現状を見るとあまり期待できないような…)

2012-01-29 23:42:54
Masaki Oshikawa (押川 正毅) @MasakiOshikawa

高木学校講演会感想[6]仮にトンデル論文の結果が正しいとしても福島事故では状況の違いは多く、そのまま適用できるものではない、のは確か。しかし一方で、主に広島原爆の追跡調査等に立脚したICRPリスクモデルが適用できるのか?についても同様に疑問あるいは不確定性は大きい。

2012-01-29 23:48:16
Masaki Oshikawa (押川 正毅) @MasakiOshikawa

高木学校講演会感想[7]このように、科学的には一言で言えば「よくわからない」状況で、日本は事故による放射能汚染という現実を付きつけられている。それからすると、トンデル氏の研究も、のんびりと言うか迂遠にも見える。もちろん、トンデル氏を責めているわけではなく、科学の限界なのだろう。

2012-01-29 23:53:33
Masaki Oshikawa (押川 正毅) @MasakiOshikawa

高木学校講演会感想[8]というわけで、放射能汚染のリスク評価には、狭義の科学的方法の優位性は高くない。狭義の科学に限定せず、ジャーナリズムや歴史学的な方法による知見も活用するべき、という私が9月のシンポ http://t.co/NPLP1BJm で主張した考えが改めて強まった。

2012-01-30 00:00:14
Masaki Oshikawa (押川 正毅) @MasakiOshikawa

高木学校講演会感想[9]トンデル氏からはあまりそういう問題意識は感じられず、ともかく科学者として問題に興味があるという印象であった。まあ一般に科学者はそんなものだし、トンデル氏は放射能汚染と言う難問に科学で可能なギリギリのところで頑張ってくれている貴重な存在と思う。

2012-01-30 00:05:21
Masaki Oshikawa (押川 正毅) @MasakiOshikawa

高木学校講演会感想[10]まあ、仮にトンデル氏に科学の限界や放射能汚染の社会的側面に関心があっても、表には出さないかも。私が彼の立場でもそうする気がする。せっかく科学研究の枠内で知見を得たのに、科学以外の面からの発言をすると、科学研究の部分も科学でないと見られるかもしれない。

2012-01-30 00:11:05
Masaki Oshikawa (押川 正毅) @MasakiOshikawa

高木学校講演会感想[11]っていうか、トンデル氏は現にあれだけ慎重な態度で科学的な研究をしているのに、氏にほとんど言いがかりとしか言えないような批判(?)をする科学者が多いのは何なのでしょうかね?

2012-01-30 00:15:18