押川正毅さんによる『トンデル氏・ワリンデル氏講演会』覚え書き

高木学校特別講演会 チェルノブイリ原発事故とスウェーデンにおける被ばく影響 ★マーチン・トンデル氏(スウェーデン ヨーテボリ大学 労働環境医学) チェルノブイリ原発事故によるスウェーデン人の被ばくと悪性腫瘍追跡調査方法 続きを読む
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Masaki Oshikawa (押川 正毅) @MasakiOshikawa

高木学校講演会[9.5]さきほどのTwで言い忘れたが、Cs-137が数千Bq/kg(?)というのは汚染が最も酷い地域のトナカイ飼いについてだったはず。

2012-01-29 17:22:13
Masaki Oshikawa (押川 正毅) @MasakiOshikawa

高木学校講演会[10]「トナカイ飼い」については1960年代からのデータも提示。大気中核実験が行われていた1960年代の体内Cs-137のピークは、チェルノブイリ事故後の汚染地域と同程度。ただし、土壌汚染の程度は(汚染地域では)チェルノブイリの方が酷かった。(続く)

2012-01-29 17:35:11
Masaki Oshikawa (押川 正毅) @MasakiOshikawa

高木学校講演会[11] さきほどの結果は、チェルノブイリ事故後はトナカイ肉にも制限がかけられ、セシウム汚染の酷いトナカイはかなりの量が食用に供されず処分されたから、との説明。もし制限がなかったら体内汚染ももっと上がっていただろう、とのこと。感想:制限してあれか?)

2012-01-29 17:38:15
Masaki Oshikawa (押川 正毅) @MasakiOshikawa

高木学校講演会[12] チェルノブイリ後の汚染地域の猟師や農家についても体内Cs-137のデータを提示。トナカイ飼い>猟師>農家>スウェーデン平均 という、理解しやすい結果。ただし、汚染地域の猟師や農家で平均の10倍以上(?)、トナカイ飼いが100倍以上(?)と桁が違う!

2012-01-29 17:42:27
Masaki Oshikawa (押川 正毅) @MasakiOshikawa

高木学校講演会[12] 2004年・2006年の論文については既に紹介されているのでここでは省略。ただ、トンデル氏の研究の経緯についての話も面白かったので、以下紹介。

2012-01-29 17:46:40
Masaki Oshikawa (押川 正毅) @MasakiOshikawa

高木学校講演会[13](これは質疑応答部分での話ですが)スウェーデンのCs-137汚染マップは、チェルノブイリ事故直後に航空機モニタリングで作成された。これは、スウェーデンが核戦争に備えて国家的な準備が整っていたため、とのこと。(感想:一方、わが日本政府は…)

2012-01-29 17:51:19
studying @kotoetomomioto

押川さん相当いろいろ聞いてきたんだなあ、、w

2012-01-29 17:47:43
Masaki Oshikawa (押川 正毅) @MasakiOshikawa

いや、今つぶやいてるのは講演会中に聞いた話で、講演会後に聞いた話は他にあります:-) RT @study2007: 押川さん相当いろいろ聞いてきたんだなあ、、w

2012-01-29 17:53:23
studying @kotoetomomioto

え〜w、ますますうらやまし杉www @MasakiOshikawa いや、今つぶやいてるのは講演会中に聞いた話で、講演会後に聞いた話は他にあります:-) RT @study2007: 押川さん相当いろいろ聞いてきたんだなあ、、w

2012-01-29 18:04:01
Masaki Oshikawa (押川 正毅) @MasakiOshikawa

高木学校講演会[14]このようにスウェーデンではチェルノブイリ事故直後から汚染状況が把握されていた。これを踏まえ、専門家がトンデル氏の指導教員を訪ね、早い段階から疫学調査の計画を立て始める。トンデル氏が研究に参加したのは1993年。(チェルノブイリ当時はまだ大学入学前かな?)

2012-01-29 17:59:06
Masaki Oshikawa (押川 正毅) @MasakiOshikawa

高木学校講演会[15](感想: トンデル氏らの論文で1986-1987のがん発生件数が、事故の影響がない参照データとして利用されている。これは、事故直後の素早い計画の立ち上げのおかげだろう。一方、原理的には過去のデータを遡ることもできるかもしれないが、この点は質問し忘れた。)

2012-01-29 18:06:53
Masaki Oshikawa (押川 正毅) @MasakiOshikawa

高木学校講演会[16] 第二部は、ワリンデル氏。原発におけるリスク要因として、燃焼や爆発を指摘。(←チェルノブイリや福島を見れば明らかですが)。これらの危険性は、酸素濃度が低いほうが抑えられる。そのため、スウェーデンの原発建屋内主要部分は酸素濃度を15%に低減している。

2012-01-29 18:16:24
Masaki Oshikawa (押川 正毅) @MasakiOshikawa

高木学校講演会[17]一方、そのような環境で働く労働者への健康影響はないのか?という問題もあり、ワリンデル氏はそれについての研究にも従事。地上で酸素濃度15%というのは、酸素分圧的には高山(2000m級)と同程度であり健康に重大に影響はないとされている(←私の雑な解釈)

2012-01-29 18:23:35
Masaki Oshikawa (押川 正毅) @MasakiOshikawa

高木学校講演会[18]しかし、酸素濃度への応答には個人差もあり、安全なレンジは酸素濃度が19%以上(かつ22%? 23%? 以下)。(ワリンデル氏の最終的な主張がはっきり把握できなかったが、15%の原発建屋内での労働はあまり安全とは言えない、という理解で良いのかな?)

2012-01-29 18:27:07
Masaki Oshikawa (押川 正毅) @MasakiOshikawa

高木学校講演会[19]ワリンデル氏、原発労働者の被曝や、発がん率の疫学調査についても議論。スウェーデンの原発労働者の被曝の集団線量は、ここ20~30年でそれほど低下しておらず、逆に増加した年もあった。これは、老朽化した原発の改修に従事した労働者がいたため。

2012-01-29 18:32:19
Masaki Oshikawa (押川 正毅) @MasakiOshikawa

高木学校講演会[20]スウェーデン原発労働者の最近の集団線量は、数 人Sv/年(?) 程度。一人あたりの被曝線量は1mSv/年ちょっと、世界平均(2mSv/年)よりは低い。最高に被曝した労働者で、15mSv/年くらい。(感想:日本でも福島事故前は公式記録では同程度だったと思う)

2012-01-29 18:36:28
Masaki Oshikawa (押川 正毅) @MasakiOshikawa

高木学校講演会[21](感想:これを見ても、日本で福島事故後に子どもにも上限20mSv/年を適用、というのは酷過ぎだよなあ。)

2012-01-29 18:39:39
Masaki Oshikawa (押川 正毅) @MasakiOshikawa

高木学校講演会[22]ワリンデル氏、原発労働者の発癌率について、Cardisらによる15ヶ国疫学調査のレビュー http://t.co/1IosisoD を紹介。今中氏は「Cardis 疫学調査」の検索で日本の放射線関係者の反論が山のように見つかる、とコメント(実際そうだった)

2012-01-29 18:47:21
Masaki Oshikawa (押川 正毅) @MasakiOshikawa

高木学校講演会[22.5] なお、Cardisらによる15ヶ国疫学調査のレビューでは、総計40万人強の原発労働者の調査から、長期低線量被曝でも発がんリスクがあること、またそのリスクは従来の標準的なリスクモデルよりも大きい可能性があることを示唆している

2012-01-29 19:07:20
Masaki Oshikawa (押川 正毅) @MasakiOshikawa

高木学校講演会[23]ワリンデル氏自身、所属するウプサラ大学から100km程のフォッシュマルク原発の労働者の疫学調査に関わった。原発労働者の数は1,000人のオーダー。一般人口に関する発がん率から期待される発生件数に対し、実データは1.4倍!とかなり影響があるようだが…

2012-01-29 18:54:17
Masaki Oshikawa (押川 正毅) @MasakiOshikawa

高木学校講演会[24] これでも統計的には有意でない。95%CIだとRRの下限が0.82(?)だったかな。(まあサンプル数が1,000人のオーダーではよほど影響が大きくないと何も言えないってことですね。というわけで、疫学研究の難しさを改めて印象づけられるお話でした。)

2012-01-29 18:57:45
Masaki Oshikawa (押川 正毅) @MasakiOshikawa

高木学校講演会[25]トンデル氏の講演(書き忘れ補足)チェルノブイリ事故の影響が確定している例として、小児甲状腺がん。私が浜松で紹介した http://t.co/8v37MwqA のと同じグラフを紹介。研究当初は5年で影響が出るはずが無く被曝とは無関係との論が強かった、とのこと。

2012-01-29 19:15:12
Masaki Oshikawa (押川 正毅) @MasakiOshikawa

高木学校講演会[26]トンデル氏はチェルノブイリ事故後の周辺国での小児甲状腺がんが当時の予想より早く出た原因として、現地児童のヨウ素欠乏症やI-131に汚染された牛乳を飲んだこと等を挙げていた。(感想:この点福島では多少状況は良いだろうが、十分な対応があったとは言えないだろう。)

2012-01-29 19:20:33

     ☆   ☆   ☆

Masaki Oshikawa (押川 正毅) @MasakiOshikawa

高木学校講演会後[1]講演会の話、補足なので簡単に終わるかと思ったら、ずいぶん長くなってしまった。twitterで報告するには内容が多すぎたか。ここからは、講演会終了後に主にトンデル氏から伺った話。

2012-01-29 21:10:41
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