茂木健一郎さん連続ツイート2012年2月1日。 + 「英語を生きる」ための素材 (シリーズ)

「英語を知るんじゃんくて、英語を生きようよ」 と 「英語を生きる」ための素材 (シリーズ)
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茂木健一郎 @kenichiromogi

「連続ツイート」をお届けします。文章は、その場で組み立てながら即興的に書いています! 本日は、いわゆるエイゴというものについて。

2012-02-01 07:03:29
茂木健一郎 @kenichiromogi

ええ(1)TOEICをやっても意味がない、と書いたら、いろいろ反響があった。TOEICそのもの、あるいはその対策で「儲けて」いる方々もいるわけだから、人の商売の邪魔をしたくはないけれども、やはり、あのような語学試験には、根本的に邪悪な側面があると思う。

2012-02-01 07:04:53
茂木健一郎 @kenichiromogi

ええ(2)今読んでいるBabel no moreという本に面白いことが書いてあった。たくさんの言葉を喋るpolyglotのこと(とりわけ、伝説的なMezzofantiという人物)について書かれているのだが、外国語を習得するということがどういうことかについて考えさせられる。

2012-02-01 07:06:51
茂木健一郎 @kenichiromogi

ええ(3)ある言語学者の見解として、単にある言語を「知っている」だけでは、本当の話者とは言えない。本当の話者と言えるためには、その言語を「生きて」いなければならない。英語で言えば、英語を知っているのではなく、英語を生きていなければならないのだ。

2012-02-01 07:08:12
茂木健一郎 @kenichiromogi

ええ(4)英語を生きるとは何か? 私には忘れられぬ体験がある。普通に中学3年間で英語を学び始め、成績は実は抜群に良かった。高校1年の時に、カナダのヴァンクーバーに一ヶ月語学研修に行った。ホストファミリーのお母さんが、迎えにきた。どんな家だろうとどきどきした。

2012-02-01 07:09:25
茂木健一郎 @kenichiromogi

ええ(5)家についたら、いきなり二人の男の子がとびついてきた。ランディーとトレヴァー、当時それぞれ10歳と8歳。いきなり、「ケン、人生ゲームをして遊ぼう」という。あとで分かったのだけど、ホストファミリーとしては、子どもたちの遊び相手としても期待していたらしい。

2012-02-01 07:10:23
茂木健一郎 @kenichiromogi

ええ(6)それからの一時間ほどは、人生でもっとも大変な試練だった。子どもは、ぼくが英語がうまいとか、ヘタだとか、一切気にせずに、容赦なくいろいろ話してくる。しかも人生ゲーム。結婚とか就職とか、そんなことについて気の利いたことを言わなければならない。マックスがんばった。

2012-02-01 07:11:26
茂木健一郎 @kenichiromogi

ええ(7)振り返って思うのは、ランディー、トレヴァーと人生ゲームをするまで、私は「英語を生きる」ことがなかったということ。会話を重視する、という意味ではない。英語圏の文化や価値観に触れて、その中で生きて見なければ、英語なんてやっても仕方がないということである。

2012-02-01 07:12:48
茂木健一郎 @kenichiromogi

ええ(8)昨日アサカルに来た芸術系の学生が持っていた英語教材を見て、あまりのひどさに絶句した。ミスターイトーがどうしたとか、いかにも作った不味い文章。おれは怒って、ほら、flipboardで最新のニュース見ろよ、Moby DickだってAnneだって何でも読めるぞ、とけしかけた。

2012-02-01 07:14:20
茂木健一郎 @kenichiromogi

ええ(9)TOEIC対策なんかやっても、「英語を生きる」ということに全く寄与しない。オレだったら、一秒たりともそんなもんに費やす時間はない。だって、英語圏にしかない、面白い「生の素材」たくさんあるんだぜ。脂を抜いちゃった秋刀魚のような、二流の不味い英語読んでいると、マジ魂腐るよ。

2012-02-01 07:16:00
茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、「英語を知るんじゃなくて、英語を生きようよ」の連続ツイートでした。

2012-02-01 07:16:25

「英語を生きる」ための素材

茂木健一郎 @kenichiromogi

あー、「つまらない英語教材なんか使うな!」とツイートした手前、今日から一日一個、私がお薦めの英語素材をご紹介します。どれくらい続くかわからないけど、マジでTOEICとかむかつくしぃ。

2012-02-01 07:17:49
茂木健一郎 @kenichiromogi

「英語を生きる」ための素材 001 The Economist (http://t.co/hIOmyZSN)。世界の経済や政治、文化についての的確な分析はいつも参考になる。特定の事実や立場に偏るのではなく、フェアでバランスのいい解析とヴィジョンを提示する精神は学ぶべきです。

2012-02-01 07:21:14
茂木健一郎 @kenichiromogi

「英語を生きる」ための素材 002 Ali G, チョムスキーをインタビュー。 (http://t.co/X2dAVUQD)。 Sacha Baron Cohen演ずるAli Gが、世界的言語学者と言葉の舞踏。Ali Gが体現しているユーモアのアングルこそが、英語圏文化の精華。

2012-02-02 07:38:00
茂木健一郎 @kenichiromogi

「英語を生きる」ための素材 003 Derek Sivers: How to start a movement。 (http://t.co/2qGSpOJ2 )。 今や「古典」となったTEDのtalk. @hatoyamayukio さんが「裸踊り」と紹介して有名に。

2012-02-05 07:46:33
茂木健一郎 @kenichiromogi

「英語を生きる」ための素材 004 イギリスのコメディアン、Steve Cooganは人間の凡庸さや偏見を描くと天才。代表的キャラクター、Alan Partridgeが政治討論を仕切る設定のこのスケッチは傑作で、何度見ても面白い。(http://t.co/c9TXS0e8

2012-02-06 07:57:43
茂木健一郎 @kenichiromogi

「英語を生きる」ための素材 005 Katherine MansfieldのThe Garden Party。 http://t.co/cqWIJPfW 本当に素晴らしい短編小説。ローラの心の揺れ動き。人々の冷淡と温かさ。最後にローラが見た光景は、人間存在の恐ろしい真実に触れる。

2012-02-07 06:41:37
茂木健一郎 @kenichiromogi

「英語を生きる」ための素材 006 Anne of Green Gables. http://t.co/hArcf8pn 小学校で村岡花子訳の『赤毛のアン』を読んで感激し、シリーズ全部読破。高校のとき、原書でふたたび全部読んだことが、英語力の飛躍のきっかけになりました。名作。

2012-02-09 07:12:30
茂木健一郎 @kenichiromogi

『赤毛のアン』には、気付かないようないろいろな秘密があって、改めて(特に第一作のAnne of Green Gables)は名作だと思います。その謎解きをしたのが、『赤毛のアンに学ぶ幸福になる方法』(講談社文庫)です。

2012-02-09 07:13:48