ブルートレイン

ooharak @ooharak

父が俺たちを連れて九州に帰省するとき、大抵ブルートレインに乗った意味を考えている。

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父にとっては確か、上京の手段だったはずだ。故郷に錦を飾るというのか、過去の自分にタイムスリップするとかそういう意味があったのかもしれない

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そして今、振り返るとブルトレが自分の思い出の重要な位置を占めている。親から子へ受け渡されるものは親のすべての何百分の一かもしれないが、こうやって何かのひっかかりが世代をこえて伝わっていくのだと思いつつ妻子ない

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色々模型を見てみたけどTOMIX社のは２段ベッドに上がる「はしご」が再現されてない。あれはああいう車両もあったのだろうか。実際に乗った経験のある人ならばおの「はしご」にかなり思い入れはあると思うんだけど

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一方、KATO社のにはきちんとはしごが再現されている。（開いた状態で固定っぽいのは残念だが）もしかしたら模型も日々進化しているのかもしれないので、あのはしごは重要だということを知らしめたい、というほど関心を呼ぶものでもなかった

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固定資産はいつか壊れていくものだけど鉄道はある程度長期に運行されるものだからと油断していると、「あさかぜ」号はいつのまにか廃止になっていた。車両はタイ国鉄に譲渡されたんだとか。

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川崎市内からだと始発駅の東京ではなく、横浜で乗るのが一番近いのだった。東横線で当時はまだ２階にあった横浜駅ホームを降りて、左の国鉄改札へ。あれは昔から地下だっただろうか？

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列車が出るとほどなく、軽快なオルゴール音につづいて、車掌の穏やかな声がこれからの停車駅を読み上げる。熱海には19:58, 浜松には21:57, ...

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追憶ってなマボロシだ、

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ある場所にある時間帯に訪れた経験は、その場所をその時間帯で記憶することにつながっている。昔、ブルトレの記憶から、名古屋・大阪は深夜のプラットフォームのイメージだった。小郡あたりは早朝の田園というイメージ。

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車掌の柔らかな車内放送が読み上げるエキゾチックな駅名が、その場所にバインドされたイメージを強化する。なんかこれプルーストくさいな。

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で現代に戻ると、今の子は新幹線じゃそういう土地の名にイメージを結びつけづらいので、飛行機でそういうイメージを持てるようになるために英語勉強しろ

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未来の追憶のために今から英語を勉強していますって老成っぽくてちょっといいじゃないか。