藤本由香里ゼミ卒論発表会 まとめ読み用(感想)

@iwa_jose さんと @shigureya さんが発表会全体についての感想をツイートされていたのでまとめてみました   藤本由香里ゼミ卒論発表会 まとめ読み用(1日目) http://togetter.com/li/260404 藤本由香里ゼミ卒論発表会 まとめ読み用(2日目) 続きを読む
2

@iwa_jose さんの感想

H.イワシタとラカクーニ @iwa_jose

基本的に良く調べている。これはもうそれだけで評価できるし、ポピュラーカルチャーの要にディシプリンが不確かな領域を扱う際に、良い意味でこれ以上手っ取り早い正着の手はない。ここは全面的に評価すべきだし、ひたすら感心した。その一方でフレームワークはぼくも感じた。 #藤の素

2012-02-23 23:14:34
H.イワシタとラカクーニ @iwa_jose

もっとも、これはかなり高い要求というか、つい研究者として遇してしまいたくなるくらい土台としての調査がしっかりしているということ。問いの立て方ともつながるけど、なぜこの対象や取り上げるのか、データを取り扱う適切な切り口はなんなのか。 #藤の素

2012-02-23 23:19:11
H.イワシタとラカクーニ @iwa_jose

マンガをはじめポピュラー文化は分析の手法に関する蓄積が薄い。だからこそ地道な調査こそが突破口になるのだけど、理論は理論で築いていく必要があって、その為には余の学問領域から学ぶ必要がある。その辺りの考え方のバックボーンが見えにくかった。 #藤の素

2012-02-23 23:24:19
H.イワシタとラカクーニ @iwa_jose

まあ、要するに自分がどんな立場から対象を見ているのか、をちゃんと説明できるようにしておくというのが大切だと思う。方法的意識があるというのはそういうことだし、客観的になるというのは、あらゆる立場から離れたメタな位置に立つことでなく、自分の立場性を適切に捉えることなのだ。 #藤の素

2012-02-23 23:28:45
H.イワシタとラカクーニ @iwa_jose

ぶっちゃけ自分の卒論(暗黒歴史)の何倍も優れたものが多かったと思う。 #藤の素

2012-02-23 23:37:08

@shigureya さんの感想

日高利泰 @shigureya

帰ってからも読書会などが連続であって、落ち着いて感想を書く余裕もなかったので、遅ればせながら藤本ゼミの卒論発表会について呟いていこうかと思います。一応ハッシュタグ付けた方がいいのかしらん。

2012-02-23 22:05:24
日高利泰 @shigureya

まず第一に思うのは、一次資料へのアクセスという原則が非常に強く指導されていて、かつ学生側がきちんとそれに応えている点がすごい。出来てないっぽい人も中にはいるけど、出来てる人の出来てる感が尋常じゃない。この人たちの仕事量はプロと比肩しても遜色ないと思う。(お世辞ではなく)#藤の素

2012-02-23 22:10:27
日高利泰 @shigureya

しかも、話を聞けば、卒論に向けての調査もかなり短期間でやっていて、普段から資料調査の訓練を受けてるというのがよくわかる。2年生ゼミなどでマンガ誌のデータ拾いをやらせていたり、そういう蓄積が確実に活きているんだと思う。資料を繰り続けることへの抵抗感がないというのが重要。#藤の素

2012-02-23 22:14:02
日高利泰 @shigureya

やっぱり実際に作業を積んでいると、史料操作(ニュートラルに取り扱うの意味)のコツが体得されているんだと思う。そのスピードで確実にデータを拾っていけるという点に関しては、私も弟子入りしたいくらい。#藤の素

2012-02-23 22:16:21
日高利泰 @shigureya

もうひとつすごいなぁと感じたのは、他の人も云ってますが、プレゼンの仕方が上手だし、発表慣れしている感じ。論文そのものの出来も大事ですが、「発表会」である以上は「見せ方」も重要。その点がよく解かってるなぁと。あと時間通りおさめれば完璧。#藤の素

2012-02-23 22:21:05
日高利泰 @shigureya

と、ここまでは良い点についての言及でしたが、次からはお小言ターンです。けなしたい訳ではなくて、基本がすごくよくできているのでもったいないという話です。ここが出来れば完全な意味でプロにも「勝てる」論文になるはず、という気持ちで書きます。高評価は揺るがない前提です。#藤の素

2012-02-23 22:27:07
日高利泰 @shigureya

全体的な印象として感じたのは、問いのたて方のまずさ。なぜ○○なのか?式の立論が多かった気がしますが、ある事象に対して因果的な説明を立証するのはかなり難しい。プロの研究者の論文でもきちんとできていないものが結構多い。#藤の素

2012-02-23 22:29:50
日高利泰 @shigureya

素朴な疑問として「Aはなんで○○なんだろう?」というところからスタートするのはいいけども、そのままでは検証可能な命題にはなってない場合が多い訳です。このモヤモヤした問いを、よりクリアになるべく検証可能な形にバージョンアップさせていく必要があります。#藤の素

2012-02-23 22:32:26
日高利泰 @shigureya

問いをクリアにするというのとつながるのですが、対象を絞るというのも大事です。一人でやる仕事だし時間的な制約もある訳ですがら、出来ることには限界があります。出来る範囲でベストを尽くすしかない。それに合わせて問いの方も、ある種の限定を加えていく必要があります。#藤の素

2012-02-23 22:35:24
日高利泰 @shigureya

自分の問題意識とか感心の方向性というのも最初は漠然としたもので、明確な問いの形をなしていません。そこからどれだけ問いを深められるか、というのが論文の出来を左右する第1の分かれ道と云えるかもしれません。#藤の素

2012-02-23 22:37:19
日高利泰 @shigureya

ただし、見切り発車でデータ収集に入ったらダメかというと、必ずしもそういうこともなくて、後から絞り込むというのもアリです。しかし、せっかく調べたのにもったいないという欲が出ますので、なかなか削れない。それに合わせて問いの方を修正するというのは意外と難しい。#藤の素

2012-02-23 22:39:05
日高利泰 @shigureya

総合的に云えば、矢張り実際の作業を始めるまでにどれだけ問いを深められるかが重要です。早めに作業に取り掛かりたいという意味では、夏休みに入る前に徹底的にこの「問いを深める・クリアにする」ことをやるべきかもしれません。#藤の素

2012-02-23 22:41:07
日高利泰 @shigureya

個人的MVPはゼミ長の「こわいまんが」、時点が「テニス」なのですが、扱ってる史料の膨大さもさることながら、問いの絞り込み、対象の絞り込みがよくできているというのも大きいです。個人的な趣味であっても結果オーライです。#藤の素

2012-02-23 22:43:50
日高利泰 @shigureya

ここも意外な落とし穴があって、真面目な人ほど、あれもやらなきゃいけないんじゃ?これも入れなきゃいけないんじゃないか?と全体を網羅したくなる傾向がある気がします。(別にさっきのお二人が不真面目だという話ではありません。念のため)#藤の素

2012-02-23 22:48:54
日高利泰 @shigureya

しかし、全体を網羅的に語りつくすのは物理的に不可能なので、なるべく妥当性の高い形で限定を加える必要があります。さっきの繰り返しになるかもしれませんが、思い切って削る、絞ることが重要です。なので、対象を広げることより絞る時の妥当性についてよくよく検討する方が有意義。#藤の素

2012-02-23 22:51:36
日高利泰 @shigureya

サンプル(対象)の妥当性を考えるときには、妥当性ということばを代表性と云い換えてもよいかもしれません。それが代表的な事例だと多くの人が納得してくれればそれでよい訳です。逆に云えば、妥当性というのはかなりの部分を他者の判断に依存しているということになります。#藤の素

2012-02-23 22:55:29
日高利泰 @shigureya

たとえば90年代の少年マンガにおける何かについてやりたいとしたら、さしあたりジャンプを対象としますと云ったら(おそらく)そんなに反論はされないでしょう。もちろんジャンプ以外も検討する「べき」ですが、まずはじめにチャンピオンからやりますというよりは代表性は高そうです。#藤の素

2012-02-23 22:59:24