#この書き出しいかがですか まとめその1(2/26)
「さぁ、愉しい鼠算でもはじめましょうか」ハッキリと女はそう言った。僕の下腹部にまたがって、長い髪で顔を隠す。真っ赤な唇が薄く開くと、円を描いて水音を鳴らした。「僕はそんな、つもりじゃ」微笑む女の美しさに目がくらんだ。#書き出し
2012-02-26 03:55:18私は仙人になりたい。聞いた所によると仙人は霞を食らって生き、仙術を使うという。仙人になる方法をググってみたらWikiの記述に出会った。ニートとしては、食費をネトゲのガチャ代に回し、仙術でチートが出来ないかと考えていたが、かような下賎な考えでは無理ゲーらしい。 #書き出し
2012-02-26 12:49:44僕には魔法使いの知り合いが一人いる。と言いはしたものの当人を指して魔法使いと呼ぶと、必ず彼女は非常に不愉快極まりないといった貌をする。どういう表情かというと、眉間へ一生涯消えなさそうなほど深い皺を刻み眦を尖らせて唇などヘの字にひん曲げ数秒間は動かない。 #この書き出しいかがですか
2012-02-26 02:06:26都から美濃国へ向かうには、近江路を東へ、瀬田の唐橋を渡り、鏡山を越え、老曾の森を通る。 #この書き出しいかがですか
2012-02-26 02:07:01都から美濃国へ向かうには、近江路を東へ、瀬田の唐橋を渡り、鏡山を越え、老會の森を通る。そろそろ鏡山にさしかかろうという所で、鏡神社に着いた。私は美濃商人。旅の無事を祈願しようと訪れた神社で、銅鏡を携えた不思議な装束の少女と出会った。少女は鏡を私に突き出すと掻き消えた。 #書き出し
2012-02-26 15:02:58眺めていた。クモの巣状に割れた鏡を熟と。眺めていた。引っ越しはもう直ぐというのに片付けが全然捗らない。そんな時に愛用の鏡をうっかり割ってしまったのだ。どうしよう、ますます片付けが手につかない。新しい土地へ移るなら家具も新調するチャンスなのに全然そんな気にならない。#書き出し
2012-02-26 02:23:00街はジャズ・エイジの真っ只中。灰色の霧も踊り出す陽気なリズムの外側で、孤独に新聞を広げた。仕事の依頼を見つけるためだ。俺は社会面の三行広告欄をチェックする。有った。「Kジル売りたし価格応談」これが依頼のキーワードだ。連絡先に電話をし、告げる「Kジルが買いたい」 #書き出し
2012-02-26 22:17:07荒れ寺の縁の下に一人の男が膝を抱えて座っている。小指の爪をたてて、膝にできた瘡蓋をはがそうとしている。 #この書き出しいかがですか
2012-02-26 02:17:13時の流れを遡り、源流から歴史を紡ぎ直す。僅かに、しかし確実にずれた支流を下って。そうして辿り着く並行世界。そこは、現在よりもずっと未来的な現在を迎えていた。 #この書き出しいかがですか 特殊二次創作(未着手)の一篇『オリジナルボカロが幻想入り』の冒頭イメージ。
2012-02-26 02:18:05目が覚めた。狂うような嫉妬で胸が焦げていた。それにより僕はあれが夢ではない現実の出来事であったと改めて痛感する。愛する彼女が結婚した。僕以外の男と。許せない許せない許せない。ちくしょう悔しいあんな奴あんな奴!「絶対にお義父さんなんて呼ぶものか」僕は唇を噛み締めた。 #書き出し
2012-02-26 02:25:25目が覚めた。狂うような嫉妬で胸が焦げていた。案の定頬が濡れていた。涙。泪。あんなにあの人を愛したのは夢なのか。ああ、あの人。あの人って誰だろう。もう顔も思い出せないなんて、一瞬は何て酷い。胸の痛みは未だ消え去っていないというのに。 #書き出し
2012-02-26 02:54:27