「南相馬市内からプルトニウム検出」とは何事だ!あらため「南相馬市内からプルトニウム検出」は根拠を押さえてから言いましょう

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nao @parasite2006

今回の論文http://t.co/7gB7GLYaji では12点の試料採取地点全部からPu238, 239, 240が検出され、原発由来と判定されたが、ここで比較すべきはチェルノブイリ事故後のPu汚染地図(2006年報告書http://t.co/kzRgoKcu3c p.40)

2014-03-16 07:13:32
nao @parasite2006

チェルノブイリではPu239と240の沈着量(分離せず合算で定量)が3.7 kBq/m2を超える地域が原発から半径30 kmの範囲に広がった。IAEA標準法に従い土壌を深さ5 cmまで掘ったと想定して重量1 kgあたりに換算すると3700/65 Bq/kg=56.9 Bq/kg

2014-03-16 07:20:56
nao @parasite2006

これに対し今回の論文http://t.co/7gB7GLYaji で福島原発の北西方向周辺の12地点から検出されたPu239と240の土壌(といっても実際は道路端に積もった土埃2-5 g)中濃度は最大でも1.14±0.069 Bq/kg(測定地点No.6 南相馬市横川ダム付近)

2014-03-16 07:32:27
nao @parasite2006

道路端に積もった土埃の厚さと言えばどうひいき目に見ても数mmだろうから、IAEA標準法により深さ5 cmのプラスチック容器を土壌表面に押し付けて採取した試料の測定結果と揃えて比較しようと思えば重量あたりの測定値を1桁切り下げる必要があるだろう。とするとチェルノブイリの1/500

2014-03-16 07:37:27
nao @parasite2006

今回の論文http://t.co/7gB7GLYaji の最高濃度の地点でもPu239とPu240の合計濃度がチェルノブイリ事故後のざっと1/500相当で、最低地点0.145±0.005 Bq/kg(測定地点No.11 浪江町津島)はさらにそのざっと1桁下。差は歴然。

2014-03-16 07:47:36
nao @parasite2006

今回の論文http://t.co/7gB7GLYaji で検出されたPu238の量は最大2.333±0.102 Bq/kg(測定地点No.6)。

2014-03-16 08:09:58
nao @parasite2006

文科省の福島県下土壌調査のPu分析結果の地図(http://t.co/x58n3jGVgg 最後から2ページ目)のPu238の最大値は11 Bq/m2。このときはIAEAの標準法に従って土壌を深さ5 cmまで掘って採取だから65で割れば重量あたり濃度に換算でき0.17 Bq/kg

2014-03-16 08:12:48
nao @parasite2006

今回の論文http://t.co/7gB7GLYaji では土を5 cm掘ったのではなく、道路端に積もった土埃を集めたにすぎないから土埃の層の厚さはひいき目に見ても数mmしかなく、標準法で採取した土壌試料の重量あたり濃度と比較するには1桁切り下げる必要がある。

2014-03-16 08:16:44
nao @parasite2006

Pu238を検出したければ、コンクリートとかアスファルトとか石材のような水を通さない硬い材質の上に薄く積もった土埃を集めて測定すればいいということ。濃縮されている分、標準法で5 cm掘って採取した試料では検出限界割れする量でも検出される。でも過去データとの比較はお忘れなく。

2014-03-16 08:17:44

(南相馬市の計画的避難区域外からもプルトニウムは検出されていた)

nao @parasite2006

以前このまとめhttp://t.co/hYzsHEJhTa を作った時、「原発から20 km以上で計画的避難区域外の南相馬市内、すなわち現在普通に人が出入りできるようなところには、原発事故由来のプルトニウムが飛んで来たとは考えられません」と書いたが(続く)

2014-03-16 11:05:47
nao @parasite2006

(続き)、今回の論文http://t.co/7gB7GLYaji で「黒い物質」が採取された南相馬市内の測定地点3カ所の位置を一番古い警戒区域、計画的避難区域、緊急時避難準備区域の地図(2011年8月3日現在)http://t.co/ioiPZTPiov と見比べると(続く)

2014-03-16 11:09:31
nao @parasite2006

(続き)No.8は計画的避難区域内にある一方、Pu239+240とPu238の測定値が12地点中最高になったNo.6の横川ダム(原町区馬場)http://t.co/M3vCaZkAIP は避難区域の東側の緊急時避難準備区域内の山間部にあり、付近には特定避難勧奨地点がある。

2014-03-16 11:16:10
nao @parasite2006

特定避難勧奨地点が近くにある西側の山間地のダムをさらに海に近い東側の市街地と同等に扱っていいかどうかは微妙だけれど、とにかく計画的避難区域外の南相馬市内から原発事故由来のプルトニウムが検出されたのは事実。ただし量はチェルノブイリ事故後の30 km圏のざっと3桁下

2014-03-16 11:30:20

続編まとめ「「南相馬市内からプルトニウム検出」のその後」http://bit.ly/KrGbeI では、南相馬市の大山市議が緊急時避難準備区域の東半分に位置する市内5カ所で黒い物質を採取して日本分析センターに分析を依頼http://amba.to/Orb5bU 。5カ所ともPu238, 239, 240が検出され、同位体比Pu238/239+240の値は冷戦時代の核実験由来の同位体比原発事故前の全国平均値0.026を大きく上回りましたがhttp://amba.to/OrdZ0e この結果はなぜか普通行われている乾燥重量あたりではなく湿重量あたりで表示されているため、論文の結果と直接大小比較できないのが残念です。