放射能に対する偏見、差別、反原発。誰が誰と対立していて、どう折衷しうるのか

深̤͓海̤͓魚̤͓ @silly_fish

また、俗流科学・医学風言説を「リベラルA」的な立場から批判するときは、そこで使用されるタームが自然科学や正統医学からの引用だと指摘し、支配的な科学・医学に抵抗するつもりでも、実はそれらに依存していて共犯関係だ、ともっていくのがセオリーですが、

深̤͓海̤͓魚̤͓ @silly_fish

たとえば「放射線障害」という語が、支配的な医学に抵抗して自身を病者と認めさせるために使われる場合、果たしてそれはまだ医学における「放射線障害」と同じものなのだろうか、という疑問が私にはあります。

深̤͓海̤͓魚̤͓ @silly_fish

それはすでに、元の語とは別の定義をもった概念に変貌しているのではないか。あるいは、かっちりとした概念ではなく、意味の揺らぎを内包した語に変わっていて、その揺らぎがあってはじめて可能になるコミュニケーションが行われているのではないか、と。

深̤͓海̤͓魚̤͓ @silly_fish

この辺、使われている語の語源がどこか、ではなく、語が誰から誰に引用されて流通しているのかを軸にして、自然科学・正統医療の内部あるいはそれに依存した言説と、外部にある言説とを、これから時間をかけて再分類してみたいな、とか、今は考えているのですが。

深̤͓海̤͓魚̤͓ @silly_fish

震災のあと、飛び交う流言を眺めていたためか、私は「間違った」ことを言ってしまうのがすごく怖くなっていて、何か言うべきと思う場面でも、自分にできる批判に誤謬や飛躍があるかもしれないと思うと、つい発言を控えてしまいます。

深̤͓海̤͓魚̤͓ @silly_fish

それに、大手の反原発運動は「福島の女たち」を全面に立てていたりもするので、家を捨てざるを得なかったり、生業を失ったり、子に及ぶ危険をもっとも意識せざるを得ない彼女たちを前にして、しょせん東電の電力で暮らす東京のホワイトカラー予備軍の私が、

深̤͓海̤͓魚̤͓ @silly_fish

安易な批判を行い、「正しい」振る舞いを指し示すのは、中心―周縁の抑圧構造を再演することになるのではないか、という倫理的葛藤もあります。私はどうやっても、彼女たちのこわさや苦しさを共有しえません。

深̤͓海̤͓魚̤͓ @silly_fish

個人的なことになりますが、私は自分に子宮と月経があることに違和を覚える人間ですので、「女＝母」「若い女＝将来の母」という想定が見え隠れする言説は、正直視界に入るだけでSAN値がガリガリ削れます。

深̤͓海̤͓魚̤͓ @silly_fish

ただでさえしんどいのに、先に列挙したような批判しにくさが重なってしまうと、「もうやだ、見たくも聞きたくもない」となってしまうわけでして。ぶっちゃけ、抗うつ剤が必要な体になったの、2割くらいそのせいじゃないのって思うくらいw

深̤͓海̤͓魚̤͓ @silly_fish

まあそんなわけでへたれてしまっていたわけですが、今思えば、たとえ不完全でも、傲慢だと指弾される余地があろうとも、その時点でわかる範囲のことは発言しつづけるべきだったな、と。

深̤͓海̤͓魚̤͓ @silly_fish

一度「リベラルA」からの反原発言説・運動（の一部）批判、という立場性が失効してしまうと、それを回復するのは骨です。また今、経管栄養中止のガイドライン化や、「尊厳」死法案のとりまとめが行われていますが、発言できる領域を自らせばめた結果、

深̤͓海̤͓魚̤͓ @silly_fish

それらにも有効な対抗言論を打ちにくくなっているような気もします。さすがに、考えすぎでしょうか？

深̤͓海̤͓魚̤͓ @silly_fish

あるいは、どう批判すべきか迷いの残る部分や、ニセ科学批判と対立してしまう領域で発言しづらいとしても、それ以前の「いやそれはどう考えてもダメでしょ、ヘイトスピーチの域でしょ」なものにまで、批判しづらさを感じるべきではなかったなと。

深̤͓海̤͓魚̤͓ @silly_fish

表立った批判をしない人が多かった上に、一部に反原発なら公平さを欠いた発言をする人まで現れてしまったために「あいつら被災者/福島差別は許すのかよ」と、「科学技術に親和的な保守・リベラル」からの不信を招いて、無駄に対立点を広げてしまった気がします。

深̤͓海̤͓魚̤͓ @silly_fish

もちろん実際に対立するところはあるのですが、そうなると返って、避けえない対立点がどこなのか見えなくなるような。ただ、ポジショントークをさせていただくなら、「放射能が怖い」を核にした反原発運動への「リベラルA」からの批判と取りうるものには

深̤͓海̤͓魚̤͓ @silly_fish

排外主義・歴史修正主義との野合批判や、「緊急時」の名の元に3.11以前の差別・人権侵害が周縁化されることへの警告がありましたが、その時に「リベラルB」の人たちがフォローしてくれたかというと、割とスルーされてた気がするので、

深̤͓海̤͓魚̤͓ @silly_fish

お互いさまじゃね？と言いたいところはあります。ん、ひとまずこんなところでしょうか。酔っぱらいの愚痴にお付き合いいただき、ありがとうございました。

深̤͓海̤͓魚̤͓ @silly_fish

@tikani_nemuru_M 私もほぼ酔っぱらいの独り言ですから、お返事はいつでも構いません。溜め込んでたことをいくらか吐き出せて、スッキリしましたし。

深̤͓海̤͓魚̤͓ @silly_fish

@tikani_nemuru_M 確かに戦前は産業・学問だけでなくあらゆる領域で「科学化」が叫ばれ、「生活の科学化」なんてのまで登場しましたが、敗戦後はむしろ「今までは科学精神が足りなくて失敗した」と、

深̤͓海̤͓魚̤͓ @silly_fish

@tikani_nemuru_M 戦前は精神論だった、これからは科学が必要だ、という反省のされ方をしました。当時の「科学」は今日と違い、広く合理性全般を連想させる語でした。今でも「非科学的」が単に自然科学の知見に反するだけでなく、非合理的な心性を指すことがありますが、

深̤͓海̤͓魚̤͓ @silly_fish

@tikani_nemuru_M ちょうどそれを反転させたような意味と思っていただければ。多分ですが、その広義の「科学」は、進歩主義的思想と相性がよかっただろうと思います。科学といえば科学技術で、その行き過ぎによる破滅を連想させるようになったのは、もっと後のことです。

深̤͓海̤͓魚̤͓ @silly_fish

@tikani_nemuru_M ちなみに、中国語の「科学」は今でも広い意味を持っています。向こうの大学の農学部で作ったお米をいただいたことがあるのですが、パッケージを開けたら、中に「お粥の科学的な作り方」と題されたレシピカードが入っていましたw

地下猫 @tikani_nemuru_M

@silly_fish お付き合いありがとう。本日は酒も入っているし寝ます。後日、お返事を約束します。／理性は西欧思想史的にいって神の代替ですよね。そして、科学技術で富国強兵⇒原爆で敗戦、という日本では科学は終末とのイメージの連関で捉えられているようには思えます。

深̤͓海̤͓魚̤͓ @silly_fish

@hotsuma というコラムをきちんと批判してらした、@hokusyu82 さんなんかは偉かったと思います。そこから再度言論の幅が広がっていかなかった…というより広げていけなかったのは本当に反省すべき点です。