低線量被曝のリスクに対する考え方の例:PKAnzugさん

@kiirodebuさんの求めに@PKAnzugさんが答えたものです。 簡にして要を得ていると思ったので纏めさせて頂きました。 これに続くα、β、γ、中性子線の危険性などの話はこちらへ 【PKA先生の放射線障害についてのツイートをまとめてみた。】 続きを読む
震災 原発 pkanzug 低線量被ばく 低線量被曝 安全デマ
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kiirodebu @kiirodebu
@PKAnzug 先生、暇なときにお答えくださ~い!ザックリとした質問です。核医学では既に60年近い知見が蓄積されていると思いますが、人体に有意に悪影響(発ガン)を与える被爆量とは、一体いくらなんでしょうか?
kiirodebu @kiirodebu
@PKAnzug この問題は、素人が目にする文献や解説では、諸説ありまくりで良く解りません。(特にチェルノが絡むと特定バイアスがかかり全く何が正当か解らなくなる)
kiirodebu @kiirodebu
@PKAnzug ザックリ聞いてしまえば、一体どの期間で、局所&全身を例に、何ベクレル浴びたら統計上数字が動き出すものなんでしょうか
PKA @PKAnzug
.@kiirodebu 被曝って難しいところがあって、まず一瞬で100mSv浴びるのと1年で累積100mSv浴びるのでは全く生体影響が違うんですよ。生体は常にダメージの修復をしてるので、ゆっくり少しずつ浴びてもどんどん直してしまいあまり影響が出ないわけです。線量率効果と言います。
PKA @PKAnzug
.@kiirodebu なので、そのザックリした質問にザックリ答えるわけにはいきません。線量率の高い場合の話を一般論としたら線量率の低い事例では嘘になりますし、逆もまた然りですから。
PKA @PKAnzug
.@kiirodebu 実は現状の日本では線量率の高い被爆をする心配は、医療被曝か放射線取扱施設での事故以外ではほぼないんですが、低線量率の被曝って調査・研究が難しいので、「まあ低線量率より危ない高線量率の場合を基準に対策しとけば大丈夫」みたいな状況になっています。
PKA @PKAnzug
.@kiirodebu では、まず高線量率の被曝の場合ですが、100mSvがひとつのポイント。短時間で100mSvの被曝では、ほとんど影響は出ませんが、体細胞の染色体を入念に調べると影響が見える場合があるとされます。また、僅かながら長期的な発癌は増えるとする報告もあります。
PKA @PKAnzug
.@kiirodebu ただ、リスクとしてはどのみち微々たるものなので、仮に私が事故で浴びても「あー、浴びちゃったね、まあいいけど」と流すレベル(ただし放射線業務からは外されるので困る)。健康リスクとして本気で気に病むようなものではないです。
PKA @PKAnzug
.@kiirodebu ただし、さっき書いた通り、これすらも一気に浴びた場合の話、低線量率でじわじわ浴びた場合には影響は何分の一にもなるとも言われていて(動物実験では1/10くらいになることもあるとか)、これまた正確なところは決着がついていません。
PKA @PKAnzug
.@kiirodebu 実際問題として、自然放射線が非常に強い地域というのがイランやブラジルなどにあって、ある地域では大人も子供も妊婦も年間10mSvくらい浴びてるんですが、特に癌や奇形が多かったりはしません。10mSv/年なら10年で100いっちゃうんですけどね。
PKA @PKAnzug
.@kiirodebu 短時間でもっと被曝した場合の話をしましょう。250〜500mSvくらい浴びると血球の減少が起こります。将来的な発癌増も統計的に明確化してきます。でも血球減少に自覚症状はなくすぐ回復しますし、発癌の増加もわずかです。
PKA @PKAnzug
.@kiirodebu ここまでの話は、一部曖昧ですが全て事実の問題。「どこまで浴びていいか」はさらに価値判断が含まれます。外国の特定地域で10mSv/年浴びて大丈夫だとしても、もし10mSv/年の公衆被曝が継続的にあるなら、「まず影響ないけど何とかしなきゃダメ」です。
PKA @PKAnzug
.@kiirodebu ただ、もし仕事で必要があって10mSv/年相当の被曝をしなければいけないなら、私は特に心配もせずその量の被曝をしながら仕事します。年間500mSvなら「それは多いから嫌」と断ります。つまり、どこまで浴びていいかは必要性・必然性とのバランスで決まるんです。
PKA @PKAnzug
.@kiirodebu ということで、価値判断の含まれる「どこまで浴びても大丈夫か」という問いで、しかも高線量率より影響が小さいとは分かってるけど不明点の多い低線量率での持続的被曝の場合、なかなか「ここがリミット」って数字は出せないんですよ。
PKA @PKAnzug
.@kiirodebu 医学的に大丈夫かどうかで言えば、高線量率の被曝なら100mSvあたりで影響が見え始めるので、そのへんがリミットと言っていいかもしれません。ただ、それはたとえば50mSvなら絶対無問題という意味ではなく、リスクとして相手にするには小さすぎるという意味です。
PKA @PKAnzug
.@kiirodebu 低線量率でじわじわ浴びる場合、どこから影響が見え始めるのかはよくわかっていません。ただ、短時間で100mSv浴びるより年間で100mSv浴びる方が相当影響が小さいのは確かで、明確な影響として見えてくるのは数百mSv/年くらいなんじゃないかと思います。
PKA @PKAnzug
.@kiirodebu ただ、これは飽くまでも医学的な影響の話。しかも低線量率の場合は推論の比率が高くなるので、漫然と「ここまでなら大丈夫」みたいにやらず、いわゆるALARAの原則に基づき、他に支障を来さない範囲で(ここ重要)極力被曝を抑える必要があります。君子危うきに近寄らず。
PKA @PKAnzug
.@kiirodebu 特に、行政が基準などを決める場合には、何も知らず何も対策しない地域住民が普通に暮らしていても問題が出ないレベルでの対策が求められるので、必然的に厳しめの対応になります。ICRPの勧告ってのはその国際標準みたいなものと思ってもらえれば。
PKA @PKAnzug
.@kiirodebu 個人的には、どっかが提言した「生涯100mSvまでに」というのはちょっと厳しく抑えすぎで、多少他に支障が出るレベルなんじゃないかなと思っています。被曝に無神経なのはダメだけど、現状はむしろ神経過敏の方がいろいろ支障を来し始めている印象です。
PKA @PKAnzug
.@kiirodebu 余談ですが、低線量長期被曝の影響は、宇宙開発が進んだらもっとよく分かるようになるかもしれません。宇宙飛行士は1日1mSvくらい浴びるそうですから、サンプル数が増えたら影響が見えるかもしれないし、影響が見えないことが見えてくるかもしれない。
PKA @PKAnzug
.@kiirodebu 低重力を利用して、筋力低下防止も兼ねた重たい放射線防護スーツを着るのが常識になるか、「350mSv/年くらいなら一生浴びても全く問題ない」っていう放射線防護の新常識ができるか。まあ、結論が出るのは我々の代ではないでしょうけどね。

以下余談ですが大事なことなので。

池田香代子 「100人村 お金篇」 @ikeda_kayoko
外部被曝、腑に落ちました。感謝です。で、内部被曝は?RT @mogmemo: お、まとめができた。ありがたいです。.@m_i_y_a_z_o さんの「低線量被曝のリスクに対する考え方の例:@PKAnzugさん」をお気に入りにしました。 http://t.co/FfT1Bhvz
PKA @PKAnzug
ところで、さっきTL見てたら「今の問題は内部被曝だろう」というツッコミがありましたが、摂取すると甲状腺に濃縮されてしまうI-131は半減期で大幅に減少し、セシウムも福島での調査で摂取量が非常に少ないことが報じられていました。現在の被曝に寄与するのは大半が外部被曝です。
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コメント

みゃ。 @m_i_y_a_z_o 2012年3月7日
人間ふだんは包丁でもハイヒールでもバイクでも、大して意識もせずに利得とリスクを秤にかけて要ると思うんですが、相手が目に見えないと難しい。 それなりに教育受けた方でも意見が割れています。 知り合いの医者が治療するリスク/しないリスクを説明されて不安に陥っている患者さんに対して、『最後は”私だったらリスク負ってもオペ受けます”"私の身だったらこのまま経過見ます"って説明になる』って話していたのを思い出しました。
シダミキオ @mikiosida 2012年3月7日
じゃあヨーロッパ各地においてチェルノブイリの放射能汚染による被害があった。というのはデマだったのですね。被害があったのは高い線量浴びた人たちだけだったんですね。安心しました。ありがとうございます。
みゃ。 @m_i_y_a_z_o 2012年3月7日
ホルミシス効果とか引き合いに出さずに、こういう風に整然と述べて欲しいです<テレビ出たり本売ったりしてる人
PKA @PKAnzug 2012年3月7日
>>mikiosidaさん:ヨーロッパ各地において、というのが実際デマかどうかは実際の具体的な報告を見ないと分からないです。I-131やCs-137を大量に摂取して問題を起こした人はもしかしたらいるのかもしれません(一応、WHOの報告では有意に増えたのは小児の甲状腺癌だけ、ということになっていたはずですが)。ただ、ヨーロッパのそれが仮にデマでなかったとしても、それは管理不十分から大量に摂取&被曝した結果であって、今回の事故でそれは起こらないと見ています。
民間人 @minkanjinno 2012年3月7日
いいえ、チェルノブイリの被害はありましたよ。農作物や畜産物が売れない、という被害がね。
国際協調派 @kaz005 2012年3月7日
100mに対する考え方はまちまちですね〜 テレビよりTwitterの方が信憑性高く感じられるw 内部被曝が〜の人達は騒ぎそうですが。
みゃ。 @m_i_y_a_z_o 2012年3月7日
 余談を追加しました 20:53
遊藍 @ainiasobu 2012年3月7日
いろんな要因を天秤にかけるが全てなんだよな。基準値とか数字だけをみて不安になるなら、なぜそういう数字が出てきたのかを見ればいい。多少の間違いはあるかもしれないけど、それなりの根拠があるものは大きくはブレないはず。その上で、どこまで許容するかは個人の問題。
PKA @PKAnzug 2012年3月7日
一応書いておきますが、追加部分で話題にしてる「内部被曝が主だろうというツッコミ」はイケダさんのツイートではないです。でも本人の引っ張ってきても仕方がないので、まとめはこのままでいいと思います。
Tsuyoshi CHO @tsuyoshi_cho 2012年3月7日
農作物が売れないのは人体の被曝被害じゃないでしょうに...
フジタ @detaeku 2012年3月8日
「ザックリとは答えられない」つってんのに2つ目のコメントがいきなりザックリで笑った。素なら「よく読みましょう」だし皮肉のつもりなら失笑もの。
竹本淳一 池袋ファミリー整体院 @takemotojunichi 2012年3月8日
気のふれた方々とかが、インチキニセ化学を信じて「内部被ばくは体内の細胞に付着して永遠に害を与え続けるから、わずかでも恐ろしいのだ!」とか、天然のと原発由来の人工放射性物質は全く違うのだ!と叫んでいるのですが、なんとか正気に戻ってもらいたいものですね。
みゃ。 @m_i_y_a_z_o 2012年3月9日
タグを追加して頂きました。@kazooooyaさんありがとうございます。
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