NHK「放射能と生きること~26年目のチェルノブイリ被災地~」 書き起こし・ほぼ完全版

3月8日夜に放送されたものを文字おこししています。
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ここから今年2月の取材

とし @toshihiro36

<ナレーション> 氷点下20℃。厳しい冬を迎えたホイニキ地区です。3人の子供を育てるマルタさん。親子そろっての外出です。向かったのは地区の病院でした。年に1回義務づけられている内部被曝量を測る検査のためです。

2012-03-09 10:10:09
とし @toshihiro36

<ナレーション> ベラルーシでは子供の場合、体重1キロあたり20ベクレルを超えないよう指導されています。

2012-03-09 10:12:05
とし @toshihiro36

看護師: 息子さんは体重1キロあたり4.9ベクレル。非常に小さい数値ですね。

2012-03-09 10:13:31
とし @toshihiro36

<ナレーション> 数値が高い場合は、国の費用で国外へ避難させるなどの措置がとられます。この地で生きていく子供たちが生涯受け続ける検査です。

2012-03-09 10:15:38
とし @toshihiro36

マルタさん: 子供の放射線量が増えていないか、いつも気をつけています。ここで暮らしていくには、正確に知ることが大事なのです。

2012-03-09 10:17:21
とし @toshihiro36

<ナレーション> この日、ニコライさんの元に新しい汚染度マップが届きました。

2012-03-09 10:18:50
とし @toshihiro36

ニコライさん: ここは順調に下がっているようだが…しかし、こっちは上昇している。なぜ減ってくれないんだ。

2012-03-09 10:20:49
とし @toshihiro36

<ナレーション> また再上昇現象が起きていました。地区の中でも立ち入り禁止区域に最も近い区画。去年まで特に気をつけて牧草を育てていた所でした。新たな対策をとれば乗り切れるのか。農地として使うのをあきらめるのか。雪が解けるまでに決めなければなりません。

2012-03-09 10:24:34
とし @toshihiro36

<ナレーション> 私たちがホイニキを去る前の日、ニコライさんが「見せたいものがある」と言ってきました。古いニュース映画のフィルム。映し出されたのは、事故から4年目のホイニキ地区でした。農業を立て直そうと懸命だった頃の姿です。

2012-03-09 10:28:24
とし @toshihiro36

<ナレーション> しかしナレーションは政府の事故への対応を批判するだけでなく、ニコライさんたちまでも非難していました。

2012-03-09 10:31:29
とし @toshihiro36

映画のナレーション: 放射能の影響がない農作物をここで収穫することはできない。ソビエト全土に汚染された食品がばらまかれている。いつになったら事態を理解し決断するのか。

2012-03-09 10:48:15
とし @toshihiro36

<ナレーション> 誰にでも受け入れてもらえる作物をこの地で作ろうとしてきたニコライさん。被災地に対する誤解や偏見は、いまも消えていないといいます。

2012-03-09 10:50:34
とし @toshihiro36

ニコライさん: とても悲しいことですが、これが現実なのです。でも想像してみて下さい。ある日突然、住み慣れた故郷が失われてしまうということを。時間がかかってもやり切らねばなりません。誰かがやらねばならないのです。

2012-03-09 10:53:33
とし @toshihiro36

<ナレーション> この春ニコライさんは定年を迎え、農場長の職を退きます。その後も地区の農業に関わっていくつもりです。 放射能と生きること…人々の闘いは続いています。

2012-03-09 10:57:23