【3/10】テーマ:手首【#同題ssTB】
僕の手首を押さえたまま眠るのがこの人の癖。捕まえておくように。でも縋るように。てのひらが恐いと零していたことがある。滅多に自分のことは話さない人だからよく憶えている。その顔の瑕痕をただ包み込みたいだけなのに。そしてその見えない涙に、触れてみたいだけ。<手首:兎月> #同題ssTB
2012-03-12 20:13:51「こういうの、おじさん、どうかと思うなー」「買ってきたの貴方でしょうが」「…自分がするとは思わなかったんだよ」「ふは、…似合ってますよ?虎徹さん?」「てめ、やめ!あ、く…っわ!」「とりあえず大人しくされるがままになっといてくださいね」「ざけ…んっ…」<手首:に手錠> #同題ss
2012-03-12 00:35:57貴方は僕の前では完全には緊張をとかない。無防備そうに見えてその実、薄い硝子で見えない壁を作っている。優しく差し延べられた手を、甘い感情を持って掴んでしまったというのに。眠る時でさえ外さない、貴方のそのゴツい革の腕時計の下には何が隠れているんですか……?<手首> #同題ss
2012-03-12 00:26:37これ見よがしに切りまくるなんて子供みたいな事はしない。たった一本、深く、深く(ただし大事に至らない程度に、だ)白い肌、赤い……線。それを隠すのも、白に赤。<手首> #同題SS
2012-03-11 21:57:02眠るあなたを口説いてみたが 返る言葉はスーとピー せめてキーなら やり用もあるか 脈のあるなし手首とる <眠り・手首> #同題ss #おじさんを愛でる都々逸 #タイバニを愛でる歌
2012-03-11 20:00:48するりと撫でる。なにもない手首。何者でもない、自分の。「あなたはあなただ」そっと唇を寄せ、愛しげにさせるその口づけに、体がぞわりと粟立つ。うっすらと残る、跡。日焼けの。手を取るお前の手首にも、いまはなにも。「僕のヒーロー」俺の、ヒーロー。 〈手首〉 #同題ss #TB小話
2012-03-11 19:30:47「僕よりがっちりした手首ですね」「だろ?楓や嫁さんや市民を守ってきた逞しい手首だろ?だからこんなごつい時計も似合うのさ」「僕もそんな風になれるでしょうか?」「当ったり前だろ!!俺の相棒なんだ!俺達で守っていかなくて誰が守るんだよ」「(ふっと笑って)そうですね」<手首> #同題SS
2012-03-11 18:24:40【セル空】掴んだ手首に爪を食い込ませると悟空は息を止めが抵抗する動きもない。お前はマゾか。揶揄に問うても悟空は口を紡ぐだけ。更に指に力を入れると鉄の匂いと共に赤い液体が滴る。己にはない色と暖かさが手首を伝い、舌を這わせた。その脈動は目眩を引き起こさせる <手首>#同題ss
2012-03-11 17:16:19舟状骨 大菱形骨 小菱形骨 中手骨が いちにい さん しい ご。 月状骨 三角骨 豆状骨 有鈎骨 有頭骨 基節骨 中節骨 末節骨 ほおら、これでぜんぶそろった。ぼく、あなたの手首の骨なら もう目をつぶっていても 並べられるんですよ。 <手首>#同題ss
2012-03-11 16:58:08少しかさついた指先が白い肌へ隠れた動脈を辿る、撫でる、引っ掻く、触れて、小さな熱が蟠る。手持無沙汰だと、虎徹がバーナビーの手首を弄り始めたのはつい数分前のこと。持ち帰りの資料から目を離さない虎徹を、横目で一瞥。「これ読み終わったら、な」だからこの人は嫌いだ。<手首> #同題ss
2012-03-11 11:11:15「逃げるの?」「別にッ…逃げて、ねェよ…」「少し黙って…」やっとここまで追い詰めた。後ろは壁で、虎徹さんの右手を掴んで、やっとこの距離まで近付けた…のに…重なり合った彼の右手首と僕の左手首が、同時にエマージェンシーコールを掻き鳴らす。忌々しい手首の戒めだな…<手首> #同題ss
2012-03-11 08:52:21「あ」丸齧りが一番旨いんだよという俺の言葉で熟れた桃にかぶりついていたバニーが短く声を上げる。指を、掌を汚し、腱の浮いた手首の内側まで伝わる果汁を奴は舌で舐め取った。俺の視線に気がついて、瞳だけで訊ねてくる。『なにか?』蜜に濡れた舌先は、手首を這ったまま。〈手首〉 #同題ss
2012-03-11 06:07:33●「ぎ、あ、…む、りむりむり、あ、やめ」限界を超えて拓かれた身体が悲鳴を上げる。嫌な汗が噴き出してかたかた震え、多分貧血を起こしかけていて彼が何か言っているのも聞こえない。だけどわざと外さなかった指輪がごり、と当たって、ぶわりと体温が上がる。すき、涙もぶわり。<手首> #同題ss
2012-03-11 04:48:21これはあなたが持っていて下さいと、彼を最後に見舞った時に渡された。今でもこれが二人の手首を飾っていた時のことを思い出せる。見るたびに、自分には及びのつかないところで繋がっているのを感じていた。緑と赤の彼らの絆の象徴…今頃彼らは向うで手を繋いでいるのだろうか。 <手首> #同題ss
2012-03-11 04:31:47ハンチングが放り出された時よりも。ベストのボタンが外された時よりも。タイの結び目に指がかけられた時よりも。ベルトが引き抜かれた時よりも。それよりもただ、そのブレスレットと腕時計が外されて筋張った手首が露わになった時が一番、これからする事への「始まり」を感じた。〈手首〉 #同題ss
2012-03-11 04:13:43朝起きると手首から下がなくなっていることに気づく。どうしたものかと考えているとドアの向こうから両方そろってやって来た。叱ろうとするや裾を掴まれ居間まで強引につれ出される。そして「私達、ストライキします」と書いてある紙を見せられた。今の待遇に不満があるらしい。〈手首〉 #同題ss
2012-03-11 04:01:27虎徹さん、虎徹さん!呼びかけても返事が無い。四方を瓦礫に阻まれ身動きが取れない。近くに居るはずなのに気が焦る、ぬるりとした物が手に触れた人の手だ、探ると手首のブレスと時計が指に触った。親指を這わせ脈を確認する。ああ、彼の鼓動が聞こえた。大丈夫僕が必ず連れ帰る。<手首> #同題ss
2012-03-11 03:57:33「あの…」何があるという訳ではないが、じっと見つめられていれば、やはり多少やりにくい。「すげぇ、本当に動かねえ」手首をアームレストに置いたまま、指の伸縮だけでキーを叩く様が彼には珍しいらしい。慣れると楽なんだけど。「アレに似てるよなー」「え」「アレだ、王蟲!」〈手首〉 #同題ss
2012-03-11 03:55:09両の手首をシーツに縫い止められ身動きのできない僕。彼の熱のこもった視線で心臓を刺されれば纏翅された蝶のよう。甘い密に誘われて今夜も愛しい収集家の元を翔び立てない <手首>#同題ss
2012-03-11 03:48:45デスクワーク中に、隣席の相棒が大袈裟な溜め息と共にバニーちゃんはすげぇなぁ、と呟いた。キーボード、めっちゃ速ぇ。感心極まるといったその表情は些か心地良かったが、ゆるりと首を振ってみせた。「折り紙先輩には適いませんよ」あの人、キーを打つ時も手首が動かないんです。〈手首〉 #同題ss
2012-03-11 03:44:28いたいいたいいいた、やだ…やめろ。それ以上入んねえってい……ひぃ、っめろ!こわれ…ん、あああぁぁっぁ……ひぎぃぃぃ、い…んやぁ…てくび、うごかす……やだ、やあ…ひぃ。ん、ん…そこ…ふん…んく…おか…し…ひぁあ、ああァ…ソコきもち…いい…んぁ。も、やあ…っあ、ん<手首> #同題SS
2012-03-11 03:41:32あなたが僕の手首を強く掴んで。僕が動けない理由をあなたは知っている。あなたが動かない理由を僕は知っている。逃げられない?逃げない。放さない?放せない。この距離は、埋まることも開くこともなく。 <手首> #同題ss
2012-03-11 03:40:32@home 男の寝息と時計の音だけが響く深夜。投げ出された腕の、薄い皮膚の下、その力強い拍動。暗がりでもわかる色濃い静脈は噛み付いただけで簡単に破れそうだ。そうして全部飲んでしまおう。一滴も残したりするものか。それはほんの思い付きだったが至高のものに思われて<手首> #同題SS
2012-03-11 03:28:00虎徹さんの手首を掴み勢いでトイレに連れ込む。他の人と話しているのを見ると不安になって鼻の奥が熱くなる。だから二人きりになれるトイレに逃げた。離せって言われてもそれは出来ない。こんなに好きな気持ちどうすればいい…そしたら僕の心を見透かした様に虎徹さんの唇が触れた<手首> #同題SS
2012-03-11 03:26:42彼の右の手首を見る。緑のラインのPDA。元々は彼の左手の薬指ばかり見ていたものだから、そこから視線をそらそうと躍起になっていたものだから、今度は彼の右の手首を見るのが癖になってしまった。誰かの夫であるということも、ヒーローであるということも、ただまぶしい。<手首> #同題ss
2012-03-11 03:18:09