これからのエネルギー供給についての覚書

これからのエネルギー供給についてのツイート(2012/3/12)のまとめです。
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倉阪秀史 Hide Kurasaka @sustainablezone

再生可能エネルギーは繰り返し使えるエネルギーではありません。資源基盤が日々更新するエネルギーです。当然、更新量以上に使えば枯渇するおそれがあります(生物資源、地熱など)。でも、太陽からは膨大なエネルギーが地球に到達しており、資源量として不足することはありません。

2012-03-12 15:58:28
倉阪秀史 Hide Kurasaka @sustainablezone

生物資源や地熱も、計画的に使えばずっと利用することができます。化石燃料も自然起源だから自然エネルギーだという人もいますが、化石燃料や鉱物資源は過去の天体エネルギーの作用が溜められてできたものです。これらは資源基盤が再生しないので再生可能ではありません。

2012-03-12 16:33:57
倉阪秀史 Hide Kurasaka @sustainablezone

生産要素が再生可能(更新性)か枯渇性かといった区別は、主流派の経済学には存在しません。彼らは、将来の価値を現在価値に割り引いて低く評価してしまいます。将来世代までずっと続けられることを正当に評価できない思考フレームワークでの経済学教育が行われています。

2012-03-12 16:39:06
倉阪秀史 Hide Kurasaka @sustainablezone

①ここ数年という時間的な視野で日本のエネルギー供給を考えると、選択肢は限られてきます。化石燃料に依存するか、原子力発電を再開するかです。時間的な視野が短くて二項対立で考えている人に、再生可能エネルギーの話をしても、そんなものに頼れないからダメだという反応になるでしょう。

2012-03-12 17:24:47
倉阪秀史 Hide Kurasaka @sustainablezone

②5年~10年という視野でも再生可能エネルギーはまだ心許ない状況です。安定的な地熱発電は10年程度のリードタイムがかかります。北海道・東北に資源豊かな風力発電は、送電線を強化するか需要を移していくかしないと活用できません。浮体式洋上風力も実用化自体に5年以上かかります。

2012-03-12 17:25:05
倉阪秀史 Hide Kurasaka @sustainablezone

③30年~50年という時間的視野では、化石燃料価格が上昇し化石燃料依存は日本経済を圧迫することになります。一方、再生可能エネルギーを基幹的なエネルギー源として見込むことが可能となります。資源量は十分あります。

2012-03-12 17:25:22
倉阪秀史 Hide Kurasaka @sustainablezone

④100年を超える超長期の時間的な視野に立てば、原子力発電がそもそも選択肢から消えてしまいます。高速増殖炉の技術開発に失敗した現在においては、ウランは耐用年数が100年満たない枯渇性の資源です。

2012-03-12 17:25:37
倉阪秀史 Hide Kurasaka @sustainablezone

⑤長期的な技術開発は政策によって規定されます。50年後、輸入に頼る枯渇性のウラン資源になお依存する社会を望みますか、気象予測に蓄熱・蓄電・蓄エネルギー技術を組み合わせ再生エネで需要を充足する社会を望みますか。

2012-03-12 17:25:51
倉阪秀史 Hide Kurasaka @sustainablezone

⑥後者を望むなら、100兆円ある民間投資を、今から再生エネに向かわせないといけません。再生可能エネルギーがビジネスになることが必要です。これは利権ではありません。誰もにチャンスが開かれているわけですから。

2012-03-12 17:26:10
倉阪秀史 Hide Kurasaka @sustainablezone

⑦蓄エネルギー技術を抑えることは大変重要です。将来は電力だけで需給調整を行う社会ではなくなります。エネルギーを溜めておければ、遠く離れた洋上や山中でエネルギーを作っておけます。漁業者や林業者が副業として工場に水素を売りに行く社会を想像しましょう。

2012-03-12 17:27:28
倉阪秀史 Hide Kurasaka @sustainablezone

⑧蓄エネルギー技術を抑えれば世界に輸出もできます。「国家百年の計」を考えて、再生エネを立ち上げましょう。ただ、再生可能エネルギーが立ち上がるまでの間は、省エネを進めつつ化石燃料を有効活用することで乗り切るしかありません。地震国日本での原発再開は厳に慎むべきです。

2012-03-12 17:28:57
倉阪秀史 Hide Kurasaka @sustainablezone

⑨既存の火力発電はエネルギー量の約4割を熱として捨ててしまっています。需要側で熱電併給(コジェネ)を行ったり、コンバインドサイクルによって熱部分も発電に利用できるようにしたりすればもっと効率的に化石燃料を利用できます。

2012-03-12 17:29:41
倉阪秀史 Hide Kurasaka @sustainablezone

⑩従来、コジェネの評価を巡って電力会社とガス会社がいがみ合ってきました。この際、電気事業法とガス事業法は一本化し、熱供給も含めたエネルギー事業として新しく位置づけなおすべきです。

2012-03-12 17:30:31
倉阪秀史 Hide Kurasaka @sustainablezone

(蛇足)再生可能エネルギー推進者=原発再稼働論者というような短絡的な見方をする人々、原発も再生エネも同じ利権だという人々がいるようですが、先のことが見えていないのはあなた方です。

2012-03-12 17:31:09