旭丘大戦最終巻プロローグ〜worst evacuation〜

情熱の赤色 @passion_red_sky

旭丘大戦最終巻プロローグ〜worst evacuation〜

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あの攻撃の瞬間、すべてが終わったんじゃないかって思ってしまった。 現役軍ADF第二軍司令官、アフロ少将のメモより

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「はっ・・・はっ・・・はっ・・・」一人の現役軍兵士が、高速道路のインターと思われる地下へ走っていた。「・・・！アフロ少将、ダメです。天白川以西は完全に占領されています。しかも、川岸には砲台が・・・」「こちらに来るのも時間の問題か？」「そう、思われます。」

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「ついに植田帝国もか・・・」アフロ少将率いるADF第二軍は、今、名二環植田インターに陣を取っていた。「他の部隊はどうなってるの？」ちなつ大尉が兵士に問う。

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「ADF第一軍と第四軍は共に星ヶ丘、東山公園の林に隠れて陣を取っています。公園の西側、名大周辺でゲリラ的抵抗を続けているという情報がありますので、戦力的にはまだ大丈夫なのかと。

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ADF第三軍は先の西中旭丘同時奇襲をまともに受けていますので、戦力の消耗が激しく、ここから東に行った東郷町あたりで戦力を整えているところです。AGHとADF第五軍、特別軍、AAF第二軍、第三軍、第四軍は名古屋駅地下を中心に展開していると別の伝令から聞いています。」

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「AAF第一軍はどうしたんだ？」その言葉を聞いた途端、兵士の顔が暗くなった。

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「AAF第一軍は・・・西中旭丘同時奇襲時、スクランブル発進を行ってます。そして、きゃんど中将を始め、全隊員が撃墜され、それ以降、行方不明です。」

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「嘘だろ・・・あいつがか？」「はい、少なくともこちらが確認できるところにはいません。」「そうか・・・」なぜこんなことになっているのか、それは４日前にあった。

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４日前、第一次旭丘大戦の終戦条約が結ばれるはずだった。だが、西軍、中部軍が揃ってこれに反対。結局、この会議の翌日に終戦状態を解除することになってしまった。

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そして、翌日。西軍と中部軍が同時に旭丘高校へ進軍、現役軍を壊滅状態に追いやった。これにより、現役軍は二つに分断。先のような状態になってしまったのだ・・・これが西中旭丘同時奇襲と呼ばれる戦いである。

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この奇襲のあと、現役軍はこう宣言した。「たとえ最後の一兵になろうとも、我々は勝つ事をあきらめない。ここに第三次旭丘大戦の開戦を宣言する！」

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この瞬間、第三次旭丘大戦。後の最終大戦と呼ばれる大戦が、始まった。

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完