NHK:マイケル・サンデル究極の選択「許せる格差 許せない格差」 書き起こし・ほぼ完全版
- toshihiro36
- 34345
- 4
- 8
- 124
ミヒヤ: 私たちは同じ人間として助け合う義務があります。日本人だろうとインド人だろうとアメリカ人だろうと。その意味でもアウトソーシングが最も有益ではないでしょうか。つまり、一番収入が低くて仕事を必要としている人たちを助けることになるからです。だから僕はアウトソーシングに賛成です。
2012-03-20 21:18:01古田: そうですね、世界中みな人類兄弟だと、70億人一緒だと言われる気持ちは分かるんですけれども、やはり価値観だったり生活環境もかなり違うと思いますし。僕が社長でしたら、日本の、自分の企業の雇用を守りたいという気持ちも理解していただける部分もあると思いますし。
2012-03-20 21:23:02猪瀬: ですが会社が倒産してしまったら、そのほかの雇用も守れなくなりますよね。アウトソーシングをできる部分をせざるを得ないのが、今の潮流ですからね。この流れを止めることはできないと思いますけれどもね。
2012-03-20 21:26:28古田: 外にどんどん出していくことが全ていいのかというとまた違うので、頑張れる範囲ならできるだけ雇用というものを確保しながら別の策を考えて欲しいなと。
2012-03-20 21:33:30サンデル「眞鍋さん」 眞鍋「自分が社長だったらということを考えると、国内の雇用をそこまで守る義務があるかちょっと分からないです。ある程度利益を追求するための…会社はそういうものじゃないかと根本としてそう思うので。会社である以上、利益の追求をしていいんじゃないかと思います。」
2012-03-20 21:38:16サンデル「ルーカス、誰に賛成する?」 ルーカス「私たちは自分の国に対する特別なつながりがあると思います。文化的なつながりだけでなく、その国の社会の仕組みのおかげで今の地位や収入を築けたわけですから、社会への恩返しの義務があると思います。」
2012-03-20 21:41:56サンデル:古田さんに賛成だね。同じ国の国民同士は特別な義務を負っていると。とても興味深い。私たちは自分の国により特別な義務があるのか、それとも人類全体への貢献を考えるべきか。 では次に、アウトソーシングに頼らず、会社を経営難から救う別の解決策の話をしよう。
2012-03-20 21:46:32アニメが流れます
【アニメ】役員: 社長、うちの経理部門に優秀な移民労働者を採用することができて、本当に良かったです。見て下さい、彼らを。給料は正社員の半分、福利厚生の待遇にも格差はありますが、それでも母国での生活に比べればずいぶんと恵まれた環境ですよ。
2012-03-20 21:51:48【アニメ】移民労働者: ちょっと待って下さい。私たちは毎日、正社員と同じ仕事を一生懸命しています。外国人というだけで、なぜ私たちの給料は低いんですか?これはフェアじゃないです。私たちの給料を上げて下さい。このままでは納得いきません。
2012-03-20 21:55:00【アニメ】役員: それは無理な話だ。君たちを雇ったのは、はっきり言って君たちの賃金が安いからなんだよ。今の給料で働いてくれる人は、世界を探せばいくらだっているんだ。君たちも職を失いたくはないだろう。
2012-03-20 21:57:59【アニメ】正社員: 何ですか、それ。そんな話はおかしい。コストを切り下げ会社だけが生き残れば、社員の生活や幸せはどうでもいいんですか。会社ってそんなものなんですか。社員あっての会社でしょ。
2012-03-20 22:03:52スタジオに戻ります
サンデル: ではまず全員に聞きたい。正社員より低い賃金でも働きたいという移民労働者を雇うこと自体に問題はあるのだろうか。正社員と移民労働者の賃金の格差は感じるが、アウトソーシングと同じだけのコストが削減できるとしよう。このやり方は許せない、問題があるという人は何人いるだろうか?
2012-03-20 22:11:39サンデル: 上海で4人、ボストンで1人、ゲストは0。ではまず、これは許せないという意見の人から聞こう。彼らは賃金が安くても働きたいと言っているのに、何がいけないんだろう。上海のヤン、どう思う?
2012-03-20 22:19:50ヤン: これは明らかな差別です。周りの人と同じ仕事をしているのに、それより安い給料しかもらえなかったら、きっと差別を受けていると感じるでしょう。こうした格差は従業員の間で怒りや嫉妬を生み、ひいては会社全体の雰囲気が悪くなると思います。
2012-03-20 22:23:33