リュートと果物の静物画を見ても死を覚悟しなくていいぞ

かつて、こんなまとめがあったとさ。 「リュート(楽器)と果物が描かれた静物画を見たら死を覚悟しろ」http://togetter.com/li/222138 一時は『vanitas』が流行語にまでなりかけたが(俺TL調べ)、それから年を越して2ヶ月後、いろんな方面から異論が挙がってきた。さらに「『リュートは○○の象徴』なんて根拠もアヤフヤで唱えてるような、そんな人文科学って科学なの?」と根本的な問題提起までされるに至ってしまった。 続きを読む
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※文脈構成をクリアにするためタイムラインの一部でつぶやきをを前後させています。

ふたりのイントロダクション

@ponkitiさんと@cahier_grisさんの間で音楽図像学の研究方法について対話が始まった。

ぴょんきち @ponkiti

絵画に描かれた楽器や弾いている様子や音空間が興味の対象なんだけど、そうなると民俗学に近づくような気がする。

2012-02-05 20:54:53
たけぞう @cahier_gris

@ponkiti 音楽図像学ですね!僕も中世ヨーロッパの社会における音楽に関心があるので、図像資料を利用した研究も最近ちょっと調べていました。

2012-02-05 22:01:03
ぴょんきち @ponkiti

@cahier_gris そうです、音楽図像学です。私は日本の中世が対象ですけれど、『中世の秋』における鐘の音のように西欧の方が研究が進んでいそうなので参考にさせていただきたいです!西洋絵画でよく見るリュートと琵琶は似ているので親近感が(笑)

2012-02-05 23:07:53
たけぞう @cahier_gris

@ponkiti 日本だとどれくらい研究があるのかわからないのですが、ヨーロッパだと数十年前から研究が盛んになり、専門の雑誌もできたりしてすでに一つの分野として確立した感がありますね。邦語による論文もあるので(たとえば上尾信也氏)、方法論としては参考になるかと思います。

2012-02-05 23:19:38

上尾信也(あがりお・しんや)[西洋史(中世芸能史)、桐朋学園芸術短期大学教授]
http://researchmap.jp/read0074731/

たけぞう @cahier_gris

象徴としての楽器の意味を探るほかに、その描かれ方が当時の音楽実践を知る手がかりになるのではという文脈での研究も。

2012-02-05 23:28:04
たけぞう @cahier_gris

もちろん歴史研究における図像資料の利用にはいろいろな留保と困難が伴うわけだが。

2012-02-05 23:30:05
ぴょんきち @ponkiti

@cahier_gris 専門の雑誌にもなっているんですね。さっそく上尾氏の本もチェックさせていただきます。日本での研究はまだまだ手探りのようで、やはりヨーロッパでの研究を参考にしている感があります(私の勉強不足かもしれませんが…)。ありがとうございます!

2012-02-06 08:08:20
たけぞう @cahier_gris

@ponkiti いえいえ!特にこの論文 http://t.co/xesVQXoD は王権による音表象の利用を図像資料をもとに論じていて、註が入口になる文献を知るのに役立ちます。あといちおう、その雑誌はImago musicaeですが、日本だと最近の巻は所蔵館が少ないです

2012-02-06 08:23:27

『Imago Musicae』
LIBRERIA MUSICALE ITALIANA刊
http://www.lim.it

Google Booksで古い号が部分的に読めます。

たけぞう @cahier_gris

図像学の基礎は一度まともに勉強せねば。

2012-02-06 08:35:19
ぴょんきち @ponkiti

@cahier_gris 具体的な論文もあげていただいて…!助かります!Imago musicaeは大学に所蔵されていましたがやはり最新のはないようですね。

2012-02-06 08:55:14
ぴょんきち @ponkiti

通常、勉強等はほぼ独学だから参考文献や研究方法などを教えていただけるのは本当にありがたい!以前スクーリング後に先生に質問したら怒られたの…。(だって聞ける人がいなかったんだし、初歩的な質問すぎたということか……しくしく…)

2012-02-06 09:00:11
たけぞう @cahier_gris

@ponkiti 通信で勉強されているとたぶんそのあたりが一番の苦労かなと思います。僕もへっぽこな一学生ではありますが、お役に立てるなら光栄です!問題関心に近いものを感じて嬉しかったので(笑)。

2012-02-06 09:29:31

そしてラウンド2のゴングが鳴る

このふたりのやり取りを拾って焚き付けたのは、今回もこの人↓だった。

Pinguino @kaorekaora

音楽図像学といえば、@aymro さんがまとめてくださったこれ→「 リュート(楽器)と果物が描かれた静物画を見たら死を覚悟しろ」 http://t.co/eBWQNSgK のときからまだあんまり考えが進まないのでどなたか続きを考えてほしいあるよ…

2012-02-05 23:18:31
Mad Mumin怒りのluthロード @lute_koide

@kaorekaora @aymro 興味深く拝見しました。クレーのことに言及されていたので思い出しましたが、これが「リュート」だとの説明を見たときはコケました。(笑)自作の曲までついています。描いた絵をわざわざ半分に切って貼ったのだとか http://t.co/GzciMXKG

2012-02-06 00:23:36
拡大
“‘harpia harpiana’ , für Tenor und Sopranobimbo (unisono) in Ges” [n° 447] (1938) -- Paul Klee

〝「ハルピア・ハルピアーナ」、テノールとソプラノビンボー(ユニゾン)のための、変ト長調で” 昨年の『パウル・クレー おわらないアトリエ』展(東京国立近代美術館ほか)でも展示された作品。 くだんの猫の名前が「bimbo」らしい。 電子音楽を多く発表したノルウェイの作曲家アルネ・ノールヘイム(Arne Nordheim)がこの絵を含むクレー作品から曲想を得て、ヴァイオリニストPeter Her..

鮎麻呂 @aymro

@pokopenus 先生にまた読み解いてもらいたい。左の絵の下のそれ、ムーミンに出てても違和感ない QT @lutenist_koide @kaorekaora aymro クレー/これが「リュート」だとの説明を見たときはコケました。 http://t.co/MDJDJ4cZ

2012-02-06 00:31:02
Mad Mumin怒りのluthロード @lute_koide

@aymro @pokopenus @kaorekaora ムーミンに出てきそうといえば、確かに「モラン」というムーミンに出てくる女の怪物にそっくりです<左の絵の下のへんな生き物。  でも残念ながら「」 なんだそうです。ちゃんとオヒゲがあるんですよ

2012-02-06 00:53:08
『ムーミン』より「モラン」

フィンランド語では“Mörkö”。  ……へんななまえ。 スウェーデン語で“Mårran”とのこと。フィンランド人作家トーベ・ヤンソンは『ムーミン』をスウェーデン語で書きました。駐日フィンランド大使館のコメントが待たれるところです。 各国語版それぞれ違う名前のようで詳細は英語版Wikipedia「The Groke」にて(本項タイトルにリンク)。

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