【腐:T&B】自作倉庫【#同題ssTB】

特にCPを気にせずまとめてありますので、地雷の多い方はご注意下さい。 同題二次TBのまとめはこちら >> http://togetter.com/li/543952 その他のssTBはこちら >> http://togetter.com/li/543955
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伽哉 @muon_kaya

「途中までは数えていたのに」気だるげな身体を起こし、差し出されたペリエを受け取る。何が?視線だけで問うてきた虎徹さんと、掠めるように唇を重ねる。「キスの回数」水を一口含み、またリップ音。無理だろ。虎徹さんが笑う。「だって、呼吸の回数は数えらんないじゃん?」<数字> #同題ssTB

2012-04-04 16:23:04
伽哉 @muon_kaya

「どうしてそこまで数字に拘るんだよ、そんなに視聴率が大事か!?」いつの頃だったか、視聴率ばかりを求めるアニエスと言い争いになった。「そうよ、視聴率命で何が悪いの!?アンタ達が活躍する姿を見る人間が多ければ多いほど、NEXTの存在が周知されるじゃない!!」<数字> #同題ssTB

2012-04-04 16:13:49
伽哉 @muon_kaya

高層ビルの窓ガラス清掃は、ビルの壁面をゴンドラで降下しながら2人1組で窓を磨き上げていく。室内の様子は勿論、口外禁止。「なぁ、今キスしてなかったか」「や、やだなぁ気のせいですよ」アポロンメディアヒーロー事業部フロアの窓清掃は、ポーカーフェイスとの戦いだった。<窓> #同題ssTB

2012-04-04 10:27:17
伽哉 @muon_kaya

「1+1=2」が腑に落ちなかったという話をした俺に、バニーは更に首を傾ける。1と1なら2になれるのに、人間同士はそうもいかない。「だから、抱き合うんだろ」さっと周囲を見回し、苦し紛れに耳元でそう囁く。瞬時に赤くなったバニーに、思い切り向こう脛を蹴られた。<数字> #同題ssTB

2012-04-04 10:10:40
伽哉 @muon_kaya

「俺、昔1+1が2になるのがどうしても納得できなくてさ」幼児向け教材用の写真撮影後、虎徹さんが唐突に口を開いた。意味が解らないと首を傾げれば、言葉に迷う様子で頬を掻く。「だって、俺とバニー…1人の人間同士が並んでも、くっついて一つの数字にはなれないじゃん」<数字> #同題ssTB

2012-04-04 09:55:23
伽哉 @muon_kaya

「どこでスイッチ入ったんだよ」風呂上りにペリエを傾けた虎徹が、意地悪そうに口角を上げる。「煩い風の中、2人だけになれたような気がしたので」溶けて一つになれそうな錯覚がしたんです。我に返れば莫迦な妄想だと自嘲すれば、虎徹は唇を尖らせてそっぽを向いた。<暴風雨> #同題ssTB

2012-04-04 01:12:08
伽哉 @muon_kaya

特に出動要請もなく、風も止春雨が降り注ぐだけとなった街は普段の静けさを取り戻したようだった。我に返ったらしい仏頂面のハンサムと向かい合い、狭いバスタブへ浸かる。「なあ、バニー…」ベッドでリベンジする?耳元でそう囁いてやれば、ブクブクと湯船へ沈んでいった。<暴風雨> #同題ssTB

2012-04-04 00:31:23
伽哉 @muon_kaya

一度帰宅するなりその場に押し倒され、必要最低限だけ寛げた格好で天井を仰ぐ。ビルを吹き抜けた風は轟々と低く唸り、二つの荒い呼吸と相成って眩暈がする。視界の隅で見っとも無く揺れる靴を履いたままの足先。「こてつ、さんっ…!」汗の浮かんだ額を引き寄せて口付けた。<暴風雨> #同題ssTB

2012-04-04 00:13:38
伽哉 @muon_kaya

一際喧しく鳴った物音へ気が逸れた虎徹へ、バーナビーは何度目かの腰を進めた。堪え切れず漏れた嬌声も、今日ばかりは外の騒音に紛れてしまう。想定よりも長引いた暴風雨に、交代で出動待機令が解かれた僅かな時間。今だけは鳴ってくれるなと、視界に挟んだPDAを睨んだ。<暴風雨> #同題ssTB

2012-04-04 00:08:59
伽哉 @muon_kaya

人間がもっと不完全な形をしていれば良かったのに。キスという、唇を合わせ粘膜を探り合う行為に意味を見出したのは誰なのか。身を繋げるという行為に用いる箇所はたかが数センチの深さで、意味もなく遺伝子を吐き出し続けているだけだ。「ばにっ、バニー」意味はない筈なのに。<穴> #同題ssTB

2012-03-30 09:56:33
伽哉 @muon_kaya

ただでは食われてやらねぇよ?突き出した赤い舌で唇を舐め上げ、焦らすようにネクタイを引き抜く。その気になった虎徹さんは性質が悪い。「食べられてるのは、僕の方か」バーナビーが全てを押し込んだ下腹部を撫で、ほっと満足そうな笑みを浮かべた彼に、酷い目眩がした。<食べる> #同題ssTB

2012-03-30 09:50:16
伽哉 @muon_kaya

「お腹が空きました」「はいはい、今飯にすっから」「お腹が、空きました」背後から抱き寄せられ、漸く言葉の意味に気付いた。舐め上げ、歯を這わせられていく首筋に、全身が総毛立つ。「この欠食児童」上体を捻り、端正な顎を鷲掴んでその形の良い唇へと噛みついてやった。<食べる> #同題ssTB

2012-03-30 09:38:44
伽哉 @muon_kaya

嫌な大人になったものだと思う。「虎徹さん!」例によって回避を選択した虎徹を抱き寄せたバニーに、否応なく唇を奪われる。噛み潰した奥歯から吐き出されたのは、呪いの言葉だった。「この心臓を鳴らしているのは、紛れもないあなたなんですよ」ああ、もう逃げられない。<鳴らす> #同題ssTB

2012-03-30 09:11:07
伽哉 @muon_kaya

「俺とバニーが似てる!?」いつものバーで2人、酒を煽った時だった。どこがだよ。何気ないアントニオの発言に虎徹は首を傾げる。「大切な人を失った穴を埋めようとしないところ、とか」だから出会えてよかったなと笑えば、旧友は見たこともない顔で悔しげに唇を噛んだ。<穴> #同題ssTB

2012-03-30 08:51:47
伽哉 @muon_kaya

抱き枕にされていたむず痒さを堪えながら、腕の中で起こさないようそっと寝返りを打つ。間近で見る長い金の睫毛が影を落とす整った顔立ちに、そっと感嘆の溜息。ああなんて声をかけて起こそうかと考えるうちに、いつの間にかバニーの寝顔鑑賞会が休日朝の日課になっていた。<眠り> #同題ssTB

2012-03-29 09:30:28
伽哉 @muon_kaya

「こてつ、さん?」布団の隙間から流れ込んだ冷たい空気に、目もあかないまま手さぐりでぬくもりを探す。「ぼくをひとり、ベッドへのこすんですか」「俺はもう小一時間バニーちゃんの寝顔を眺めた後なの」甘く名を呼んで髪を梳いてもらえるなら、眠りから覚めるのも悪くない。<眠り> #同題ssTB

2012-03-29 09:09:10
伽哉 @muon_kaya

「悪ぃ、起こしちまったか?」昨夜脱ぎ散らかした下着とワイシャツを羽織っただけの無防備な格好で、ベランダの虎徹さんが微笑む。「まだ風は冷たいなー」春の日差しの暖かさは、まだこの街へ届かない。戸を閉めベッドへと戻る冷えた彼の身体を温めるのは、まだ僕だけの特権だ。<春> #同題ssTB

2012-03-29 08:53:26
伽哉 @muon_kaya

「虎徹さん、桜の蕾が膨らみ始めましたよ!」昼下がり、公園を囲む桜並木を指さしたバニーが嬉しそうに微笑む。ああ瞬きの度、この瞬間を留めるシャッターが切れればいいのに。――虎徹くん、ほら桜が満開よ!そんな莫迦なことを考える程度には、2度目の恋に溺れている。<まばたき> #同題sstb

2012-03-15 09:12:02
伽哉 @muon_kaya

「よし、来い!」甘い初めての夜を夢見ていた自分が愚かだったのか。「そうですね、虎徹さんですもんね」「んだよその目は…嫌ならやんなくてもいーんだぞ!」薄暗い寝室のベッドに全裸で胡坐を掻いた虎徹を前に、溜息を一つ。それでも鎮まらないらしい自身が、恨めしかった。<全裸> #同題ssTB

2012-03-14 08:39:46
伽哉 @muon_kaya

楓から聞いた「おやすみメール」とやらを試してみたが、1時間経ってもバニーからの返信はなし。何だノリが悪いなと布団に潜り込んだ矢先、玄関チャイムが鳴った。「あんなメールされたら、声聞いても足りません」悔しげな表情のバニーに苦笑して、冷えた身体を抱き寄せた。<声> #同題sstb

2012-03-13 19:18:49
伽哉 @muon_kaya

初めは無意識だったと思う。「おっ、どうしたバニー?元気ねぇな」あまりにもソリの合わない年上の相棒との付き合いに疲弊して、たまたま零していたであろう溜息。「バニー、バニー?どうした、飯にすっか?」今はもう、その声を聞く手管になっている。<声> #同題sstb

2012-03-13 14:55:22
伽哉 @muon_kaya

押し当てた舌に、掻き抱いた背が跳ねる。薄い肌の下で蠢く筋に時折歯を立てては、唇を噛んで嬌声を耐える様に口角を上げた。酷く動物的な接触、男同士の行為に溺れるという矛盾。「っか、やろ…こっち、集中…しやがれ!」ああ恐らく彼の脳裏にも、同じ愚問が浮かんでいる。<背中> #同題sstb

2012-03-13 14:45:57
伽哉 @muon_kaya

少しかさついた指先が白い肌へ隠れた動脈を辿る、撫でる、引っ掻く、触れて、小さな熱が蟠る。手持無沙汰だと、虎徹がバーナビーの手首を弄り始めたのはつい数分前のこと。持ち帰りの資料から目を離さない虎徹を、横目で一瞥。「これ読み終わったら、な」だからこの人は嫌いだ。<手首> #同題ss

2012-03-11 11:11:15
伽哉 @muon_kaya

その左肩が湿っていくことに、僕が気付いていないとでも思っているのだろうか。ああ、俺達帰る方向一緒だから傘お貸ししますよ!鉢合わせた女性に傘を貸した虎徹と、仕方なく1本の傘に寄り添う。家路を辿る足取りが遅いのは、単に傘持ちを代わる上手い台詞が思いつかないからだ。<雨> #同題ss

2012-03-11 11:03:21
伽哉 @muon_kaya

バニーちゃーん、いつまで齧ってる気なの。熱く濡れた舌が、今は外されたPDAをなぞるように這い回る。時折り頸動脈に歯を立てては、翡翠の瞳が剣呑に揺らいだ。燻り返す半身の熱に、舌打ちひとつ。こてつ、さん。名を呼ばれればもう、再び金糸をシーツへ広げざるを得なかった。<手首> #同題ss

2012-03-10 09:07:55