ビガー・ケージズ、ロンガー・チェインズ #5
BOOM!BOOM!キャノン砲が放たれる。一発はドラゴンベインの驚異的跳躍速度を捉えきれない。もう一発は彼の脇腹を僅かにかすめた。「イヤーッ!」そのままドラゴンベインは、背部アーマーによって二倍以上の体長を持った敵の肩へ、蹴りを叩き込む! 21
2012-03-24 16:05:24「イヤーッ!」ネブカドネザルが腕部ミサイルを発射!尾を引いて飛来するミサイル群!「イヤーッ!」ニンジャスレイヤーは咄嗟にアムニジアを抱えた。「ンアーッ!」そして横跳びに転がる!「イヤーッ!」ブラックヘイズは両腕からヘイズネットを展開!KABOOOM! 22
2012-03-24 16:08:33彼の両手から放たれたヘイズネットはミサイル群を絡め取り、無効化!「イヤーッ!」空中へ放った直後、ミサイルは爆発した。「オムラと調整する時間があればな……」ブラックヘイズがぼやいた。バスター・テツオは?彼は役員達を促し、装甲ヘリへ走っていた。「奴を攻撃させるな!」 23
2012-03-24 16:12:41もはや迎撃システムは無意味。オナタカミ専務は携帯端末から屋上コントロールシステムに短距離無線アクセスし、停止させた。テツオが操縦席へ、他の者は後部へ雪崩れ込む。「アムニジア=サン。君はニンジャスレイヤー=サンと連携し、ヘリに対する攻撃を阻止せよ。生き延びたなら追加指示を出す」24
2012-03-24 16:19:01「把握しました、同志」アムニジアはニンジャスレイヤーから身をもぎ離した。テツオが叫んだ。「ニンジャスレイヤー=サン!君はアムニジア=サンを見殺しにできまい。また会える日を楽しみにしている!」「……」ニンジャスレイヤーは目を細めた。得体の知れぬ存在……! 25
2012-03-24 16:24:19「イヤーッ!」「グワーッ!」ネブカドネザルのジェット加速パンチがドラゴンベインを捉える!白金のニンジャは身体をくの字に曲げて吹き飛んだ。「逃がすぐらいなら殲滅も止む無しです」ネブカドネザルは無感情に宣告し、徐々に浮上するヘリめがけ腕部を突き出す。ミサイル攻撃だ! 26
2012-03-24 16:31:11「キエーッ!」アムニジアが大弓を構え、素早く射撃した。ネブカドネザルのミサイルハッチを矢が直撃、破壊!ネブカドネザルはもう一方の腕部ミサイルを構える。「イヤーッ!」ニンジャスレイヤーの放つスリケンがこちらのミサイルハッチを破壊!タツジン! 27
2012-03-24 16:37:08BOOM!BOOM!BOOM!BOOM!肩のキャノンがアムニジア、ニンジャスレイヤー、フェイタル、ブラックヘイズめがけ、無差別めいた砲撃を開始!「パージします」同時に腕部ミサイルを廃棄、かわりに腕部ガトリング砲が展開! 28
2012-03-24 16:41:12BRATATATATATAT!ガトリング砲が容赦なくニンジャ達を狙い撃つ。ニンジャスレイヤーの目が光った。圧倒的攻撃の危険を前に、腰に下げたヌンチャクの封印が解かれる!「イイイイヤアァァァーッ!」アムニジアをかばうように立ち、恐るべき速度でヌンチャクを振り、銃弾を弾き返す! 29
2012-03-24 17:02:26「イヤーッ!」フェイタルはガトリングの銃撃をつぶてめいて受けながら、致命的なアサルトキャノンの砲撃だけを避け、徐々に間合いを近づけてゆく。鋼鉄めいた筋繊維を銃弾が削ぎ落とす。無視できないダメージである!「ブラックヘイズ=サン!わかっているな。やれ!」獣人は叫んだ。 30
2012-03-24 17:05:30「イヤーッ!」ブラックヘイズがフェイタルの陰から横に飛んだ。狙いはニンジャスレイヤーの後ろで弓を構えるアムニジアだ!「ンアーッ!?」ブラックヘイズが被弾しながらアムニジアを押し倒し、転がる!ウカツ……否、恐るべきはザイバツ・チームの我が身を顧みぬ大胆な行動! 31
2012-03-24 17:14:18「ユカノ!」ニンジャスレイヤーが叫んだ。一瞬、集中が途切れ、ガトリング弾が彼の、そしてブラックヘイズとアムニジアの身体をかすめた!「グワーッ!」「グワーッ!」「ンアーッ!」なんたるジレンマ!彼はこのまま防御を続け、むざむざとアムニジアを……いや、ユカノをさらうに任せるのか!?32
2012-03-24 17:17:37「オイオイ、しっかり守ってくれたまえ。ニンジャスレイヤー=サン」ブラックヘイズはアムニジアの腕をねじり上げて拘束し、低く言った。「離せ……離せッ」アムニジアが呻き、力を込めて拘束をはがそうとする。ブラックヘイズは眉根を寄せる。「こいつ……この力。ニンジャか」 33
2012-03-24 17:28:11「離せーッ!」「面倒が増えていかんな」ブラックヘイズはアムニジアを締め上げる。「ユカノ!……ヌウウーッ!」ニンジャスレイヤーはやむなくヌンチャクで二人を守り続け、攻撃の糸口を探る。何たる残酷な運命か!BRATATATATATAT!「フェイタル=サン!確保した。退散……」34
2012-03-24 17:53:47ブラックヘイズは目を見開く。「バカめ……無茶をしたか」彼はアムニジアの腹部を殴り、いとも容易く昏倒させると、アームをフェイタルめがけて射出した。フェイタルは仰け反りながら後退……いまだ銃弾を受け続けている。獣めいた姿が徐々に人間へ戻りつつある。アームが彼女の二の腕を掴む。 35
2012-03-24 18:02:31BOOM!BOOM!アサルトキャノンの砲撃!ヘリが被弾!弾丸のもうひとつはフェイタルを狙ったが、アームが収縮し、回避!ブラックヘイズのもとへフェイタルの身体が飛び込んでくる。「俺はお前に腹を立てているぞ。フェイタル=サン」ブラックヘイズは呟く。返事は無い。 36
2012-03-24 18:10:57「……行け」ニンジャスレイヤーは 腹の底から絞り出すような声を出した。誰に?ブラックヘイズに言ったのだ。無念の声であった。「このまま攻めずにおれば、いずれ、みな、死ぬ」「……そうだ」ブラックヘイズは抑揚の無い声で言った。「お前にはその選択肢しか無い。犬死には最悪の結末だ」 37
2012-03-24 18:20:10「だが必ず取り戻す」ニンジャスレイヤーは言った。ブラックヘイズは空虚に笑った。「心中お察し申し上げる……ともあれお前は、当座の敵に勝つ事と、俺が厄介な荷物を二つ抱えて逃げられる事を祈っておけ」バラバラバラバラ!上空でヘリのローター音に変化が生じつつあった。騒音が増している。 38
2012-03-24 18:34:15上昇するテツオのヘリの上から、降下してくる別の小型ヘリ有り。鎖で何かを吊っている。アサルトキャノンが重点的にヘリ達に狙いを定める!「イヤーッ!」ブラックヘイズがビルの淵めがけ駆け出すのと同時に、ニンジャスレイヤーが仕掛けた。右手でヌンチャクを回しながら、左手でスリケン投擲! 39
2012-03-24 18:42:01BOOM!アサルトキャノン発射の瞬間にスリケンが肩に命中、ネブカドネザルがよろめく。「イヤーッ!」ニンジャスレイヤーは立て続けにスリケンを投擲した。「イヤーッ!」その横後方からもスリケンが投げつけられ命中!ドラゴンベインだ!腹部装束が円形に削ぎ落とされ、赤い肉が見えている。 40
2012-03-24 18:48:15「イヤーッ!イヤーッ!イヤーッ!イヤーッ!」「イヤーッ!イヤーッ!イヤーッ!」二人のニンジャは激しくスリケンの連投を開始!ネブカドネザルはスリケンを受けて各部から火花を噴き出す。「無視できないダメージです。対応が必要」アサルトキャノンが肩部に格納され、球状の放電が彼を包む! 41
2012-03-24 18:52:36すると、ナ、ナムサン!スリケンはこの球状の放電を越える事ができず消滅してしまう。これが恐るべき電磁バリアのテクノロジーなのだ!「イヤーッ!」ネブカドネザルが腕をバリアの外に伸ばし、ガトリング砲をヘリに向けた。BRATATATATATAT! 42
2012-03-24 19:04:32小型ヘリがテツオのヘリを庇うようにすれ違い、銃撃を受ける。テツオのヘリは攻撃圏を離脱!KABOOM!小型ヘリが爆発し、スピンしながら斜めに落ちてゆく……鎖が切り離され、吊られていた何かが落ちた!「あれは自動操縦だ」ドラゴンベインが言い、落下してくる大質量の物体めがけて駆ける!43
2012-03-24 19:08:17「イイイヤアァァーッ!」スリケンが効かぬと見るや、ニンジャスレイヤーは即座に状況判断してヌンチャクを構え直した。ブラックヘイズはビルから飛び降りた。どのように立ち回るか、それはわからぬ。だがあのニンジャならば勝算の無い選択はせぬであろう。もはや護らねばならぬ者はここには無い。44
2012-03-24 19:31:36あるのはただ、倒すべき敵のみ……このネブカドネザルを速やかに滅ぼす。その後、邪魔をするならば、白金のニンジャも排除する。なにも迷う事は無くなった!ニンジャスレイヤーはガトリング砲を弾きながら前進を開始! 45
2012-03-24 19:33:37