論文「『中欧』アイデンティティの夢と現実」(思想 No.1056) をめぐって (2012年3月)

▽論文「『中欧』アイデンティティの夢と現実 : 拡大EU・NATOのリアリティ」(羽場久美子、「思想」No.1056, pp. 9-29)をめぐる nakkhtak(なくたく)さんの批判的コメンタリー。 ▽雑誌「思想」2012年第4号(No.1056)は、特集「「中欧」とは何か?──新しいヨーロッパ像を探る」を掲げる。 「I 問題としての「中欧」」、「II 歴史の中の「中欧」」、「III 「中欧」の芸術」の三部構成。 寄稿者(掲載順)は、第I部: 羽場久美子, 大竹弘二, 小林 純, 三谷惠子, 佐藤雪野。第II部: 板橋拓己, ヨゼフ・クロウトヴォル, ユルゲン・フレーリヒ, 深井智朗, マケドニクス〔フランツ・ローゼンツヴァイク〕。第III部: 赤塚若樹, 伊東信宏, 上田和夫, 沼野充義, 栃井裕美。 →▼『思想』No.1056|岩波書店 https://web.archive.org/web/20150202082216/http://www.iwanami.co.jp/shiso/1056/shiso.html 続きを読む
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@nakkhtak

ディシプリンの違いでは説明できないアレさが漂ってきていて,「なんでこんなのを巻頭にしたんだ!」と叫びたい気分です……。 RT @haqq_e_namak 国際政治学者が歴史で火遊びすると大体炎上するがその花火がまぁすこっみゅーにけーしょんでは大受けというよくあるお話

2012-03-31 04:46:27

 

@nakkhtak

続いてマケドニア,ボスニア・ヘルツェゴヴィナ,モンテネグロ,最後にコソヴォが次々にセルビアから分離独立する中で」(24頁)。セルビアから独立したのはコソヴォだけだよ! どんだけ大セルビア主義なんだよ! あと次々って,マケドニア独立からコソヴォ独立までは17年も離れてるよ!

2012-03-31 04:50:01
@nakkhtak

1993年,コペンハーゲン・クライテリアの導入により,(……)8万ページに及ぶEU法を自国の国内法に適用していく作業が始まった。これらは,1995年にEUに加盟した中立諸国(……)には適用されなかったため」(23頁)。なにそれこわい。

2012-03-31 04:53:00
@nakkhtak

当たり前だけど,EU加盟国である以上,中東欧の新規加盟国だろうが創設メンバーだろうがacquis communautaireの導入は義務です。コペンハーゲン基準でacquis communautaireに言及があるのは確かだけど,適合作業じたいはフィンランドとかもやったはず。

2012-03-31 04:56:07
@nakkhtak

そのひとの博士論文は出版されてますが,それも結構アレな本だという評判みたいです。 RT @haqq_e_namak ツイートを拝見する限りそーとーひどそうですな。よっぽど〆切ギリギリに適当に書いて出したか……えらくなるとどうしようもないのがうっかり何故か載りますからねー

2012-03-31 04:57:19

 

@nakkhtak

ましてや,ソ連邦の中に組み入れられていたバルト三国,ルーマニアやブルガリアの改革は遅々として進まなかった」(23頁)。「組み入れられていた」ってどこまでにかかっているのかすごく興味があります。いやマジで。コンマの前までで区切ってあるんですよね? そうだと言ってください……

2012-03-31 04:59:31
@nakkhtak

PIIGSと呼ばれる(ポルトガル,イタリア,アイルランド,ギリシャ,スペインなど)南欧諸国」(27頁)。アイルランドは南欧だったのか……知らなかった……あとPIIGSにそれ以外の国は入ってないから「など」は不要です。

2012-03-31 05:01:20
@nakkhtak

2001年のイラク戦争の際には」(23頁)。2001年はアフガニスタン戦争です。イラク戦争は2003年。

2012-03-31 05:02:48
@nakkhtak

アウシュヴィッツ(オフェシンチウム)」(18頁)。正しくは「オシフィエンチム(Oświęcim)」です。

2012-03-31 05:05:25
@nakkhtak

現代政治でもけっこうダウトが見つかるというかもうどうすればいいんでしょうかこの方w RT @haqq_e_namak 発信がうまい軽やかな方なんでしょうな。まさに頑張ってください「や」……出来れば歴史の火遊びは勘弁して欲しいものですが。こっちに迷惑がかかるので。

2012-03-31 05:06:19
@nakkhtak

歴史的な軍事大国に挟まれ翻弄されてきた『はざまの』国々」(28頁)。ドイツは「歴史的な軍事大国」ではありません。好意的に解釈すると,まあプロイセンは軍事大国かもしれませんよね……

2012-03-31 05:08:51
@nakkhtak

ですよねーw RT @haqq_e_namak 笑えばいいと思うよ(こら

2012-03-31 05:13:37
@nakkhtak

もうあちこちに挟まる中欧への熱い思いをぶつけたポエムに突っ込む気力は起きないです……

2012-03-31 05:14:02

 

栃井裕美「バルカン文学の可能性 : ユーゴスラヴィアの作家,キシュとアルバハリ」(『思想』No.1056 収載)

@nakkhtak

あと,これはまだ読んでる最中だからなんとも言えないけど,栃井裕美「バルカン文学の可能性:ユーゴスラヴィアの作家,キシュとアルバハリ」『思想』1056,2012年,298-326頁にも気になる箇所が。

2012-03-31 05:16:16
@nakkhtak

註12で,「モンテネグロ人はもともとセルビア民族である。しかし,その概念は政治と切っても切り離せない」(318頁)というすさまじい記述が……。いや勿論,「モンテネグロ人」を独立した民族として扱うのも政治だけど,「もとはセルビア人」と言明するのも政治的営為ですから!

2012-03-31 05:18:11
たまトド(Tama &Todo) @nekotamatodo

@nakkhtak 民族って単語にあまりにも無頓着な人って困りますよね( ̄ー ̄)民族集団ethnic groupって言い方もありますけど、アイデンティティを共有してるかって側面も考えると、容易に区分できないというのに(−_−;)

2012-03-31 05:21:29
@nakkhtak

人文系ならもうちょい敏感になってほしいですよね。 RT @nekotamatodo 民族って単語にあまりにも無頓着な人って困りますよね( ̄ー ̄)民族集団ethnic groupって言い方もありますけど、アイデンティティを共有してるかって側面も考えると、容易に区分できないというのに

2012-03-31 05:22:45
@nakkhtak

さっきから,僕が垂れ流しているツイートをお気に入りに入れてくれたり,リツイートしてくださる方々がいる。別にいいんだけど,なんの文献かわかってます? いや,書誌情報とか数十分前に書いたきりなんで。ちゃんと読もうと思ったらそっちもチェックしたらどうなんでしょうか。

2012-03-31 05:21:26

 

雑誌「思想」No.1056 掲載論文

Takuya ONODERA @takuya1975

『思想』の「中欧」特集。歴史系の論文で一番面白かったのは、深井智朗「なぜ神学者ナウマンが『中欧』を書いたのか」。歴史的に形成された概念の限界を指摘するのは正当なことだけど、この論文のようにその概念が形成された「生活の場」を明らかにしなければ、本当に乗り越えることはできないと思う。

2012-03-31 16:57:30
@nakkhtak

思想』の特集は,羽場論文へのdisで息切れしてまだ全然読めてないから,帰宅後にゆっくり読みたい。さーて,これから同窓会だーい。

2012-03-31 17:08:23
@nakkhtak

羽場論文disについては昨晩および本日早朝のツイートを参照。いやもう,ほんとにひどかった。

2012-03-31 17:09:17