吉本隆明追悼記事まとめ

4月初旬〜刊行されている雑誌媒体での「吉本隆明追悼記事」に関するまとめと、少しの所感。
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【吉本隆明追悼記事まとめ】群像:正しさから見放される体験/竹田青嗣>> 「大衆の原像」は生活における主観的正しさ(=可誤性)の多様から出発しなければ「思想の普遍性」は無効という認識。カント-フッサール「超越的認識は存在しない」認識論との親和、マルクス主義-ポスモダとの対抗を指摘。

2012-04-11 03:02:51
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【吉本隆明追悼記事まとめ】群像:「四回戦ボーイ」の原像/大澤真幸>> 吉本講演終了後の会食時、フーコー対談の話題になり「自分が四回戦ボーイだと思った」とあっさり言われた事の衝撃。「吉本氏は、あのとき謙遜していたわけでも、卑下していたわけでもない。ただ、純粋に正直だっただけである」

2012-04-11 03:04:05
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【吉本隆明追悼記事まとめ】群像:ごく単純なこと一点だけ/山城むつみ>> 「関係の絶対性」は吉本が戦争と「人生問題」(二葉亭四迷)の交差から導き出さざるをえなかった概念であり、現在においても支配的である「「以後」を際立てる言説」への異和して引き継ぐべきという執筆者の宣言。

2012-04-11 03:05:19
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【吉本隆明追悼記事まとめ】の途中だが、雑感を挿入。

2012-04-11 23:26:18
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「ごく単純なこと一点だけ」と書いている山城むつみの文章に、ヤボを承知で付け加えると、山城が言う「人生問題」の考察のために、吉本が自身の考え方の基礎に置いた「大衆の原像」であると言っていいと思う。

2012-04-11 23:27:09
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その「大衆の原像」について、自分は次のようなザックリとした理解で充分だと考えている。それは、「大衆の原像」=人間社会の発展のための課題は、「共同幻想」に犯されない「自己幻想」の"保護"について究極的に追究していくことにのみ、存在するという認識である、ということ。

2012-04-11 23:27:33
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そんな折、同じ『群像』で竹田青嗣が認識論の問題と絡めて書いている内容、すなわち「主観的正しさ(=可誤性)の多様から出発しなければ「思想の普遍性」は無効」とする吉本理解(竹田曰く、元は加藤典洋の説)を読んで、自分のつたない理解にとって、あらためての補強になりました。

2012-04-11 23:28:28
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※ちなみにアカ主はただの若年性無学であるため、竹田がここで論じている認識論についてはまったく明るくありません。

2012-04-11 23:28:36
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ところで今回多くの追悼文を読んでみて、宮台真司(後日まとめに入れます)をはじめとして、吉本の「大衆の原像」というタームの今日的(特に80年代以降)な無効性を指摘しようとする論者の何人かが、現代人(社会)における「成熟」という問題を重要視していることが特に関心を引きました。

2012-04-11 23:29:58
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なぜ関心を引いたかというと、吉本はそのような「成熟」という概念について、自分が知る限りほとんど問題にしなかったからです。もちろん「成熟」という言葉自体、論者によって多義的な意味を持ちますが、なぜ吉本が「成熟」を一向に問題としなかったかについて、今は深入りしません。

2012-04-11 23:31:24
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深入りはせずとも、ひとまず先に挙げた「自己幻想」の"保護"の追究を第一義とする認識に立てば、「成熟」が問題にはならないのは当然のように思えますし、この点に「大衆の原像」問題に対する論者たち(と吉本派)のすれ違いは直結するのだろうとは考えられます。

2012-04-11 23:32:12
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ところで「自己幻想」の"保護"の追究を第一義とする吉本の考えは、状況論により分かりやすく表れると思います。たとえば北朝鮮拉致問題。吉本は2004年刊の『「ならず者国家」異論』(良書)の中で「拉致事件の解決法は、被害者本人がどちらで生活したいかということに尽きる」としています。

2012-04-11 23:33:08
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このクール(でしょ)な発言は、先に挙げた自分の「大衆の原像」理解の裏付けの一つになっているのですが、それはともかく、自分が知る限りでは当時から現在まで、拉致問題についてこの観点から発言している人を、非ブロガーの識者の中で、昨日の蓮池透氏のツイート以外に見たことがありません。

2012-04-11 23:35:32
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こういう発言は、吉本の思想原理から言ったらとても基本的なレベルのもので、吉本からしたら「当たり前でしょ」な内容だと思うんだけど、数いる「吉本派」の人たちの中にこういう発言をできる人がほぼ皆無っていうのが、どうなのよと思ったり。

2012-04-11 23:39:28
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ってのは置いておいて、吉本は後期以降も、そのように「自己幻想」の"保護"の追究を第一義としたまま思索を続けた。貧困問題が解消され/第3次産業が最も発達した後の社会における最重要の課題としたのが、精神病の問題、オウム真理教問題、贈与の問題等であったと、考えています。

2012-04-11 23:41:44
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あらためて読みなおしてみて、吉本のタームをほとんど使わないで書いているのが流石だなと思った。 追悼、吉本隆明氏を送る | 冷泉彰彦 | コラム&ブログ | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト http://t.co/ugsmlZSS @Newsweek_JAPANさんから

2012-04-12 10:59:23
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『追悼企画 我々にとって吉本隆明とは何か』 2012年4月13日(金) 20時00分~21時55分 ゲスト 芹沢俊介 評論家 三浦雅士 文芸評論家 BSフジLIVE プライムニュース - Yahoo!テレビ.Gガイド http://t.co/g2bJU1xG #yjtv

2012-04-13 10:14:33
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橋爪大三郎による吉本理解は、今回の追悼文を読む限り、他の論者と比べて圧倒的に整理(チャート化)されています。 永遠の吉本隆明【増補版】 (新書y) 橋爪 大三郎 http://t.co/Y4PbHjUA

2012-04-13 18:09:59
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ただし橋爪氏の整理の仕方でも零れ落ちるものはたくさんあるだろうし、吉本を簡単に処理するのはそもそもムリ(もちろん橋爪氏の仕事を否定したいわけではなくて)。

2012-04-13 18:11:46
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個人的には橋爪氏を編集長にして、無名のブロガーの方々を含めたいろいろな人に寄稿してもらって、図版とか写真いっぱいつけてグラフィカルな感じにした大判のムックにしたら、絶対イケてると思うんだけどナー。

2012-04-13 18:15:17
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「独解、吉本さん」書いているsheep5 さんとか。http://t.co/7YV3Znsr ほかにもサイレントな読者は絶対かなりいると思うんだけど、それはしょうがないとしても。

2012-04-13 18:18:42
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自分がブログとか読んでいいなって思うのが、ことごとく『「反核」異論』以降吉本に関心を抱くようになった、プログラマらしき人とかだったりするんだが。

2012-04-13 18:21:51
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【吉本隆明追悼記事まとめ】群像:日本文学盛衰史 戦後文学編 23/高橋源一郎>> 表題の連載小説で吉本と江藤淳の対談を引きながら「文学と非文学の倫理」(先頃刊行された対談集のタイトルそのまま)と、「永遠の課題」と「緊急の課題」に対する態度について。以下次号に続く。

2012-04-15 09:49:30
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吉本の死で「昭和」が完全に終わったとするコメントが多い。気持ちはわからなくもない。が90年代当時存命だった吉本江藤両人にとって、そんなものとっくに終わってんよ(たとえば93年の自衛隊海外派遣)となるように思う。そんなロマンチシズムに意味があるのか、何を呑気なことを言ってるんだと。

2012-04-15 10:00:54
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文学者のとるべき態度としてかくあるべしと、「緊急の課題」と「永遠の課題」への解答としての合否はひとまず置いておいて、「昭和」がとっくに終わっていることに一人でキレて叫び続けていたのが大塚英志か(吉本・大塚による「だいたいで、いいじゃない。」など)

2012-04-15 10:04:46