NHKスペシャル「MEGAQUAKEⅡ 第2回 津波はどこまで巨大化するのか」 書き起こし・ほぼ完全版 #nhk

4月8日夜に放送されたものを文字起こししています。 (番組内容)なぜ想定を大きく超えた巨大な津波が東日本大震災で発生したのか?津波増幅のメカニズムを解明。
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とし @toshihiro36

<ナレーション> どこを襲ってくるのか予測が難しい巨大津波。震災後、これまで大津波が想定されていなかった東京湾でも新たな研究が始まっています。自治体の防災計画の見直しを進めている、柴山知也教授です。これまでの想定を超える津波が襲った時、何が起きるのか。

2012-04-09 07:39:32
とし @toshihiro36

柴山: 日本全国どこでも津波があることを前提に、もう1回見直してみると。地域の防災計画に直接活かせるような津波想定を設定し直すということを今やる必要がある。

2012-04-09 07:44:37
とし @toshihiro36

<ナレーション> 柴山さんは東京湾に津波が流れ込みやすい、伊豆半島沖での地震を想定しました。湾内に侵入した津波は千葉県の富津岬に当たって方向を変え、横浜に向かいます。これまで津波が想定されてこなかった横浜の中心街はどうなるのか。

2012-04-09 07:49:29
とし @toshihiro36

<ナレーション> 護岸は高さ3m。これを超えると、浸水が始まります。横浜駅周辺では川から濁流があふれ出します。地下街にも流れ込みます。浸水が進むと、脱出するのは困難です。 1年前、首都圏の各地では地震による液状化現象で、堤防や護岸が崩れました。

2012-04-09 07:54:39
とし @toshihiro36

<ナレーション> 津波に襲われると、被害が拡大します。 石油コンビナートが広がる川崎市。護岸が崩壊するとタンクの油や化学物質が漏れ出す恐れがあります。そこを津波が襲えば、湾内に火災が広がります。 津波は東京湾のさらに奥へ。沿岸には海抜0m地帯が広がっています。

2012-04-09 07:59:27
とし @toshihiro36

<ナレーション> 地震でもろくなった堤防が決壊、市街地に流れ込みます。一度浸水すると水が引かず、多くの人が孤立することになります。  露わになった大都市の危険性。津波からの避難を前提に、対策を見直す必要があると柴山さんは考えています。

2012-04-09 08:04:53
とし @toshihiro36

柴山: 東京湾は、まだまだきちんとした検討が行われていなかった場所と。 いくつもの想定されていなかったシナリオがありうるので、考え直す必要があります。

2012-04-09 08:08:08
とし @toshihiro36

<ナレーション> 津波の脅威が次々と明らかになっている日本。次の巨大津波はいつ襲ってくるのか。「時間はあまりない」と警告する研究者がいます。シンガポールのケリー・シー教授。巨大地震の連鎖を予測する、地震研究の世界的権威です。

2012-04-09 08:12:11
とし @toshihiro36

シー教授: 九州から沖縄にかけての地域では、大地震が起こるかもしれません。南海トラフでは巨大地震が起こると予想されます。ここ(房総沖)では地震が起きるかどうか懸念されています。

2012-04-09 08:15:52
とし @toshihiro36

<ナレーション> その根拠はインドネシア・スマトラ島沖で続けてきた巨大地震の研究です。2005年、シー教授はスマトラ郎沖でのプレートの境目で巨大地震が連続して起こる可能性を指摘しました。その前の年、スマトラ島沖ではM9.1の地震で巨大な津波が発生していました。

2012-04-09 08:20:31
とし @toshihiro36

<ナレーション> 翌年、そのすぐ南側でM8.7の巨大地震が発生します。シー教授は、さらに南側で地震が起きると予測。2007年、実際にM8.4の地震が起きたのです。 長年インドネシア政府と共同で、スマトラ島周辺の島々を調査してきたシー教授。

2012-04-09 08:25:36
とし @toshihiro36

<ナレーション> 巨大地震の予測を可能にしたのは、サンゴによる年代測定です。サンゴの年輪から地震が起きた時期を読み取ることができます。海中で成長するサンゴ。地震で海底が隆起すると、水中から出た部分の成長が止まります。水面より下は成長を続けます。

2012-04-09 08:30:01
とし @toshihiro36

<ナレーション> 再び地震で隆起すると、水の上は成長が止まります。サンゴの年輪から、巨大地震がいつ起きたのか特定できるのです。

2012-04-09 08:34:55
とし @toshihiro36

シー教授: ここが1660年の地震。その後成長した部分がこれで、ここが1797年の地震です。

2012-04-09 08:37:18
とし @toshihiro36

<ナレーション> この地域では、およそ200年ごとにM8前後の地震が連続して起きる時期がありました。1833年を最後に、200年近く巨大地震が起きていませんでした。そこに2004年の巨大地震が発生。これをきっかけに地震の連鎖が起きると予測したのです。

2012-04-09 08:40:43
とし @toshihiro36

シー教授: スマトラ島沖ではいくつもの場所が影響し合い、地震が次々と連鎖します。最初に「バーン」と地震が起こると、隣にストレスがかかってそこでも地震が発生するのです。

2012-04-09 08:43:37
とし @toshihiro36

<ナレーション> 今後もスマトラ島沖で巨大地震による津波が続くと考えているシー教授。同じように巨大地震が起きた日本でも、危険性が高まっていると指摘します。

2012-04-09 08:45:44
とし @toshihiro36

シー教授: 東日本大震災は終わりではなく、次への連鎖の始まりかもしれません。また巨大地震に襲われるという、恐れと共に生きていかなければならないのです。

2012-04-09 08:48:06
とし @toshihiro36

<ナレーション> スマトラ島沖、チリ、そして日本。21世紀に入って、人類は巨大津波に繰り返し襲われています。 ハワイにある太平洋津波警報センターです。24時間体制で津波を監視、34の国や地域と情報を共有しています。

2012-04-09 08:55:51
とし @toshihiro36

<ナレーション> 津波の発生をいかに早くとらえるのか。水深6000mの深海に、水圧計を設置しています。現在50機、今後各国で増設し監視体制を強化しようとしています。

2012-04-09 08:59:55
とし @toshihiro36

ジェラルド・フライヤー博士: 巨大な津波は太平洋を横断し、すべてを動かします。太平洋の国々は運命共同体です。世界の研究者が結集する必要があります。

2012-04-09 09:02:57
とし @toshihiro36

<ナレーション> 2年前、巨大津波に襲われた南米・チリ。過去1000年の地層にいくつも現れる痕跡から、次の巨大津波を予想しようとしています。

2012-04-09 09:05:50
とし @toshihiro36

マルセロ・ラゴス博士: 将来、巨大津波は再び発生します。だから研究を続けます。

2012-04-09 09:08:18
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